(GWの旅行記の続き)旅行12日目。いよいよ今回の旅行の最終日を迎えました。この最終日、私には行くべきところがありました。それは…、
ブラニーク!!!
そうです。ブラニークです!スメタナ/連作交響詩「わが祖国」の最後の6番目の交響詩「ブラニーク」のタイトルの地です!
5日前にヴィシェフラド、ヴルタヴァ、シャールカ(ディヴォカー・シャールカ)と巡り、前日にプラハ → ターボル間の列車からボヘミアの森と草原を眺めた上でターボルに行ったので、最後のブラニークに行って、わが祖国の交響詩の6つの場所をコンプリートしてしまおうという、フランツならではのユニークな(あるいは、お馬鹿な笑)旅の企画です!
はーい、フランツ先生、ターボルは地球の歩き方に載っているくらい、まち自体が有名でですが、ブラニークって、どこにあるんですか?そもそも観光できるんですか?
良い質問です!ブラニークはプラハの南東約50kmのところにある標高638mの山ですが、インターネットで調べても、観光地としての情報がほとんど出てきません?
しかし、丹念にリサーチをして、Louňovice p.Blaníkemという村からブラニーク山を周わる6kmのハイキングコースを見つけました!
プラハからLouňovice p.Blaníkemに行くのは列車 → バスの乗り継ぎが必要となり、バスの本数も限られますが、何とか行って帰って夜の観劇に間に合いそうです。ということで、ブラニーク山をハイキングとまいりましょう!
(なお、上記の通り、ブラニーク観光の情報はインターネットで事前に見つからなかったので、本記事が本邦初紹介どころか、もしかすると世界で初めての紹介記事なのかも知れません?)
(写真)朝はプラハ中央駅から出発。チェコの首都のメイン・ステーションなので、かなり広い駅です。
(写真)列車で40分でBenešov u Prahy駅に到着。駅前のバスターミナルからバスに乗ります。
Benešov u Prahy駅からLouňovice p.Blaníkemまではバスで45分の旅。10分くらい経つと草原と森や林以外に何にもない光景が広がります。前日の列車からの眺めも良かったですが、これこそ4番目の交響詩「ボヘミアの森と草原から」に相応しそうな美しい自然の光景!
(写真)そのバスからの風景。このような風景が変化を持ちつつ続いて、交響詩「ボヘミアの森と草原から」にシンクロして、喜びが溢れてくる素敵な風景でした。
すると、いつの間にかバスの乗客は私一人だけになりました。景色も自然の景色が続いて、20分くらい人の姿を見かけませんでした。きっと、集落と集落の間が離れているからですね。それにしても、目的地に近づいてもどれがブラニーク山かさっぱり分からない件!笑
(写真)Louňovice p.Blaníkemの村に到着。チャーミングで雰囲気のある教会がありました。
(写真)まずはこのような直線の道路を1kmほど歩きます。木立ちに隠れていますが、ブラニーク山は左側前方にあります。
(写真)強い日差しを浴びながら進みましたが、ようやくブラニーク山と塔が見えてきました!
(写真)ブラニーク山のふもとに到着。山の動植物を紹介する看板があり、いよいよブラニーク山のハイキングに入ります!
(写真)山の中は概ね写真のような、良く整備された歩きやすいハイキングコースでした。数日前雨だったので、落ち葉がしっとりしている上を歩くのはとても快適!
(写真)しばらくすると、戦士の像が登場しました!これが普段はブラニーク山の山中で眠っているところ、祖国がピンチになった時に助けに駆けつける、伝説の戦士なんですね!
(写真)戦士の像のそばにあるブラニーク山の案内。ブラニーク山中で眠っている戦士たちや、祖国がピンチになった時に怒濤のように助けに向かう戦士たち!交響詩「ブラニーク」の世界を視覚化した資料に大いに感動!
(写真)先ほどのような山道が続きますが、ところどころに岩や変わった木立があって飽きません。
(写真)何と、とっても可愛らしいストーンヘンジまでありました!笑
(写真)山の反対側に行くと、視界が広がって、ふもとの風景も楽しめます。
(写真)さらに進むとだんだん険しくなってきて…、
(写真)そして遂にアプローチの道路から見えたブラニーク山の山頂の塔に辿り着きました!(ただし、この日は塔は開いていませんでした。)
(写真)山頂の塔のそばにあったブラニーク山の紹介。交響詩「ブラニーク」のスコアもありました!いや~、これは感動しますね!
ということで、スメタナ/わが祖国の6番目の交響詩「ブラニーク」の物語の地である、ブラニーク山を楽しんで来ました!
2時間ほど歩きましたが、ブラニーク山のハイキングは控えめに言って最高!前日のキリル・ペトレンコ/ベルリン・フィルのスメタナ/わが祖国の「ブラニーク」の感動が残る中、しっとりとした森の中を沢山の鳥たちの声を聞きながら歩いて、緑と茶の美しいコントラストに魅了されて素晴らしい時間でした!
ハイキングを存分に楽しんで、喉が渇き、お腹が空きました。そろそろランチにしましょう。
(写真)ハイキングの後はLouňovice p.Blaníkemの村に戻って、地元のビールで乾杯しますが、何とビールの名前がブラニーク!そうなんです。ブラニークという名前のビールがあるんです!
ほのかに甘味を感じて、心地良いコクがあって、めっちゃ美味い!これっ、スルスル入ってかなり危ない!笑 ハイキングで程よく汗をかいた後のビールは最高!
この「ブラニーク山をハイキングしてブラニークビールを味わう。」旅行の企画の段階から遊び心を持って楽しみにしていた儀式でしたが、めちゃめちゃ楽しい思い出となりました!
(写真)料理はチキンメダリオン、カマンベールとクランベリー添え、ポテトの付け合わせ。このお店のスペシャリテの料理のもようです。これがめちゃめちゃ美味しかった!チキンとカマンベールチーズとクランベリーが抜群に合う!チキンにしっかり塩が振られているのがポイントですね。またビールが進むこと!笑
(写真)ということで、ビールをお代わり!笑 ブラニークビールを沢山楽しめて感激!
(写真)ランチの後、帰りのバスの待ち時間。(写真では黒い点で分りにくいですが)沢山のつばめが飛び交うのどかな光景。心の底からリラックスできた時間でした。
なお、帰りはBenešov u Prahy駅でなく、バスでVotice駅まで言って、Votice → Olbramovice →プラハと列車で帰りました。繰り返しですが、ブラニークに行くのはバスの時間がポイントとなります。
ということで、ブラニークを踏破したので、今回の旅行で、スメタナ/わが祖国の6つの交響詩、ヴィシェフラドからブラニークまで全ての交響詩の舞台をコンプリートしました!バンザーイ!
私の旅行は個人で組み立てる全くフリーハンドな旅行ですが、こういう凝り凝りの旅程を組むのは本当に楽しい。スメタナ生誕200周年の良き思い出となりました!
そしてこの日も夜にコンサートがありますが、この流れを見れば、何のコンサートなのか、もうお分かりですね?
そうなんです!前日に続いてプラハの春音楽祭のオープニングコンサート2日目、キリル・ペトレンコ/ベルリン・フィルのスメタナ/わが祖国です!次の記事で!(続く)