4月9日に井上ひさしさんが肺癌の治療中に亡くなりました。
享年75歳でした。

遺作となった演劇『組曲虐殺』の特集番組の中で、
舞台演出家の栗山民也さんは井上作品のことを
「人間至上主義」と表現されていました。
登場人物の一人ひとりがかけがえのない存在であり
それぞれが大切な物語を背負っている、と。

井上さんが手がけた東京裁判三部作（「夢の裂け目」「夢の泪」「夢の痂」）が
4月から3ヶ月にわたり東京新国立劇場で連続上演されるとのこと。
「戦争」「東京裁判」を市民の目線で描き、2001から6年をかけて上演された
この三部作、学生時代に観たのですが何となく消化しきれずにいました。
もう一度ちゃんと観たいと思っていたところにこの朗報。
絶対に観に行きたいです。
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生前、井上さんが座右の名として寄せた言葉。
深く心にしみます。
井上さん安らかにお眠りください。

『ゆれる自我』

むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをゆかいに
ゆかいなことをまじめに
まじめなことをだらしなく
だらしないことをまっすぐに
まっすぐなことをひかえめに
ひかえめなことをわくわくと
わくわくすることをさりげなく
さりげないことをはっきりと
書くこと

井上ひさし

■ すばる 2008年1月号（集英社）より

井上ひさしさん、安らかに