フリードのブログ「パフュームの楽書き」-hana10

■普段食事をしていても時代劇の所作が!?

Q:本作に出られるにあたって、ご自身としてはどのような

作品にしたいと思いましたか?

北川景子「今回のオファーをいただく前から純粋に時代劇を

やりたいと思っていましたし、初めての時代劇作品が

藤沢周平さんの作品ということもすごくうれしかったです。

最初に考えたことは、藤沢作品ファンの方たちに納得して

もらえるような作品にしたいということでした。あと、時代劇が

苦手と感じているような若い人たちにも観てもらえる作品に

なったらいいと思っていました。」

Q:初挑戦ということで、現代劇で培ったノウハウが通じない!

 と思った瞬間はありましたか?

北川景子「そうですね。動きに制約があったことが、まず

一番大きかったですね。着物を着ているので、ただお茶を

飲みながら話すことだけでも難しかったりしました。

現代劇の場合は、普段と同じようにしていればいいことも

ありますが、時代劇の場合は、湯飲み茶碗の持ち方や

ふすまの開け閉めまで決まっていたので、そのことを頭の

中で整理しながら考えて演技をする必要がありました。」

Q:いわゆる所作と呼ばれるものですね。半年間ぐらい練習

されたそうで、日常にも出そうですね。

北川景子「そうですね。時代劇の所作や殺陣などを半年間

ぐらいけいこしました。はしの持ち方などは、普段食事を

していているときにもできるようになっていました。

日常生活に影響していましたね(笑)。」

フリードのブログ「パフュームの楽書き」-hana11

■自由恋愛禁止の江戸時代について

Q:本作は、映画人なら誰もがあこがれる藤沢周平原作作品

ですが、改めてその魅力はどこにあると思いますか?

北川景子「藤沢さんの作品をすべて読んだわけではないです

が、いわゆる歴史ものというよりは、日本の美しさである風景

や季節、言葉に出さなくても相手のことを思っている

ような昔の日本人の心など、そういう内側の美しさを丁寧に

描いている作品だと、以登という女性を演じて思いました。」

Q:特に今回は主人公の以登が敵討ちを果たそうとします。

彼女の行動をどう受け止めましたか?

北川景子「一度、孫四郎と剣の試合をして、そこで好きになる。

一目ぼれで、会ってすぐ恋に落ちるという気持ちに共感し

ました。というのは、あの時代のいいなずけは両親が決める

だろうし、自由な恋愛ができない時代。その中で、

さらに身分などがあって、特に女性は男の人に比べて、

できることが少なかった。でも、孫四郎は女性ということで

見下すことをせず、本気で打ち合ってくれますよね。それが

当時の女性にとってはうれしいことだったと思いますし、

衝撃的だったと思います。」


フリードのブログ「パフュームの楽書き」-hana14

Q:親が決めた相手と結婚するなど、自由恋愛じゃなかった

江戸時代で暮らすことはあり得ないですか?

北川景子「親が決めて、その上一度も会ったことがない人と

結婚することは……ちょっと厳しいですね(笑)。

たまたま以登のいいなずけ(片桐才助)はいい人だったから

良かったですが、そうじゃなかったらと思うと、現代に生きて

いる感覚で考えると怖いですよね(笑)。」

Q:北川さんのあこがれの男性は、ショーン・ペンやダスティン

・ホフマンだそうですね。

北川景子「ショーン・ペンさんやダスティン・ホフマンさんの

演技が好きという意味です(笑)。ショーン・ペンさんは

悪そうな感じがして、彼自身のそういうところも好きですけどね。

父親になっているのに、昔の悪さを忘れていないとか、

ちょっと悪な親父役が似合うので、好きですね。

映画『ミステック・リバー』のキャラクターとか(笑)。

そういうキャラクターを演じている姿を観ることが好きですね。」


フリードのブログ「パフュームの楽書き」-hana12

■現代人にないのは耐える力

Q:あの時代の女性にあって、今の女性にないものは

何でしょう?

北川景子「耐えること、耐えられる力があることかなと

思います。以登はとてもつらいことがあっても、簡単には人に

相談しないタイプだと思います。自分の中でどうしようか考えて、

決めて、消化してしまう。現代だと、すぐに友達に相談して

しまうのではないかと思います。電話もメールもあるし、

声をひそめて会話する必要もないですよね。困ったことが

あっても、今は人に頼れる環境がある。自分で何とかするため

にひたすら頑張って耐える精神が、女性に限らず、

昔の人々にはあったと思います。」

Q:もし、解決が難しい悩みごとがあった場合に、北川さんは

どちらの時代の女性に近いですか?

北川景子「わたしは、仕事の相談は、誰にもしないです。

そもそも、相談してもわかってもらえない話が多いような気が

するので、最初からあきらめている部分もありますけれどね(笑)。

でも、親には心配をかけたくないし、友達と話しているときにも、

わざわざ仕事の話を持ち出したくないですし。

結局、カメラの前に立つのは自分一人だけなので、

自分で悩み、解決するしかないんです。」

フリードのブログ「パフュームの楽書き」-hana13