「蒐集癖というのは男性特有のものだ」という説を聞いたことがあるのだが,自分の周りに関してはなるほどその通りだなぁと思う.

もちろん自分にもバッチリ備わっており,数々のものが溜まりに溜まって住環境を脅かしつつある.

幸いにも車やオーディオや生身の女性などの高価なものを集める方向にならなかったのはいいのだが,CD棚からCDが溢れ出して雛人形の置き場がなくなるとか,枕元に築き上げた文庫本山脈が就寝中突如顔面に崩落するなどの災厄はままある.

もちろん片っ端から闇雲に集めるわけではなくCDでもDVDでも書籍でも同じ法則があって,「全集!」という言葉がつくともう矢も盾もたまらず所有したくなるのだ.

「○○ 全集」の文字を見るだけでうっとりしてしまうくらいだから「××大全集」になると脈拍が上がり鼻息も荒くなってくる.ましてや「△△大全集(限定500 セット所有者番号入り)」の刻印など発見しようものならもうネコにマタタビの如くすべての関節が外れ,その場に座り込んでしまう仕組になっております.

だから東のCD店で「バッハ大全集CD160枚組豪華化粧箱入り」の情報を得れば店頭にいそいそと並び,西のサイトに「日本の名随筆全2期200巻セット」を発見すれば思わずショッピングカートをいつのまにかクリックしてしまう.

CD の背などによく「vol.8」なんて軽々しく書いてる事があり,ホント迷惑して困るのだが,一般的には「あ,これはシリーズの第8巻目なのだ」と思っても らおうということらしいが,自分には当然「ホレ1巻から7巻も買いなさいよ~,9以降も忘れるなよ~」と書いてるように見える.

一方,最悪なのは全30巻中19巻のみ不所有!ってな場合.
これはもうそのことが気になって気になって夜も寝られず,八方手を尽くして探しても見つからなかった時は,泣く泣く全巻を手放し所有していたこと自体を無かったことにしたりする.

某 友人が無理矢理聞かせてくれた佐藤勝の映画音楽が気に入った事があり,それがたまたまマニアックな全集モノの中の一曲で,東京出張の折強引に時間を捻出 し,莫大な時間と労力を費やして都心のCDショップを巡りにめぐってその「佐藤勝映画音楽作品集全16巻」ってのを全巻そろえた事があるのだが聴くのはそ の中の1枚の更に1曲「隠し砦の三悪人」のテーマのみなんですね.このことを知ったこの(数枚所有の)友人の悔しがる様は今でも思い出せて痛快なのだが, だから全集モノの絨毯爆撃はやめられませんなぁ.
クラシック音源を集め出してから早40年あまり,世間ではストリーミングだダウンロードだのが主流になってゆくのは間違いなさそうだけど,この私の身の回りにある3万枚になろうとするCD群はどうする?

子 供の頃はオーディオ雑誌を眺めながら自分で購入したい機種を夢想し「こんなシステムを組んでみたいなぁ」と呟き,大人になってある程度実現したもののオー ディオなる趣味は当時とは比べものにならないくらいマイナーとなり,同好の士に蘊蓄を披瀝し議論を交わすこともできず,独りよがりじゃないのかと自問する 現状をどうする?

人生の折り返し地点をとうに過ぎこれまでと違い時間の余裕が出てきたものの,一方でやりたいことも際限なく増え,生の演奏会・国内海外旅行etc 蒐集癖に乗っ取り集まりつつあるものも海外ミステリー・ワインetc なんだ,全部時間を必要とするじゃないか!

「やりたかったこと」ではなく「やんなきゃならないこと」になってる気もするけれどもそれをこなしてゆくこともまた人生.まだ見えぬゴール目指して一つ一つこなしていきましょう.

本ブログは架蔵CDデータベースとその鑑賞記を中心に日頃思っていることなどをつらつら書きためていきたいと考えています.まずはデータベースだけど完成するのはいつのことやら・・・