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結局、

保護者にとって良かったかどうかは

わかりません。



とあるフォーラムに
幼児~小学校低学年のお子様と
参加された方がいらっしゃいました。




「静かにして!」と
お子様にも声をかけていらっしゃるのですが、
幼児を中心に走り回る事態に。

会場の後方であり、
大きな声を出すわけでもないので
凄く邪魔ということもありません。

フォーラムも、教育関係とあり
お子様に寛大な参加者が多かった
ように見受けられます。

通路を行くお子様に笑顔を向ける方が
多かったのです。





が、保護者は叩きました。






鳴き声が響き渡り、
お子様を抱えて退場されました。
廊下で怒鳴っているであろう声が
漏れ聞こえます。

静かになったお子様と
申し訳なさそうな保護者が再度会場に入り、
他のご兄弟も静かに過ごします。

しばらくすると、
またウロウロし始めます。





そして、叩かれることの繰り返しです。




私は、余計な口を出しました。
上のお子様に
「凄いね!静かにできるのね!」
下のお子様に
「え?◯才なの?お姉ちゃんみたいに
できる?」
と声をかけました。

そして、時折振り返り
「すごい!」
「バッチリ!」
「かっこいい!」
と、静かに座っていることを誉めました。






彼らは、振り返る度に
誇らしげな顔をします。

私がおもむろに振り返っても
焦らしながら振り返っても
笑顔で席から離れず静かに何かを書いています。



保護者は、ちゃんとお絵かきのセットを
用意しておいででした。



休憩時間に、絵を見せてくれました。

保護者に挨拶をしたのち
子どもたちに
「一時間も座っていられるなんて!」
と大袈裟に驚いて見せ、
素晴らしい絵を誉めました。





「後半も静かにできるかしら?」
「走りたくなるかしら?」
「走りたくなったら私も一緒に走ろうか?」
「静かに座っているあなたたちは
お母さんの誇りでしょうね」
「あなたのお姉さんは素晴らしい見本ね!」
「お姉さんのようにできるあなたは
まるで◯(実年齢+)才ね!」



フォーラム終了時、
お子様はお手紙をくれました。

ありがとう
だいすき
たのしかった
いいこじゃなくてごめんなさい

「おばちゃんは、今日
いいこしか見ていないわよ?」

胸が少し痛みました。

叩かれたらいいこじゃないからだと思います。

叩いた保護者の気持ちが
わからないわけではありません。

私が、叩く以外の方法を知っているだけです。

私が、叩くほどがむしゃらになっていないだけです。



「すみません」と仰る方に

「ありがとう」とお返しし、

お子様の走ったことではなく

座っていられたことに重点を置き

とても素敵なお子様だとお伝えしました。


実際にとても素直で可愛らしい

お子様たちでした。




親御さんの自尊心を傷つけていませんように。

お子様たちが私のせいで

より怒られていませんように。



見て見ぬふりができない

そんな私の性分も反省しつつです。


「もっとこうしたら」と

思ってしまっているから、

相手に不快な思いをさせることも

あるだろうと思います。


お母さんの塾みたいのがあったら

良いのにな、って思います。




保護者の方には、
差し出がましいことをしたかもしれないと詫び、
可愛くてつい声をかけてしまうと話し、
なんだか懐かしくて嬉しかったと
感謝を伝えました。




こんなとき、子どもには
  • 事前の準備・お約束
  • 見通し
  • スモールステップ
の三点セットがおすすめです。

この日この保護者の方は
おやつをいっぱい用意しておいででしたが、

私だったらおやつは
「ご褒美」に使います。

約束が守れたら食べさせます。

  • 大きな声を出さない
  • 歩かない
と、最低限の2、3だけ約束します。

兄弟に優しくしたり食べ物をこぼさなかったり、
貸してあげる、挨拶をする
といったお約束が、実はきっといっぱいあるはずです。
大人が把握できていないとこどもにはより難しいです。

例えば午前中2時間、午後2時間、
子どもたちが内容もわからない講演を
静かに聞いているなんて
簡単ではありません。

幼児であれば、10分~15分で声をかけたり
頭を撫でてあげます。

「ありがとう」と、
あなたたちが「いいこ」にしてくれているお陰で
お母さんはこのお勉強ができると
何度も伝えます。

その間に子どもが自分の遊びに集中していれば、
声をかける必要はありません。

頭を撫でて集中が途切れるお子さんには
撫でることもなくて良いと思います。

走り出す前に声をかけることが
大きなポイントです。

時間の感覚が未熟な子どもですから、
あと何分で終わるといった見通しは
とっても難しいです。

でも、「あと10分座っていられたら」
「長い針が◯になったら」ご褒美
という形でクリアしていくと良いです。




走ったら叩く
より
走る前に誉める
&
達成したらご褒美
の準備をしておくことをご提案します。


今回の親御さんとは
ここまで深くお話ができませんでした。

もう一度、お母さんの塾みたいのが
あったら良いのにな、って思います。