橘玲さん。作家さんです。

数年前に『マネーロンダリング』という小説を読みました。

今年の春に世界中を賑わせたパナマ文書。

同時期に出版させた『タックスヘイブン』。

これも中々面白い。

 

納税は国民の義務。サラリーマンの多くは所得税住民税は天引きでしょう。

以前住民税を普通徴収にした時期がありました。

4回に分けて自ら住民税の支払です。自ら払うと高く感じます。

税金を安くしたい人の気持ちが良くわかりましたが。

 

税収確保の為に政府は相続税の増税。現在の税法では

被相続人、相続人共に相続時から遡って5年超海外に住めば

海外の財産は非課税。しかしその5年ルールに魔の手です。

国税庁は5年間を10年間に延長する方向で検討していると。

税金対策の為だけに10年間海外に住むのは実際苦痛でしょう。

 

シンガポールや香港等はタックスヘイブンとしては有名です。

利子、配当、譲渡税、法人税が非課税だったり税率が非常に低かったり。

 

不動産運用でもタックスヘイブンを使って節税に勤しむ人がいます。

しかし、政府は『タックスヘイブン対策税制』なるものを制定。

どんどん富裕層は狙われます。ではどう規制されるか?

 

個人Aさんが日本で不動産所有法人を設立。毎年法人には家賃が貯まります。

当然法人税の課税です。

 

しかし、タックスヘイブンに法人を設立すると、

法人税はゼロ。毎年家賃がジャンジャン貯まります。

 

そこに待ったをかけた政府。

『タックスヘイブン対策税制』で富裕層を規制です。

タックスヘイブンに貯まった家賃を個人が得たものとし

日本で課税出来るようにしました。

しかも総合課税です。

最高税率55%。

これは高い。

 

税収確保に必死な政府と

日本に見切りを付けた富裕層。

いたちごっこは続きそうです。

 

 

緒方 渉