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株式会社フロッグテイルはデザイン、翻訳、トランスクリエーションにより、世界で戦う日本企業を支援しています。
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私が昔、翻訳会社に居たころ、売り込みに来た機械翻訳ソフトのセールスマンに対し、うちの副社長が「Time flies like an arrow.」というお題を出し、ソフトの翻訳結果が「時間蝿、矢を好む」だったので、お引取り願ったという話しを前回しました。今回はその続きです。

実は、この Time flies like an arrow.=「時は速く過ぎ去る」「光陰矢の如し」は結構な難問でして、読み方によって7通りの解釈ができるしろものなんです。

1蝿(ハエ)の(飛ぶ)時間を計る際に、矢の(飛ぶ)時間を計る時ように計れ。

2蝿の(飛ぶ)時間を計る際に、矢が計るようにして計れ。

3矢のような蝿の時間を計れ。

4「時間蝿」(という生物)は(皆、同じ)矢を好む。

5「時間蝿」(という生物)は(各々が、それぞれの)矢を好む。

6TIME誌(雑誌名)を投げると、矢のように飛ぶ。

そして本来の

7時は矢のごとく、速く過ぎ去る。

意味は????でも、これだけの解釈が文法上可能なんです。Time が名詞なのか動詞なのか、はたまた形容詞的な役割を持つのか。Flies も名詞か動詞か。Like は「~のように」なのか「~が好き」なのか。これだけの不確定要素が混在しているので、まるまる1個のフレーズとして記憶していないかぎり、機械翻訳で正 しく訳すのは無理でしょう。単語ベースでは簡単そうに見えても、組み合わせると高難易度の、英語における syntactic ambiguity(統語的曖昧性)の代表例とされるような表現になってしまうのです。

今思えば、副社長(社長の元妻)は、翻訳システムの導入をもくろんでいた社長に対し、「翻訳って仕事を甘く見てんじゃないわよ!」というメッセージを送ったのかもしれません。

その鋭さ、矢の如し。叫び

ちなみに「Time flies like an arrow」を今、Altavista の Babelfish 翻訳にかけると、きちんと「光陰矢の如し」と出ます。それだけ翻訳アプリのデータベースが豊富になったということですね。しかし、このような1対1のフレーズ以外の細かい、微妙なニュアンスは今だに機械翻訳では無理です。本格的なAIを導入しない限り、難しいでしょう。

Doug