ひとつずつ

ほどいていった


複雑なのも単純なのも

固いのも長いのも


ぼやけてよくみえなかったから

やみくもに


ほどいていった


最後にほどいたのは

なかなか

固くて難しくて



あたしの瞳には

邪魔に写ってた



結び目がぜんぶなくなって

はたと気が付けば、



最後のその糸の色は


赤色だった





うつろな頭と

玉虫色の心でも

本当に後悔した


かめれおんで

生きていくのも疲れた


極彩色の蛇になるには

勇気がなくて


かといって

蝶にも花にもなるには足りない




自信がなくても


私は私で生きていくしかないのだ


君のは少し

酸いかもしれないけど

甘くない方が本当は良い


食べすぎないようにと


警告しているのだ



甘さに隠れた毒は


負けない


わたしは甘さを求めるせいで

毒に気がついても

食べることをやめられない





毒にまみれても

ひととき幸せでいたい