◆mixiで、二年前の就職活動時に撮った懐かしい写真を友人向けに公開した。
すると、就職活動真っ只中のマイミクさんから「この写真、禁断のスピード写真?!」というコメントをもらった。
びっくりした。
禁断なの?
◆聞いたことがないわけではないけれど、何でダメなのか理由を聞いても納得は出来なかった。
聞くところによると、スピード写真だと「お手軽に済ませようとしてると判断される」「プロのものに比べて写りが悪い」というような内容だったと記憶している。
果たしてそうだろうか?
確かに、プロに頼むよりも安いし早いしどこにでも機会がある。
お手軽っちゃお手軽だけど、どっちかと言うとそれは「合理的」なのではないかと思う。
大体テクノロジーはどんどん進化しているのだからスピード写真だって十分明るく鮮明に写る。
要は、写る本人が溌剌とした表情で覇気があれば問題ないのではないか?
現に私は、今正社員で勤めている会社を含めて、たった16日で終わった就職活動中に面接まで赴いた二社は、どちらもスピード写真を堂々と貼って赴いた。
そしてそこで、20人訪れた就職希望者の中からたった2人の採用に選ばれた。
運だと言われれば、そうかもしれない。
でもここで考えてみて欲しいのは、会社がどういう人材がほしいのか、という事。
仕事で「より効率よく合理的にする方法」を解っていて取り組もうとする人か、
「理由は聞いてないけど効率悪い方法でやるように言われている」からその通りにするだけの人。
どっちが「使える人間」かは、考えればすぐにわかることだと思う。
そりゃあ、中には「余計な事考えなくて良いから黙って言われたとおりにやっとけ」という会社もあるだろう。
そういう会社に面接を受けに行くのなら、プロに撮ってもらった証明写真で臨むといい。
でも、「自分で考えて取捨選択」が出来る人材を求めている面接官にとって、「ただみんなそうしているから」という理由だけでわざわざ高いお金を払って写真を用意する事が、その人に対するプラスの評価になるとは到底思えない。
寧ろ、「ああ、この人は就職活動のマニュアルを熟読して、ただその通りに振り回されているんだな」と、その時点でその人に対する興味を失ってしまうんじゃないだろうか。
◆過去の経験から、私は面接はインパクト勝負だと思っている。
専門学校の学費が一部免除になる「特待生」の集団面接を受けた時、全員高校の制服で着ているのに対し、私は一人でジーンズだった。
学校側から「私服で良いです」と連絡を受けていたからだ。
5人の学生と2人の面接官が対峙して、一人ずつ質問を受けていく中、私は一人明らかに浮いていた。
服装もさることながら、話すテンポがまるで違った。
想定される質問に対してばっちりと答え方を考えてきていたと思われる学生は、緊張のあまり途中で言う事を忘れてしまったのか長い沈黙があった。
また別の学生は、すらすらと胸を張って過去のサクセスストーリーを語りつくしたが、その話にさらに深く切り込む質問を受けた途端にしどろもどろとし始め、声が震えてさえいた。
一方私は、事前になんの練習も準備もしておらず、その場で聞かれた事に「あ~そうですね、それについては…」と明らかに普通の世間話のテンションで会話をしていた。
他の学生は「なんだコイツやる気あんのか」という態度をあからさまに向けていたが、結果、私は無事に特待生試験に合格した。
◆冒頭に書いた、「スピード写真」で正社員として採用してくれた私の会社は、今やその名を世界各国で轟かせている外資系の某大手企業である。
頭の悪い私立高校を卒業後、二年制の専門学校を間一年謎の休学をしてからやっとで卒業し、そこから8年間、二つの会社に「バイト」「派遣社員」というのらりくらりな勤め方でダラダラ生きていた私が、スピード写真を貼った履歴書にその経歴を書いて持って行っても、採用してくれる会社がこうやってちゃんとあるわけだ。
学歴、職歴、「就職活動のイロハ」を重視する会社だったらまず私は通らない自信があるが、そんな表面上のものしか見てくれない会社には、面接の時間や交通費や写真の費用を無駄にかけたくないし、そういう体質の会社はそもそも私の肌に合わない。
そんな事はレジュメを送った段階で見定めて、面接に呼ぶ前にはじいてほしいと思う。
面接とは面と向かって接する機会なのだから、人となりややる気を評価するべきである。
◆新卒の採用が厳しいのは知っている。
私がすぐに就職活動を終えたのは、偏に職歴に厚みがあり、「社会人として十分にこなれている」事がわかる27歳という年齢が大きく関係していると思う。
ただ、発想の転換をしてみてほしい。
新卒という事は、若さと、それから社会経験の未熟さゆえに、「のびしろ」があるという事でもある。
のびしろをうまく捉えて伸ばす事が出来れば、それは会社の利益になる。
ではどうやって「のびしろ」のある学生を見つけるか?
それは、マニュアルどおりのことしか言わない、やらない学生ではない。
自由な考え方、発言の出来る学生ではないか。
「奇をてらう」とか「破天荒」とか「突拍子も無い」という事とはまるで違う。
面接で意見を求められた時、「言ってはいけないタブー」なんてないのだ。
自分が思ったとおりの意見を述べ、さらにそう考えた理由を相手にわかるようにしっかり話すことが出来れば、例えその意見自体が一般論と少しずれていたとしても「自分なりに考えて判断出来る人なんだ」と面接官に思わせることが出来るのだ。
◆私を含め、色んな人がいろんな事を書いていると思う。
就職活動に行き詰った時、そういうものを読むなとは言わない。
読まなくても面接官と「会話」(「返事」ではない)が出来る人は読まない方が良いと個人的には思うが、読まないと不安だ、という場合は、とにかく色んなものを読むといい。
色んな意見を沢山読んだ上で、「多数派」の意見を選ぶのは確かに無難だし楽だが、完全に個性を殺してしまう。
オススメなのは、色々読んだ中で「自分がもっとも共感出来るもの」を信じてみる事だ。
他人と多少ずれていても、考え方に一本筋が通っていれば、頭の良い面接官には伝わるものである。
何百人もの学生の話を聞く面接官相手に、個性をアピールせずして面接通過は困難を極めると思われる。
どうか、自分らしさを捨てず、考えて自分の答えを導き出す事を心掛けて見てほしい。
別に私は面接官の経験もないし、学者先生でもないので、「これまでの人生で大一番の面接には何となく成功してきた問題児」の一例として参考にして貰えれば何よりである。
