姉の過去は弟(海)と話してた内容で
訳ありだと感じていたので
触れない方がいいだろうと思った
そう、気を取り直し
前から気になっていた
この国の父なる王が戦いに出てると
「戦争」って何だろう

身体から、赤い水が出てる
アレは何だ

木の実を食べるときに使う
ナイフを用意して来てた

ナイフで身体を切ると私も
赤いのが出てくるかな…

膝上、辺りの太腿を切りつけた!
ギャーーーーーッ!!
赤いものが出た!
しかも ビリビリと痛みが!!
痛いよぉ!!!!!
「どうされました?
血が出てるじゃないですか!」と
バンダナで赤いものを
拭い取りキツく縛ってくれた
「血は すぐに止まります
痛みは明日まであるかもしれません」
「あっ、ありがとうございます
血…って言うんですか?」
黒い瞳をした野性的な
男の人だった
「そう、赤く流れ出たのは血ですよ
怪我しても、普段は血なんか
出ないからビックリされたでしょう」
「あのぅ~
何のために血が出るのですか?
何故 痛むのですか?
あっ!私、セレネと言います」
「血が知りたくて、ナイフなんかで
傷つけてみたのですか?アッハハハ」と
大笑いされたみたいだ(・_・;)
「僕はアポロン、宜しく!
なかなか、イイ質問ですね(笑)
そうですね…
心が循環してるから!かな…」
「循環、ですか…」
循環の意味はわかっても
よく理解できなかった
「身体の中には、いくつもの
道があって、その中を栄養って
ヤツが循環してる…
そいつが血液です、わかりました?」
「はい!何となく…」
「その足では 歩くたびに痛むでしょう
手のかかる、お嬢さんですね
ハイッ!送って行ってやりますよ」と
アポロンさんは
背中を向けて、かがんでいた
「あのぅ~ 赤ちゃんにする
“おんぶ”ですか?」と聞いてみると
「よく知ってますね!
おぶってやるしかないみたいで(-"-;)」
「ヤッターヤッター」喜んで♪
その広い背中におぶさった

「お母さん!」と赤ちゃんになった
気分でアポロンさんを呼ぶと
「お母さんぢゃないの!
君は赤ちゃんでもないの!
僕はアポロン立派な男なの!」
呆れ果てながら…
仕方なく私を送り届けてくれた
続く…
