早いもので、妹の四十九日の法要の日がやってきた。

 

今日は、集まった人たちの気持ちも葬儀の時よりはかなり落ち着き、親族の和やかな集まりという雰囲気のうちに進んだ。

 

お墓を購入したけれど、まだ出来上がっていないので、お骨は家に置いておくとのこと。義弟は初めから1年は傍に置いておくつもりだったそうだ。

 

今日も、義弟と妹の仲睦まじさをしみじみと感じた。自営業だったので、朝から晩まで一緒に過ごし、楽しい話をしては笑い、嫌な出来事は一緒に怒り、たまには言い合いもしたりしていたので、これまでのように、すぐ横に何でも話せる人がいない、という寂しさは想像に難くない。

 

けれども、妹の2年間の闘病生活の間に、義弟は食事も妹に作ってあげるようになり、家事能力も身についたようだし、趣味の楽器演奏もあるし、ジムにも通っているし、区から借りた菜園の世話もあるので、忙しく過ごしてはいるようだ。

 

また、丁度夏休みだったので、娘や息子が孫と出入りして、賑やかではあったらしい。多分、いろいろな手続きも終わり、お墓も決まり、これからがしみじみと辛くなることと思うが、娘たちが専業主婦なので、父親の家にはこれまで同様、頻繁に行き来することと思う。

 

妹が亡くなった時、妹の末娘は臨月だった。今日は半月前に生まれた第3子の女の子を抱いてきていたが、小さくて可愛いこと!そしてお利口に静かに寝ていた。妹は会えなくて残念だっただろうが、名前は妹の名前から一文字を取って付けたそうだ。

 

その赤ちゃんの2人のお兄ちゃんたちは4歳と6歳で、活発な子供たちだが、父親が優しく、そして子供の扱いにも慣れていて、笑顔を絶やさず相手をしていた。また、妹が亡くなったため、産後は姑が手伝いにきてくれているそうだ。今日は姑は舅と一緒に列席していたが、優しそうで、感じの良いご夫婦で、姪は幸せだなと思った。

 

長女の方の姪は、すでに中学生の2人の息子と小学3年生の娘がいて、これまたお婿さんが静かで優しい人で、姪は母親に似て、主導権を持った頼りになる主婦である。また、妹の独身の長男は、いつも甲斐甲斐しくその場を仕切ってくれる気持ちのいい若者。義弟は妹が残してくれた子供たちから大切にしてもらえることと思う。

 

ところでこの日は、妹の葬儀の時はたまたま海外に旅行中で列席できなかった私の兄夫婦と長男も来ていた。久しぶりに会った甥は、すっかり頼もしい大人に成長していて、従妹たちの評価は「優しさが滲み出ているイケメン」。兄の次男一家はスコットランドに転勤中で列席できなかったが、たまたま、私の三女がスコットランド旅行中に、昨年生まれたばかりのその従兄の子供にも会い、写真をメールで送ってきてくれた。

 

兄夫婦の長男夫婦には子どもがいないので、ようやく孫のできた兄は、写真を見て嬉しそうだった。私の長女に似ているのでは、という意見もでて、親戚の集まりならでは楽しい会話となった。

 

そして、ルイ君もいいところを見せることができた。今日は終始落ち着いて、電車でもバスでも、静かに楽しんでいたルイ君。法要の後、食事の迎えのバスを待つ間、たまたま兄夫婦の前にルイ君が座っていたので、長女に「ルイ君が文字盤で答えるところを見てもらったら?」と提案した。

 

「今、何かいいたいことある?」と私が訊くと、ちょっと返事に困ったようで、まごまごしていた。すると、娘が「この人は誰か知ってる?わからなければわからないって答えたらいいのよ?」と言った。

 

ルイ君はこれまで兄には数回しか会っていない。妹の葬儀の時には兄夫婦はスコットランドの息子に会いにいっており、参列できなかったので、幼稚園の時に会ったのが最後かな?

 

親戚は多いし、絶対に知らないと思っていたのに、兄の名前をちゃんと指したので、びっくり!更に横に座っている義姉を指して「この人に名前は?」と訊くと、またちゃんと名前を指した!さすがに殆ど会っていない兄の長男の名前は知らなかった。

 

親戚だと名前で呼び合うので、いつの間にか覚えたのか、誰か紹介してくれたのかもしれないが、それを覚えていて、皆の前で文字盤で答えられたことがすごい!本当にこの子は頭の中ではいろいろわかっているのだ。そして、それを他人に認めてもらえるのが嬉しいのだ。だから、今日は終始ご機嫌だった。

 

こうやって、どこでも自分の考えを言えるようになれば、どんなにルイ君のストレスが減ることか。ルイ君が自分の意志を、徐々に自分から発信できるようになることがこれからの目標である。

 

今日は本当に気持ちの良い集まりだった。年を取るにつれ、若い時よりも親族に愛着を覚えるようになってくる。日ごろは疎遠になりがちな親族が集まり、それぞれの幸せや変化を確認できるのは嬉しいものだ。こういう機会を作ってくれた妹に改めて感謝の気持ちが湧いてきた。

 

会食の後に皆で写真を撮るとき、義弟の隣に私が座るように言われた。妹の姉なので、そうなるのかもしれないが、私は瞬間「あ、そこは妹の席じゃない?」と思い、妹がいないことを突然思い出した。そうだ、妹は亡くなったんだ。

 

でも、きっとこの会食の席に一緒にいたよね。うん、ずっといた気がする。Kちゃんが食事をしていた姿まで、目に浮かぶし、親戚大好きで、いつも身びいきで、子供たちのことを褒めまくってくれていた会話まで耳にした気がしたよ。

 

「千の風」の歌詞のように、皆を見守ってくれているのね。そう、感じた。

 

 

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