題名:トゥルークの海賊
著者:茅田砂胡

発行:中央公論新社

トゥルークの海賊1 (C・NOVELSファンタジア)/茅田 砂胡
¥945
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帯の広告には最新刊!怪獣夫婦、トゥルークに乗り込み海賊退治――?だけど、新シリーズじゃない?とありました。

タイトルを見ても表紙絵を見ても「あ、天使たちの課外活動の裏話なのかな?」といった印象でしたが、どうもその通りのようです。
シリーズの違う物語同士の関係について、詳しくはこちらにて説明を試みていますので、興味ありましたらどうぞ。


※注意※
このページはトゥルークの海賊1に関するネタバレを大いに含みます。ネタバレをお望みでないかたは退避なさってください



よろしいでしょうか?




大真面目で天然なトゥルークの僧と、規格外ではあるけれど社会慣れしている(?)怪獣夫婦の交流がコミカルに描かれていて面白いです。

まだ情報収集のターンなのかアクションシーンは控えめですが、次巻でそうそうにも荒っぽいことになるのはすでにほぼ決定のようです。


なぜなら、
グランド・セブンの二代目を騙る、自称グランド・エイト。ご丁寧にも艦名と船長の名を伝説の海賊シェンブラックとグランド・セブンの面々からとってきたゲスのにおいがぷんぷんする海賊団がでてきたからです。
そのうえキングが空いてるからお前を入れてやってもいいぜ(意訳)なんて言ってきてます。
ケリーたちが怒らないわけがありませんね。

まぁ、この辺りのことは今までのシリーズを読んでないと、なんのことやらさっぱりかもしれません。
要するに、ケリーたちの昔馴染み(と書いて戦友と読むような人々)名前を借りるだけのエセ二代目が登場したわけです。ケリーはまさにキングそのひとでしたから、これはもう怒らないわけがありません。


久々にスケールも大きな話になりそうなので、次巻を今から楽しみにしています





 

あらすじ紹介

トゥルークという惑星の僧たちは非常に勘が鋭く嘘を見破ったり来客を察知したり隕石の落下を予測したりする者もいた。
彼らは厳格な教えを守り、またトゥルーク全体としても前時代的な生活を送っていた。
もともとは惑星の入植者たちであり、ある程度の文明を持っていたはずであるが、惑星の特殊な環境により元々あった文明はかなり失われてしまったらしい。
共和宇宙連邦もトゥルークのことを忘れてしまっていたが、ショウ・ドライブ(宇宙船のワープ航法のようなもの)の開発により、中央に近かったトゥルークと再び出会うことになった。

それから数年。

共和宇宙連邦では新種の薬物が上流階級で問題となっていたが、薬物の原料にはどうやらトゥルークの出荷物が関わっているようだ。また、高僧の特異な能力とは別に、怪異としか言えないような不思議な現象も惑星トゥルーク周辺で確認されている。
元連邦主席のマヌエル一世に相談を受けたケリーとジャスミンは、海賊船に貨物船をよく襲撃され困っていたトゥルーク政府の協力も得て惑星トゥルークに降り立った。

規格外の能力を持つケリーとジャスミンであったが、トゥルークには驚かされっぱなしであるものの、そこでは一般市民も普通に生活していた。そして、若者の恋愛事情にも首を突っ込むことになるのであった。




 
小説家、茅田砂胡先生の作品群の繋がりを説明するためのページです。他の作品の感想ページで説明しようと思ったら思いのほか長くなりまして、独立させることにしました。






※注意※

様々なシリーズの結末に触れていたりしますので、そのあたりをお知りになりたくないかたはバックしていただけるとよろしいかと。





















デルフィニア戦記シリーズは、中世ヨーロッパ風ファンタジー世界のデルフィニア国王の前に、異世界から落ちてきたリィという子が現れ、リィの驚異的なちからによって国王のピンチを救うというような話です。最終的にはリィは元いた世界に帰り、国王はデルフィニアに残っての(もしかしたら永遠の)別れとなっております。

スカーレット・ウィザードシリーズは、未来風世界で科学の発達が著しいスペースオペラ風の物語です。宇宙的大企業の後を継いだジャスミンが、海賊のケリーに求婚すべく接触、結婚し子を産む。けれどその間には権力闘争や陰謀やしがらみがうずまき・・・と聞くと、ビジネスモノを想像してしまうかもしれませんが、ケリーはともかくジャスミンまでも高身長で筋力体力抜群で銃火器をバンバンぶっぱなすツワモノです。船長の夫と戦闘機乗りの妻の物語でもあります。

