おとといから、パレスチナでは大雪が降り何もすることができない。 今回、僕が所属している団体は、毎週土曜、この村に隣接するユダヤ人入植地(Karmei Tzur)の建設に抗議するデモを行っているが、この大雪で中止となった。おそらく、一般の人が「パレスチナ・中東」という言葉を耳にして想像するのは、まず「危険な場所!?」もしくは、「砂漠!猛暑!ラクダ!」といったイメージではないだろうか? 実は、パレスチナに二度訪れたことのある僕も、いまだそのイメージが崩れない。なぜなら、以前冬に来た時は猛暑だったから!(でも、それは異常気象だったらしい) だから、今回も暑いだろうと思って、全く防寒類をもってこなかった僕は、いま、凍え死にそうである…。
昼にお腹がすき、仲間と買い物にでかけることにした。 …が、外ではまさかの大戦争!! 雪に大興奮状態の子供や大人までもが、雪合戦を行っていた。 外にでる前、アラビア語を教えてくれる先生に、「外にでたら、皆に雪玉をあてられるぞ!」と注意され、そんなの余裕と思っていたが、とんでもない! 道端からだけでなく、屋上からも雪玉が降ってくるではないか。 それも、皆、容赦なく固くした雪玉を投げてくる(怒)。 結局、この雪玉ミサイルから逃れるのに必死で、ビショ濡れになったあげく、目的のお店を見つけることができなかった。
夕方、二人の若いパレスチナ人が、近くに開かれるワークショップ(刑務所での体験談やその後の生活について講演する予定)の話し合いのため、この団体のリーダー(ムーサ)のもとに会いに来た。二人とも、年齢は20歳で、とても優しそうな表情をしている。だが、二人とも15歳の時にイスラエル兵に逮捕され、刑務所生活を送っていたらしい。本当に、彼らの明るく穏やかな雰囲気からは感じ取ることができないのだが、二人とも、逮捕や刑務所生活による心理的影響を被っている。
ムーサによると、その内の一人は、(おそらく、夜中にイスラエル兵が家に来て、逮捕され)、少しでも音がするとイスラエル兵だと思って起きてしまい、眠ることができないそうだ。
以前、このブログで近くに住むパレスチナ人が、イスラエル軍による夜間襲撃によって逮捕された話を書いたが、この少しばかりの会話の中で、「(罪状のない)逮捕」が彼らの心にどのように影響するのか、少しだけ感じるとることができた気がする。
勿論、イスラエル兵がもつ、彼ら自身の心理状況についても考えるべきであると思う。(イスラエルでは、18歳から兵役に着かねばならない。男3年、女2年)無邪気な青少年が、当然の義務として国のため兵役に着き、彼らに残酷な経験をさせる、その国のシステムにこそ抗議すべきではないだろうか。喜んでパレスチナ人を殺したいと思う者は非難するが、ほとんどの兵士がそうだとは思えない。後々、イスラエル兵についても書きたいと思う。
その夜、後輩と共に、「日本人」が今後この団体をいかに支援できるかを考えあった。ムーサは、最終的に、我々がこの団体の日本支部を設立し、PSPの活動を支援する寄付金の確保を望んでいる。勿論、それは必ずやり遂げたいし、できるなら、今にでも、そのwebサイトを立ち上げたい。だが、自分たちはあるジレンマに陥った。
これは、ここまで読んでくださった読者の皆さんにも考えて頂きたく書いているのだが、果たして、自分たちがそのwebを立ち上げたとしても、この団体に寄付金を送ることはあるのだろうか。勿論、パレスチナ問題に、もの凄く興味のある人は、常に寄付金を送ることはあるかもしれない。だが、興味のない人は? これは、パレスチナだけでなく、3・11、その他世界中で起きている出来事にも共通すると思うが、人々が寄付をし始めるのは、そこで沢山の人が殺され、大災害が起こった「後」からではないだろうか? 大災害については、事件前に寄付しても意味がないといった異論があるだろうが、世界中では今も飢餓で苦しむ人がいる。だが、人々は飢餓によって沢山の人が亡くなった後に寄付を始める。
2008年のイスラエル軍によるガザ空爆の際も同様ではないだろうか。国際社会は、その事件の後に、ガザ地区の封鎖をイスラエルに要求し始めた。だが、封鎖はその事件の何十年も前から行われており、いつでも封鎖の解除を求める声はあがってよかったのではないだろうか。ずっとずっと封鎖によるパレスチナ人への影響は報告されていたのにも関わらず。
これは、今、自分たちが考えることにも影響すると思われる。おそらく、(予測でしかないのだが)、この団体に対する寄付が始まるのも、このベイト・オマー村の人が大量虐殺されてからであろう。 本当に答えが見つからず、夜遅くまで話し合ったが、ここまででとりあえず理解したのは、「人々に興味をもってもらえるか否かは、自分たちの伝え方にかかっている」ということ。 当たり前のことではあるが、実はそれが一番難しい事だと感じた。
ある方から、より多くの人に興味をもってもらえるよう、わかり易く執筆すべきとのお言葉を頂きました。今後とも注意して、パレスチナ・イスラエル問題、そしてその現状について詳細且つわかり易い説明を付け加えながら、お伝えしていきます。
そして、このブログの執筆活動で力をつけ、皆さんい興味をもって頂けるようなサイトを築こうと思います。
最後まで、ブログを読んで頂きありがとうございました。
久しぶりに雪だるまを作りました!

