生理を止める薬 ESMYA
今回は生理を止めて筋腫を小さくするための薬について、詳しく書きます。子宮筋腫が見つかって手術前に生理を止めて筋腫を小さくするというケースでは、日本の場合、リュープリンを月一回数ヶ月間皮下注射するのが一般的らしい。そして、皆さん、副作用がキツいと・・。でも、ドイツでは(ヨーロッパの他国も同じなのでは)最近では、ESMYAを一日一回3ヶ月間経口投与するのも一般的なようです。詳しくは、https://esmya.com/esmya-transforming-the-management-of-uterine-fibroids/2つの薬について調べてみると…★ESMYAについて商品名:ESMYA一般名:Ulipristal acetate(ウリプリスタル酢酸)本質:7α-acetoxy-11α-(4-N,N-dimethylaminophenyl)-19-norpregna-4,9-diene-3,20- dione(簡単に言えばステロイド骨格を持つ化合物)☆作用機序プロゲステロン(黄体ホルモン)レセプターのアンタゴニスト、つまりプロゲステロンの作用をブロック。プロゲステロンは、排卵直後から卵巣でつくられる女性ホルモンの一つ。排卵後に卵巣に残された卵胞は、黄体化して、排卵から2週間程プロゲステロンを分泌する。プロゲステロンの働きは、主に受精卵が着床しやすいよう子宮内膜の血流をUpさせ厚くすることと、体温を上げること。つまり、ESMYAはプロゲステロンの働きを阻害することによって、子宮内膜やその周辺の血流が良くなるのを防ぐ。その結果、子宮筋腫が小さくなるのを期待する。☆ウリプリスタル酢酸はその作用機序からモーニングアフターピル(緊急避妊薬)としての用途もあり、EUではEllaOne、アメリカではEllaの名前で販売。この場合の用量は30mgを一回。日本語で「ウリプリスタル酢酸」とgoogleで検索するとこの用途ばかり出てきます。手術前に子宮筋腫を小さくする目的ではアメリカでもEUでもESMYAの名前で販売され、毎日5mgを3ヶ月服用です。3ヶ月以上の連続服用はできず、3ヶ月服用したら1ヶ月はお休みをとります。☆承認国EUとアメリカ★リュープリンについて商品名:リュープリン、Lupron一般名:リュープロレリン(Leuprorelin 又は Leuprolide)本質:5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-D-Leu-Leu-Arg-Pro-NH-CH2-CH3・CH3COOH(GnRHアナログであるポリペプチド)☆作用機序下垂体のGnRH(性腺刺激ホルモン)受容体に対するアゴニスト。通常、GnRHは性腺刺激ホルモンである黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を促進させる。リュープリンは、GnRH受容体にGnRHが大過剰にあるような状態を作り出すので、フィードバックがかかり、GnRH受容体の感受性が弱まる。その結果、間接的に黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの分泌を抑え、女性ホルモン欠乏に導く。つまり、女性ホルモン生成の上流に作用して、プロゲステロンとエストロゲン、2つの女性ホルモンの生成自体を抑制することで、排卵が抑制されて閉経状態となる。それによって子宮筋腫が小さくなることを期待する。☆承認国日本とアメリカ2つのホルモン剤を比べてみると、「生理を止めて子宮筋腫を小さくする」という目的は同じでも、作用機序は異なります。だから副作用も違って当たり前。これについてはまた書きます。ESMYAの方が新しく開発された薬で、子宮筋腫治療薬としてはEUでは2012年に承認。日本では未承認です。リュープリンに比べ、効果発現が早く、確実に効く。さらに副作用、特にほてりが少ないという報告があります。詳しくは↓http://www.webmd.com/women/uterine-fibroids/news/20120201/new-drug-effective-fibroid-treatmenthttp://www.nejm.jp/abstract/vol366.p421でも、まだまだ使われ始めてから日が浅いので、不明なこともたくさんあるみたい。リュープリンもお値段がなかなかのようですが、ESMYAも高額です。3ヶ月分で€576もしました。でも、公的保険でもカバーされるようです