『固定資産税の悪夢』
先日こんな記事を見ました。
中小ビルの所有者の固定資産税の負担が厳しさを増している、との内容でした。
景気の良し悪しにより、公示地価や路線価は変動します。
固定資産税を評価するもとの固定資産税評価額は
公示地価の7割の水準に、というのが一般的です。
しかし、例え景気の低迷で公示地価が下がっても
比例して評価額が下がらないのが、固定資産税。
かつて固定資産税評価額は公示地価の2~3割の水準でした。
しかし、1994年の通達で7割水準に変更です。
当然大幅に増税になり、悲鳴を上げる方急増です。
そこで取られた措置として
毎年少しずつ課税標準を引き上げていく、というものです。
なので土地が下がってもすんなり減額されないとか。
税額に不満な方は固定資産評価審査委員会に申出可能です。
なんと2006年から申し出件数が増えてるそうです。
しかし評価替え(3年に1度)の年のみだそうですが。
この申し出が増える予感です。
11月3日のブログで取り上げたコンパクトシティ。
行政の方で立地適正化計画を作り、住み分けの選定です。
『都市機能誘導地区』と『居住誘導地区』と選定し、
そこに人口や都市機能の集中です。
この2つの地区に選定されなければ・・・
当然不動産価格は下がるでしょう。
その時に固定資産税の評価が下がるのか?
ひと悶着ありそうな予感です。
昔見たある判例で、業者から瑕疵物件を購入した人が
価値の無いものに固定資産税を払うのはおかしい、
と裁判を起こしました。
結果は固定資産税の減額でした。
当然の結果の様に見えますが、
何もしなければそのまま納税です。
届いた通知を疑わず
支払う方も多いでしょう。
たまには数字の羅列を凝視してみては。
緒方 渉