狸 [出現地] 世界各地
妖怪ブログで狸?
と
お思いの方もいらっしゃるかもしれないが、妖怪について調べていると「狸が化けたもの」という輩は意外に多い。
水木しげる先生も著書の中で狸について
「まったく妖怪を一手に引き受けた感がある」
とまで語るほどだ。
以前このブログでも取り上げた大かむろもそのひとつである。
また、狸ら自身が主人公として語られる伝説も多く残っており、我々の良く知る所では『分福茶釜』や『証城寺の狸囃子』などがある。
四国には伊予国(現・愛媛県)狸の大親分、隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)がいた。
八百八匹の子分を持つことから、八百八狸(はっぴゃくやだぬき)とも呼ばれる。
しかもその八百八匹の子分達も地元に帰れば一匹一匹が結構な実力者でそれぞれにも子分がいたというから、隠神刑部の子分は数千匹に及んだと思われる。
さらに、仏教において本来は神様仏様が持つとされる超人的な力「神通力」を持つと言われ、その力は四国最強だったとか。
正しく狸界のスーパーレジェンドである。
そしてやはり狸というと人を化かす、騙すというのが一般的で、次の豆狸は驚くべき能力を持っている。
矢印の部分が何だかお分かりだろうか。
これは「睾丸袋」つまり、タ○袋である。
この異常にでかい○マ袋を家に変化させ人を招き入れたりする。
魯山(ろざん)という俳諧師がこれに騙され、その家の中で歌会に興じたという記録がある。
また雨の日にはタマ○を頭から被って外套がわりにし、酒を買いに行ったり酒の肴を探しに行ったりしていたという。
女性の読者の方には分かりづらいかもしれないが、我々男性からするとこれは驚異的な身体能力である。
そんなに伸びない。
私の住む東京でも稀に狸を見かける事がある。
しかし都会の狸はシャイなようですぐに逃げてしまう。
追いかけてみても見つけられないのは、きっと電柱や街灯などに化けているからだろう。
いつの日か、私もハデに化かされてみたいものである。
タマ袋の家はイヤだけどね。
記者 牧田龍彦