マボロシの映画館~あの頃こんな映画を目撃していた。




マボロシの映画館~あの頃こんな映画を目撃していた。


宗教は信じないが、クリント・イーストウッドは信じる!




中二で「夕陽のガンマン」「ダーティハリー」をテレビで立て続けに観てから現在まで「イーストウッド原理主義」の姿勢は一貫している・・・ついでに言えば、反逆精神を勘違いしたイイ歳こいた年中無休の反抗期っぷりや、眩しそうに目を細める仕草の「ヤバイ人」的レッテルまで、現在の人格形成に暗い影を落としていたりもするのだが・・・




イーストウッドなんてメジャー所じゃん!と、ブレブレの当ブログの根幹にクレームを発する方もいらっしゃるでしょうが、ファンなら「イーさんは根底の部分に変態やマイナー嗜好を飼い慣らしている」事は二百も承知のはず。




監督のみ担当した歳の差ラブロマンス「ブリージー 愛のそよ風」や名コンビであるドン・シーゲル監督と組んだサイコスリラーのカルト傑作「白い肌の異常な夜」などがその極地といえよう。




「白い肌の異常な夜」がイーさん映画のソフト化の最後の砦!と煽られ、超豪華版DVDとして発売されたが、まだ日本ではビデオすら発売されず、DVD化もない作品が一つ残っているのだ(もちろん、イーさんが世に知られるようになってからの作品という意味で)




それが「華やかな魔女たち」(1967)である。




TV「ローハイド」でくすぶり始めていたイーさんがバイト感覚でイタリアに渡り出演したマカロニウエスタン「荒野の用心棒」が現地で大当たり!本国よりも先にユーロ圏でスターとなっていたイーさんがマカロニの合間に?出演したのが、伊の大女優シルバーナ・マンガーノ主演で、ビットリオ・デ・シーカ、ピエロ・パウロ・パゾリーニ、ルキノ・ヴィスコンティなどのイタリアの巨匠監督陣が撮ったオムニバス映画の珍品。




中坊の頃、テレビ大阪だかなんだかの「昼の映画劇場」的なプログラムでイーさん観たさに飛びついた私。




5エピソードくらい?あって全てマンガーノが主演。要するに名だたる巨匠監督を使ったマンガーノの贅沢すぎるプロモーションビデオ(笑)みたいな艶笑劇。




観たのが童貞期真っ只中の中坊であった為、ピエロ・ピッチオーニの如何わし気なラウンジ系メインテーマに乗り展開されるアニメーションを駆使したオープニングタイトルは印象的なものの、チープな昼メロ風展開や、イタリアの喜劇俳優トトのキモ可愛い??ルックスとマンガーノの組み合わせの心地悪さを感じるばかり




そして最終エピソード、ビットリオ・デ・シーカ監督の「またもやいつも通りの夜」に、ようやく我らがイーストウッド登場!!!・・・・なんとピッチリ横分けにスーツかダサいパジャマという「普通のリーマン」スタイル・・・




マンガーノは淑女的な雰囲気の妻で、イーさんも仕事熱心なリーマン。でもマンガーノは仕事疲れで「夜の仕事をサボって」寝てしまうイーさんの為、欲求不満の貯蔵庫となっている設定。そして日中夜問わすエロい妄想に耽り倒す・・・これこそエロビデオやロマンポルノのフォーマットやないかい(勿論そんな過激シーンはないが)




ここでのイーさん、マカロニやハリーの精悍さは微塵もなく、妙にツルンとした頼りなげなイケメン顔面でセックスレスなダメ旦那をテキトーに演じております(頼まれたから出た、的な心境なのか?)




後半でマンガーノのエロ妄想は辛抱タマランところまでフライング!スタジアムで大勢の男たちの面前で挑発的なストリップを展開しヤンヤヤンヤの大喝采とmixを浴びますが、それを観て絶望したイーさんは拳銃自殺!というエゲツない妄想族っぷりを見せます。




しかし




その日、ベッドに入ってきたイーさんはいつになく意欲的な「ヤリ体(本当に下品ですみません)」の姿勢を見せ、マンガーノ感激!!・・・が、ジュンとしたのも束の間。やっぱイーさんは疲れてイビキかきましたとさ、というオチで終わる。




