第四段 (1/1) 徒然草/兼好法師 | MOKUAN(もくあん)

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仏教ファンから縁あって出家した0.1人前の隠者系ぼんくら僧侶。
ポップカルチャーへの欲望や執着が消えない困ったさんのパンケーキ。

(超訳)

 

常に、人はいつ死んでしまうかわからない…

ということを心に留めて、仏道に関心を何となく持っておく。

 

これが、憎たらしいくらいに、イイ生き方だ。

 

 

(原文)

後の世の事、心に忘れず、仏の道うとからぬ、心にくし。

 

 

(解釈)

前回までに述べたように、皇族・貴族への教養書として書かれていた初期の徒然草。

良い為政者とは?良い人間性とは?ときて、良い思想とは?の段である。

 

しかして、短い。

 

一行である。

 

ポイントは、「仏の道うとからぬ」という表現だろう。

「仏の道心得たる(〜に詳しい)」とかではなく、

あくまで「うとからぬ(無関心ではない)」としている点だ。

 

別にドップリとハマらなくてもイイ。

 

いずれ死ぬし、そして死んだら次の世界に生まれ変わる。

その時により良い世界で生まれ変わるためには、現世で良い行いをして徳をためる必要性がある。

(当時、流行していた極楽浄土の信仰に則った、在家への教化の方便であろう)

 

いつも死後を思い(メメント・モリ的な)、良い行いをしていながらも、だからといって「仏教マジサイコー!!」とか言わずに、実は仏道に精進している。

 

これくらいが、オツでいいじゃないか。ということか。

 

そういう意味で超訳において「関心を何となく持っておく」とした。