この二つ自体はそれほど接点がないのですが、暁の天使たちシリーズがデルフィニア戦記とスカーレット・ウィザード両方の続編となっています。

つまり、デルフィニア戦記のリィの元いた世界というのがスカーレット・ウィザードで舞台となった世界だったというわけです。暁の天使たちはスカーレット・ウィザードのおよそ50年後。ジャスミンとケリーはとっくにお亡くなり(片方は冷凍睡眠だったりしますが)になっているわけなのですが、これもいろいろあって生き返ってきます。

リィとリィが連れてきた数人のデルフィニア戦記の世界の人々、スカーレット・ウィザードの登場人物、そしてリィの相棒である神に近い超人的な種族の異端児ルゥが、共和宇宙連邦の危機を救ってみたり文化祭に参加してみたりするスケールが大きかったり小さかったりする物語です。まぁどちらにせよ持ち前の戦闘能力を生かして大暴れするのが基本なのですが。

クラッシュ・ブレイズシリーズは暁の天使たちの直後、そのまま続きの物語です。基本的に一冊ごとの完結形式になっているのがこれまでのシリーズとの違いでしょうか。

クラッシュ・ブレイズの次に天使たちの課外活動シリーズが来ますが、これはリィたち学生の物語になっています。
学生ではない人・・・ケリーとジャスミンはトゥルークの海賊シリーズで活躍しています。
この二つは現在(2012年8月)まだ完結しておりません。今後の展開次第では天使たちの課外授業にケリーたちが出てきたり、トゥルークの海賊でリィたちが活躍することもあるかもしれません。


まとめるとこんな感じでしょうか。

デルフィニア戦記                  
        ↓
     暁の天使クラブレ課外活動/トゥルークの海賊
        ↑
スカーレット・ウィザード


桐原家の人々シリーズ、祝もものき事務所シリーズ、レディ・ガンナーシリーズと、独立した物語もあります。

スカッと爽快、とても読みやすい話が多いのでどれもおすすめです。





放浪の戦士〈1〉―デルフィニア戦記 第1部 (中公文庫)/茅田 砂胡
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放浪の戦士―デルフィニア戦記〈1〉 (C・NOVELSファンタジア)/茅田 砂胡
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題名:アイヌ神謡集
編訳:知里幸恵
発行:岩波文庫

アイヌ神謡集 (岩波文庫)/著者不明

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左にアルファベットで(おそらく)アイヌ語、右に日本語での対訳となっています。
カムイユーカラ(神様が自分の体験を語るという形式の物語)が十数話載っているわけですが、神様目線で語られる神話というのも新鮮味を感じます。
「むかしむかしあるところに・・・」
「曽祖父の父の時代の事・・・」
「私が祖父から聞いた話によると・・・」
「●●(有名な王様とか天王とかの名前)の御代・・・」

昔話や神話というのは、こんなテンプレートから始まるイメージを持っていた私としてはなかなかに衝撃でした。
国の岬、神の岬の上に 私は座しておりました
私=神様なわけですが、かつては祭りにてその神の扮装をして、あるいはシャーマン(にあたるひと)が託宣として語ったものなのだそうです。
物語のしめくくりはと、幼い狼の神様は物語りましたといった形なので、ここで人間視点がもどってくるような気がして面白いです。

神様といっても、それほど万能ではありません。
狐の神、梟の神、狼の神などと、多くは動物の姿をとっており、夢枕に立ったりちょっとした神通力を持つことが多いようです。
知恵や意志はあっても、なかには急ぎの要件を走ってるうちに忘れてしまううっかりものや、上位の神に言いくるめられてしまう神もいます。
人間への教訓にするとしても失敗談が多く、人間の反面教師が神様なんてことも。これは日本やギリシャの神話でもよくある事ではありますが。

表現はやわらかく、注釈も丁寧で豊富でとても読みやすいです。
またアイヌ文学そのものに関する解説も、アイヌ文化に明るくないひとへ向けて書かれたものだからなのか、難しい用語も少なくわかりやすかったですね。
私はそれまでアイヌの神話を全く知らなかったのですが、日本の昔話やイソップ物語を読んでいるような感覚でさらさらと読むことができました。

一話一話が短く、全体でも200ページない本ですので、ちょっとした軽い読書にもよいのではないでしょうか。




題:神曲(上)
作:ダンテ
訳:山川丙三郎
発:岩波文庫




全3巻・・・だけど私の手元には上しかなかったりする。
そのうち中下と揃えたいところ。

初版が1952年というだけあって、表現や漢字が難しかったり、今となっては見ないかたちの活字に手間取ったりと、なかなか難しそう。
ドレの神曲(宝島社)は挿絵がメインだけあって読みやすかったのだけどね。


深い理解とかはとりあえず求めず、読了が第一目標かな・・・。
普段はラノベを読むことが多いので、これは長期目標にするつもり。
気長にいきましょう、ということで。

・・・しかしこんなんが最初の記事でいいんだろうか・・・^^;