今の歳ならまだしも、ハリーやガンマンのイーさんに傾倒している坊主はイスカンダルの彼方に放置されるような「んな筈じゃなかった」感を全身で体感したのでした。




イーさんファンでもこの作品を観た、という人が身近にあまりいないこの映画。日本では1度もソフト化されず語られる事も無い都市伝説の様な作品になってしまってます。




出来ればこの年齢でもう一度観たいという願望で妄想が爆発しそうですな。




まあイーさんの名誉の為に補足しておきますが、実際のイーさんは港々に女の人と子供がいて、70過ぎて孫みたいな娘を製造してしまうマカ要らずの絶&倫な生けるマグナムなお方です。






「華やかな魔女たち」Le streghe  1967年イタリア・フランス映画


監督(オムニバス)


ルキノ・ヴィスコンティ

マウロ・ボロニーニ

ヴィットリオ・デ・シーカ

ピエル・パオロ・パゾリーニ

フランコ・ロッシ




出演


シルバーナ・マンガーノ


アニー・ジラルド


クリント・イーストウッド


トト




※国内VHS、DVD未発売


マボロシの映画館~あの頃こんな映画を目撃していた。


2008年9月26日


名優ポール・ニューマン逝去・・・そのニュースを聞いて真っ先に脳裏に浮かんだのが「明日に向かって撃て」「スティング」「「暴力脱獄」「動く標的」といった名作群ではなく


本作「アパッチ砦ブロンクス」であった自分の思考回路に唖然・・・


というのも、傑作でも話題作でもない本作にシンパシーを感じる理由は極めて中二的かつ私的な思い出のせいである。


1980年前後。中学に入った頃から思春期の朝○ちに比例してテレビの洋画劇場で映画に対する興味がハンパなく膨らみ、イーストウッド、マックイーン、パチーノなど海外の俳優を追っていた。その中にP・ニューマンの姿もあったのだ。


既に親と行くアニメ映画や怪獣映画は卒業しており、友人と行く「フラッシュゴードン」や「アリゲーター」などのSF、ホラー、アクションを楽しむようになっていた。


しかしある日、中二の背伸びというか、バカの見栄張りというか「大人の映画」が観たくなったのだ。それは18禁のウフンアハンなおねいさん達が活躍するものではなく(勿論これも観たかったが)大人向けの渋い映画をしかも1人で観たくなったのだ。


そこで浪花のシャイな童貞坊主だった私の目に留まったのがTV番組「スーパージョッキー」で紹介されていた「アパッチ砦ブロンクス」である。大好きな「ダーティハリー」とはまた異なるハードな刑事ものでニューマンが主演というのも魅力に感じた。


で、新聞(ネットなんてない時代だ!)の映画欄と広告を頼りに鑑賞計画を立てていると、翌日の公開初日に先着順でインスタントコーヒー「ブレンディ」のセットがプレゼントされるとのお知らせ。


当時「ブレンディ」のCMにニューマンが出ていた関連であり、大人映画、初めての1人映画館という初体験のテンションに「コーヒーセットただでもらえるでええええ~!!!!」という浪花のガキらしい「タダほどステキなものはない」精神が援護射撃!


そして今は無き大阪難波は千日前の「千日前国際劇場」へ出陣!既に行列が出来ていたが難なく「ブレンディセット」をGet!現物はコーヒーとクリームの80グラムくらいのビンが2本・・・まあこんなモンか、とタダの現実に直面した大人への階段一歩目でもあった。


映画は場末のストリップ小屋のBGMの様な怪しげなメインタイトルで幕を開ける。ベテランの正義派警官であるニューマンと若い相棒が警官殺人を追うが、市民と警察との対立や暴力警官の告発、実は麻薬常習者だった恋人の死などといったシビアでキッツい日常で葛藤しまくるハードなドラマ。


恋人の亡骸を抱いて「何か話せよ!」と慟哭したり、辞職を決意するもラストでひったくりを追いかけ始めるニューマンの姿に「大人ってツライんだな」と、ガキながらにグッときたりしたが総括すると「うん、まあまあ」という出来の映画であった。


大人になり見直したが、タランティーノのアイドル、パム・グリアがジャンキー殺人鬼の娼婦というトンデもな役で出てたり、当時の犯罪多発地帯No1だったNYはブロンクスの荒んだ光景など見所はあるが、色んなテーマを盛り込んでいる割りに焦点がぼやけてとっ散らかった残念作という印象。ガキの頃から作品を見る目はあったと自画自賛したものであった。


