桜の季節です。

北九州市はここ数日間雨が降りました。

花びらを早々に散らしてはしまわないかと心配しましたが、蕾が開く前に止んでくれて寧ろ潤いの雨だったようです。

メディアドームの傍では今年も艶やかに桜が花を咲かせるのでしょう。

心地よい春風が頬を撫でる中、ふと見上げるとひと枝すでに花を咲かせていました。

早いってば

馬鹿だ、バカ花だ。

フライング開花したばかりにひと足早く散りゆくさだめ。

哀れあわれ。

さて、30日の午前8時。私は八幡駅にいた。

今朝は６時に起きました

上下着衣はネルシャツに綿パン。靴はスニーカー、肩にトートバッグの出立ちで一路南へ。

もちろんこれさ

目指すは皿倉山の山頂です。

ひとけのない駅前大通を歩けば５分としないうちに道には傾斜が生まれる。

山麓いや、このあと頂上までつづくであろう坂道を上がります。

あまりに人に慣れた猫

ただ歩くだけでは退屈なので武雄GⅢの３日目の予想をしつつ。

１Rを7-139-1239、２Rは5‐29‐12379、３Rには1-48-24578。

…。さいごに12Rを7-123-12369。

始めのうちは予想を立てながら、なので時折独り言しながらだった。

が、いつしか黙々と坂を歩いていた。気がつけばケーブルカーの停車場が見えました。

帆柱登山口に着く。ここで東西にルートが分岐します。

標高は622ｍ

西側は整備された登山道で東側は山道を行く。

始めて来た新参としては西ルートにすべきだが、東ルートには小さな稲荷神社がある。

スクショまま

どちらにすべきか問うまでもない、鳥居に引き寄せられて東のルートを選ぶ。

神社はスタート地点から２００ｍほど歩いた場所にある。地図上では目と鼻の先だ。

登山口の標識を過ぎてしばらくすると民家を見なくなった。

普段の暮らしでは馴染のない連続した坂道に息を切らしていると高さ５ｍほどの鳥居が見えた。

傍らに腰かけてトートバッグから水筒を取り出す。

ひと息ついてのち、屹立した石段をあがる。

見上げる鳥居

本堂にて柏手を打ち、さらに上へ上へと登る。

登山者向け地図アプリのヤマップで現在位置を確かめるが山頂へはまだまだ遠い。

ヤマップは低山登山であろうと必須

春の訪れがもたらした高揚感からか金曜日の夜になって唐突に山へ登ろうと思い立った。

途中なんどか息を切らし、座り込んで息を整える。

ベンチに座ってくつろいでます

天気予報では土曜は終日晴れ。

ただし、一昨日の大雨に山道はぬかるんでいる。

足元を確かめながら一歩一歩。

一度ぬかるみに足をとられて転んだ(ケガはなし)

傾斜の大きい場所では剥き出しの木の根と突き出た岩を交互に渡る。

用心しつつスマホを片手にひょいひょいヒョイと登っていく。

あれ？結構楽しんでないか？

登山ルートが中腹に差し掛かると整備された登山道に変わる。

山頂へ９００ｍの標識を過ぎ約３０分歩くとふたつめの目標の国見岩についた。

写真では伝わりにくい眺望

いい眺め。

今日はどうやら黄砂が届いていたそうで靄(もや)がかかって見えた。

それでも遠くに見える駅や高速道を一望する光景は悪くない。実にバルス。

さぁ、ここまで来ればほどなく山頂だ。

標識には直登ルートと迂回路が示されている。

もちろん選ぶのは漢の直登ルート。

傾斜角３０°はありそうだが丸太を渡した階段が作られているので難度は低い。

上がること２５０ｍ、山頂に到着した。時刻は午前９時５０分。

グーグルマップはレストランとラーメンを区別する

ケーブルカーの係員さんがいぶかしそうな目で見てくる。

「登ってここまで来られたんですか？」

実をいうとここまで他の登山者何人かとすれ違った。

皆さん、帽子を被ってリックサックを担いで足元はといえばいかにも歩きやすそうな登山靴を履いていた。

決してスニーカーを履いて肩からトートバッグを下げてはいなかった。

近場に買い物へ出かけたかのような私の姿は完全に浮いていた。

さながらフライング開花したあのバカ桜の如し。

(実をいうと金曜夜の時点で)ぬかるんだ山道を軽装で下山するつもりはなく、係員さんと今朝ここまでのいきさつを談笑しながらケーブルカーの到着を待った。

下りと昇りがすれ違う

下ること１０分弱。気がつけば麓についていた。

ケーブルカー山麓駅を出てふと左手を見ると桜の木が一本、満開の花を咲かせていた。

あっ、咲いてんじゃないの！

思えば三萩野公園のひと枝も、ひと足早い陽気に触発されたのだろう。

新しい春の訪れを皆より先に告げたかったのかもしれない。

しばらくしないうちに里の桜も満開を迎えるでしょう。

今年はここまで色々あって、きっとこのあともあれこれ出来事が起こるでしょうけど、どうやら一年で一番幸せな季節はすぐそこまで来ています。

桜咲く