僕は今まで二人の同僚に「カミングアウト」したことがある。
「僕、アルコール依存症なんよ。」と。
一人は身内にいるらしく、その時その人とは、結構真剣に会話をした。もう一人は「そうなんですか。」で終わり。
そんなもんと言えばそんなもん。
逆に、例えば誰かに「僕、○○なんですよ」と言われたら僕はどうするだろう…。その時の雰囲気諸々あるので、実際に言われてみないと分からないけど。
例えば「癌だ」と言われたら、多分「どこの?」とか「ステージは?」とか、そんなことを尋ねると思う。癌に限らず、内科的・外科的な病気の場合には、きっと何かは尋ねるんだろうなと思う。
それが「精神的な病気」だったらどうだろう…。○○依存症以外は、まず病名とその特徴的な症状を知らない。
依存症の色んな患者さんと一緒に閉鎖病棟に入院歴のある僕も、何となく「その類いは尋ねてはいけない病」って先入観を消しきれてない。
世の中には、言って良いこと・悪いこと、尋ねて良いこと・悪いこと…誰が決めたのか分からんけど、そんな…俗に言う「常識」とか「普通」って言われてる面倒臭い基準みたいなものがあるんだよな。
例えば、出生に関すること然り、経済状況然り、宗教のこと然り、性愛のこと然り…。
「蓋」「タブー」「寝た子」などと言う言葉が今もあるってことは、知りたくても、そして本音で語りたくても、言えない・言ってはいけない風潮が在る訳で、結局はオープンに出来ず、思いや悩みを共有することが出来ないことになってる。
自分がアルコール依存症だから分かったこともあり、そんなことについても…考えるようになった。