告示を見て姉と話し合った
永遠に続く不老不死の幸せ
このまま穏やかに暮らすか?
今を捨て方向転換するか?
弟は、海を守る使命があり
天に昇る竜となり
時には雷神として
地を守る母のそばにいた
(血獄の大地を守る根の国の母)
天と地を行き来が出来る
今のままで…
選択する必要はなかった
この国でゼウスとして生きれば
ウラノス大王が息子の
クロノス王に殺されたように
新しく入れ替わった父
クラノス王(我が子を殺し流す)を
母と復讐することになりかねない
姉は「やっと過去が廻って来た」と
未来を予知してるかの様だった
私は「姉さんと別れるのは嫌だ」と
駄々っ子のように姉を困らせたのは
これが最初で最後になった
姉は…
海のように「使命」がある
そして……
姉の恋人と言う人が毎年
7月7日に会いに来ていたのに
待ちくたびれて…
固まったまま
山になってしまったと言う
姉は岩戸に隠れたまま…
この世界に来たのだと
涙を流し話してくれた
私まで“貰い泣き”と言うのをした
でも “恋人って何だろう…”
山になってしまうなんて
初めてあの泉に行ってから
元気がなかったのは…
母に会いたかったのではなく
恋人さんに会いたかったのかぁ…
引き止めちゃ、いけないんだよね…
姉さんと離れるなんて
考えたことなかった
“一心同体”だったのに
これから私はどうすればいいの?(>_<)
あの泉に来ていた
アポロンさんが「心配ごと?」と
問いかけて来た
コクン、と頷いた
「お姉さんと君は双子だから
離れることはないよ
勇気を出して冒険しては?」
そう微笑んだ
「本当?」と訪ねてみた
嘘でもいい
まやかしでもいい
背中を押してくれる
そのひとことが欲しかった
「僕を信じて 自分を信じて」
そう真っ直ぐな瞳に
「アポロンさんとも離れたくない…」
これが“初恋”と言うものだった
★地球というある星に★
竹から産まれた女の子は
老夫婦に大切に育てられ
月へ…
その地を照らす
太陽の女神(天高原)
その地の夜を見る
月の女神(黄泉)
双子の姉妹
【完】

最後まで読んで頂き
ありがとうございました
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