福岡県宗像市の
東海大付属福岡高
は20日、剣道部に所属していた2年の男子生徒(当時17)が2021年3月に自殺したと発表した。剣道部で性的被害を含む10件のいじめを受けていたと認定。男性顧問もいじめを把握しながら、生徒が亡くなるまで学校に報告していなかった。
同校が設置した第三者委員会は20日、記者会見し「精神的、肉体的苦痛を与えたことは疑いようがない」と指摘する一方、「数々の事実が相まって引き起こされた」とも説明。自殺の直接の要因は特定できなかったと結論付けた。
第三者委の調査報告書によると、いじめが起きたのは生徒が入学した直後の19年4〜6月ごろ。部室内で複数の上級生から粘着テープで畳に貼り付けられた際、下着を脱がされるなど性的被害に遭っていた。
その様子を撮影した動画は、複数の生徒にSNSで送信されており、委員長を務めた宇加治恭子弁護士は「(認定したいじめの中で)最もひどい」と指摘した。
生徒は19年6月に退寮し、母親は顧問にいじめがあったと伝えた。報告書は、生徒が暮らしていた寮は顧問の親族が経営しており、部の運営と共に学校側の管理が全く及ばない閉鎖的な空間だったとも批判。顧問が生徒の定期テストの成績を誤認し、多くの課題を出されたことも心理的負担を高めたと説明した。
県警宗像署によると、加害者側の上級生1人は21年11月、強制わいせつ容疑で書類送検された。学校は少年審判の結果、2年間の保護観察処分となったと説明した。
津山憲司
校長