A君は、中学時代いじめられていたそうです。

学校も、入学時に中学校からの
報告を受けているそうです。

どんないじめだったのか
実際にいじめだったのか
被害妄想、嘘、思い込み、勘違い...
そんな可能性も考えられるとは思いつつ
彼の人間性がいじめ被害によるものなら
少し同情もします。

同時に、そんな彼だからいじめられたという
可能性も捨てきれないとも思っています。

入学当初、最初に言葉を交わしたという
にっこりとA君でしたが、
にっこりから聞く話やLINEから
随分な高圧的、攻撃的な言動が
やや目につきました。

お酒を飲んだ
たばこを吸った
ケンカがつよい
彼女が...

にっこりは、時折本当に心配をしており、
A君に「やめた方が良いよ」等と送り
「うるせー。殺すぞ」等と返されていました。

ニコニコ「本当か嘘かもわからないし、
もう、放っておきなさい。
言いたいだけなんじゃないかな?
と思うよ。」と伝え、
入学から数ヵ月立つ頃には
彼の発言が目立っていたLINEグループは
無くなっていました。

いわゆる高校デビューだったのか、
元々こういう子で周りから距離を置かれたのか、
まだ友だちの作り方や
関係の深めかたがわからないのか
可哀想なところはあると思います。

まず、父親がちゃんと話を聞いてくれていない
のは実際に私も目にしました。

本当に、にっこりといっぱい対話をしてきて
今回も話してくれて
お互いにしきったと感じられて良かったです。




私は、我が子に
「いじめっこ程守ってあげなさい」と
話しています。

にっこりは、他人の話ならよくわかります。
が、自分が被害者となると、
自分の感情が大きすぎて見えなくなります。

A君を思いやるというのは、
なかなか難しいことです。

今回は、私も学校に再三足を運び、
にっこりの話を本当にいっぱい聞きました。
そして、時間はかかりましたが
最終的には学校にもにっこりの事実は
きちんと伝わり、理解して貰いました。

そして、自分が納得したのでしょう。
ホンの少しA君を思いやる気持ちが
芽生えたのではないでしょうか。

にっこり「あー。A、お母さんも居ないんだって。
なんか、妹?産んで亡くなったらしいよ?」

ニコニコ「そっかぁ...。」


同情をヨシとしているわけではありません。
が、今のにっこりが他人を思いやるには、
こういうわかりやすい背景が
必要なのかもしれません。

にっこりは、A君やA君のお父さんから
「遊んでやってる」
「かまってほしくて嫌がらせしてる」等と
言われたことに対して、
事実と違うことを否定はしますが
言葉に隠されたにっこりを下に見る感覚までは
読めていません。

自閉症スペクトラムの
良いところであり
足りないところです。

にっこりニコニコも救われているところもあります。





にっこりは、その後もA君とは
普通に過ごしているそうです。

話し合いの中で指摘された
にっこりの傾向は、気をつけているとのこと。
(距離が近くなってしまうところ等)

すると、今度は数名のお友だちが
A君が同じことをしていたり
目に余る行動があったりと陰口を
叩くことがあるそうです。

にっこりも、「お前が俺に言ったこと、
お前がやってるじゃん」と思うことも
しばしばとのこと。

それも、もうA君の問題だと思います。

ニコにとっては、
大きな学びがありましたし、
成長を感じさせて貰える事柄でした。

ある程度嘘が通用してしまったA君。
父親からは結局謝罪の無いまま
私たちはこの件について問うことはしませんでした。

謝罪の必要性も感じませんし、
形だけの謝罪なんて行くだけ無駄骨です。

子どもたちがなにかを感じ、知り、
向上 成長していけば
それで良いと思っています。




にっこりは、「今回のことは、
一切誰にもにっこりからいじったり
触れたりしない」と約束して
この一件を終わりました。