国際劇場が無くなり、ニューマンが天逝した今


思い出探しではないが、本作を見直したい気分になるもVHSは当然廃盤、DVD発売されておらず・・・


そんな好きな作品でも名作でもないが、やはり映画というのは作品の出来以外の自身の思い出や背景といった要素も加味されるものなんだなあと実感。


因みにブレンディは家族にも飲まれて3日くらいで無くなった覚えが・・・



「アパッチ砦・ブロンクス」FORT APACHE, THE BRONX  1981年アメリカ映画


監督 ダニエル・ペトリ
出演 ポール・ニューマン
   ケン・ウォール
   ダニー・アイエロ
   パム・グリア


※VHS廃盤、DVD未発売


マボロシの映画館~あの頃こんな映画を目撃していた。

オヤジどもの元気が無い


いつしか自分もオヤジ世代に突入しちゃったりなんかしちゃったりしてるんだが(広川太一郎で)ハゲても老け顔でもスタイルよくなくても、カッコいい!!と思わせる男がいる。


それがロバート・デュバルという俳優である。


「ブリット」のチョイ役で注目され「ゴッドファーザー」の相談役でブレイクした頃から、若い頃から頭部はズル剥けだった。


しかしアクションから人間ドラマまで、そのワイドな演技幅で長年ハリウッドをサバイバル!今年2月に公開されたトムクルの「アウトロー」では銃のエキスパートな不良爺さんを快演し「デュバルがんばる!」な健在を見せ付けたのが記憶に新しい。


そんな、男は毛髪量でもスタイルでも顔面偏差値でもねえ!と数十年に渡り布教してきたデュバルが奇跡的にカッコいい映画が、最近TUTAYAで悲願のDVD化を果たした(画質はVHS並だが)ジョン・フリン監督の「組織」と、今回紹介する「バッジ373」である。


「バッジ373」はビデオは廃盤で日本ではDVDリリースもしてない。私も大昔の日曜洋画劇場で1度観たっきりの不遇の刑事アクション。


とはいえ、本作のデュバルは物語り開始早々、ムチャ捜査と犯罪組織への追求を阻まれた怒りで警察を自主退職。かなり気の荒い一般市民として組織を追い続ける。いわば職業=執念のプー太郎となるのだ。


勝手に捜査しまくり、ダチを殺されブチ切れたデュバル。盗んだバスで走り出す~♪のムチャぶりでカーチェイスを展開。しかし組織にボコられ、右手(左手?)を潰されてしまう・・・


恋人と山小屋かどっか?に避難したデュバルは、慣れない左手(右手?)で射撃訓練を行う。「荒野の用心棒」のクリント・イーストウッドや「バスタード」のジュリアーノ・ジェンマなど、利き手を潰されたヒーローがリハビリ的射撃訓練を行うシーンは絶対的に燃えるのだ!


しかも先の2人の様にイケメンでもスマートでもないデュバルが行うと切実さと哀愁が漂い、老舗ウナギ屋の秘伝のタレの如し深い味を醸し出す。


だが遂には目の前で恋人を殺され、デュバルは寂しい頭頂部から煙を出して怒りMAX!組織の殺し屋らを追いつめ執念の銃弾をブチかますのであった。


名作「フレンチコネクション」のモデルである元刑事エディー・イーガンがアドバイザーと出演を努め、デュバルが足首のアンクルホルスターにスナブノーズリボルバーを携帯するのも「フレコネ」と同じである。


地味であまり話題にもならなかった作品だが、テレビで観た中学生にも「オヤジのディープ過ぎる執念は岩をも溶かし、その下に居たフナ虫も皆殺しにする」というタフな教典を叩き込んだ佳作なのだ。


不況・終身雇用崩壊・中高年危機など、今の時代だからこそ本作をリバイバル上映するかDVDリリースしてオヤジ層の反骨精神とタフさを回復しなければいけません。


リストラされようが嫁に逃げられようが、バスでカ-チェイス出来るバイタリティがあれば未来は開けるのだ。



VHS廃盤

DVD国内未リリース



「バッジ373」Badge 373  1973年アメリカ映画

監督ハワード・W・コッチ

脚本ピート・ハミル

出演 ロバート・デュバル

    ベルナ・ブルーム