村上春樹の第一作となる長編小説
群像新人文学賞を受賞し、1979年6月、文芸誌『群像』に発表。
同年、芥川賞上半期の候補作品にノミネートされている。
「僕と鼠もの」シリーズの第一作。
同名タイトルで映画化もされている。
神宮球場でヤクルトスワローズ戦を観戦中に思い立ち、
真夜中1時間ずつ4か月間かけて書いたという、
まったくの処女作である。
執筆当初の仮題は
「ハッピー・バースデイ、そして、ホワイト・クリスマス」
これは表紙の上部に小さく英語で書かれている。
当時の村上春樹と同じく1978年に29歳になった「僕」が、
1970年21歳の時の8月8日から8月26日までの19日間の物語を記す
という形をとり、40の断章と、虚構を含むあとがきから成る。
2005年現在、単行本・文庫本を合わせて180万部以上が発行されている。
<主な長編小説>
「 1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」
「 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」
「ノルウェイの森」「 ダンス・ダンス・ダンス」「国境の南、太陽の西」
「ねじまき鳥クロニクル」「スプートニクの恋人」
「海辺のカフカ 」「アフターダーク」「1Q84」 <Wikipediaより
夏の暑い風が運んでくる
海の香りと焼けたアスファルトの匂い
女の子の肌のぬくもり、
古いロックン・ロール、
洗い晒したデニムと
白いボタン・ダウン・シャツ
プールの更衣室で喫った煙草の匂い・・・
終わるはずの無い夏が
ある年の夏から二度と
戻って来なくなってしまった・・・
毎年この季節になると
読みたくなる1冊に
村上春樹のデビュー作品、
「風の歌を聴け」がある。
この作品以後、村上春樹は偉大な小説家へと
発展していくのだけれど、
私の中で、村上春樹の小説の中で1冊を選ぶとしたら、
この「風の歌を聴け」になってしまう
もちろん、テーマ、構成、文章の技術、
小説としての完成度を考えたら、もっと他にあるのかもしれない。
ブレイクする前のバンドのアルバムの中から
ピュアな感性の曲を見つけた時と同じように、
この小説の中の僕(村上春樹)はピュアな感性に満ちていて
私の中にまだ少しだけ残っている少年の匂いが
ある限り読み続けたい一冊である・・・
ひっそりとしたJ's Bar?・・・