(GWの旅行記の続き)チェコ2日目も前日に続いて今年が生誕200周年のスメタナのオペラを観に行きました。スメタナのオペラの代表作、売られた花嫁です!
National Moravian-Silesian Theatre
Bedřich Smetana
THE BARTERED BRIDE
(Antonín Dvořák Theatre)
Conductor: Marek Šedivý
Stage director: Jiří Nekvasil
Set designer: Daniel Dvořák
Costume designer: Sylva Zimula Hanáková
Choreography: Lukas Zuschlag
Motion cooperation: Jana Tomsová
Motion cooperation, Gagman: Števo Capko
Chorus master: Jurij Galatenko
Dramaturg: Juraj Bajús
Krušina, a farmer: Roman Vlkovič
Ludmila, his wife: Anna Nitrová
Mařenka, their daughter: Soňa Godarská
Mícha, a landowner: Petr Urbánek
Háta, his wife: Jana Hrochová
Vašek, their son: Ondřej Koplík
Jeník, Mícha's son from his first marriage: Martin Šrejma
Kecal, a village matchmaker: Martin Gurbal
Ringmaster of comedians: Václav Morys
Esmeralda, a comedienne: Lenka Pavlovič
The Indian, a comedian: Erik Ondruš
National Moravian-Silesian Theatre’s opera chorus & orchestra and ballet
(写真)本公演のパンフレット
(写真)オストラヴァのモラヴィア・シレジア国立劇場。繰り返しですが、劇場の前の大きな2本の木がとてもいい!
劇場に行くと、客席は見事に満席!しかもお子さんたちが沢山観に来ています。日曜の夕方からの公演ということもあるとは思いますが、チェコでの売られた花嫁の根強い人気が伺えました。
第1幕。このオペラで最も有名な音楽で、コンサートでも演奏される序曲のキレが素晴らしい!弦楽のリズムと木管の刻みに、早くもノリノリになります。
(参考)スメタナ/売られた花嫁から序曲
https://www.youtube.com/watch?v=arYtKZiXCec (7分)
※Česká filharmonieの公式動画より
舞台は冒頭に、人間の足をニワトリの足に見立てた、巨大なニワトリが登場!もはやこいつが舞台上にいると、何も他には目に入らないくらいのインパクト!笑
春のお祭りでの民衆の踊りの場面が楽しい。イェイ、イェイ、イェイのポーズを繰り出しますが、腕の振りがノリノリでめっちゃいい!被りもので登場の村の大きな時計役の方までそれをやったら、時計は動かないからやっちゃダメと諌められていたのも可笑しい。
第1幕の音楽の中では、マジェンカとイェニークの二重唱が素晴らしい!ほのぼのとした旋律の中で、絶妙な転調が入ってハッとさせられるところには、スメタナの作曲の魔法を感じます。
本公演ではバレエがとても良く、大活躍でした。特にニワトリのしぐさをするところが印象的で、第1幕最後のポルカのシーンでも、両腕でパタパタと羽ばたいて、ニワトリのポーズを作って観客を笑わせていました。
第2幕。ビールがずらっと並らぶ舞台が楽しい!男性陣の「ビールは神様からの贈りもの」「ビールがあればやっていける」というセリフに共感。「エイクック!」という印象的な掛け声の英語の字幕は「ハイホー!」でした笑。
(写真)オペラハウスに飾ってあった第2幕の写真(劇場の外から撮影)。こんな感じの楽しい舞台です。
ヴァシェクが登場。どもりのある役柄のヴァシェクですが、純真で躊躇いがちな性格を良く表わす登場の歌がとても素敵。
ケツァルとマジェンカの二重唱がとても楽しくていい感じ。ケツァルとイェニークのやりとりの場面では、2人が舞台に出てくるや、ビールの大ジョッキ(上の写真)に恭しく一礼をして、観客のみなさん一同爆笑でした!笑
第1幕ではニワトリの動きの踊りを披露したバレエのみなさんでしたが、第2幕では何とビールのジョッキを両手に抱えて踊っていました!
バレエダンサーの方の心の声:このオペラハウスはいろんなことをやらされるな~笑。
だったり!笑 最後はマジェンカをたった300ギルダーで売ったのか!と民衆がイェニークに憤慨して終わりました。
第3幕。身元を隠したマジェンカから、マジェンカだけはやめとけ!と強く意見されたヴァシェク。8匹の鴨(デコイ)を引き摺ってとぼとぼ歩く導入が雰囲気あっていい感じ!
そこにサーカスの一団がやって来て、公演の案内で様々なパフォーマンスを見せます。エスメラルダは歌って踊って見事な芸。このエスメラルダの歌、軽やかで平明な歌ですが、癖になるメロディで好きです。
そんな魅力的なエスメラルダにヴァシェクはさっそく惹かれます。そこに、サーカスの団長がまさかのSMの出立ちで登場!しかも団長、筋骨めっちゃ隆々!笑
イェニークは首尾よく結婚とお金の両方を得たものの、そのことをまだ知らないマジェンカは悲痛な面持ち…。マジェンカの悲しみのアリアは地面に臥しながらSoňa Godarskáさんの見事な歌!
イェニークもマジェンカへの想いを歌い、結婚の条件に合致するミーハの息子ということが判明して、イェニークとマジェンカが無事に結婚できることになりました。これでめでたし、めでたし!
(ただ、一時はマジェンカと結婚できることになり、やったね!のポーズで喜んでいたヴァシェクがちょっと可哀想…。)
ここで、喜ぶ2人や村人たちの背後に巨大な熊が出現!このシーン、舞台の空間いっぱいに巨大な熊の毛皮が吊るされて登場して壮観でした!観客の子どもたちが大喜び!
しかし、熊の中身はヴァシェクでした。何やってんの!と母親から追いかけられてヴァシェクは逃げて行きます。ああ、神様、純情なヴァシェクにもいい出会いがありますように!
最後はマジェンカとイェニークを中心に、みんなでお祝いの歌を歌って賑やかに終わりました。冒頭のインパクトありまくりの巨大なニワトリがまた出て来て、めっちゃ楽しい舞台!
(写真)そのフィナーレの舞台の様子。とにかく楽しい舞台でした!
※購入した公演パンフレットより
終演後のチェコの観客のみなさんの盛り上がりが凄かったです!私はスメタナのオペラの場合、音楽的には昨日観た「ボヘミアのブランデンブルク人」や「ダリボール」のような半音を駆使したワーグナー寄りの音楽のオペラの方が好みですが、このオペラにはチェコのみなさまの心の琴線に触れる何かがあるんですね。
なお、カーテンコールで巨大なニワトリが出てきたら、観客からやんやの喝采になっていて、めっちゃ受けました!笑 インパクトありまくりのニワトリ、やっぱりみんな気になったんですね!
(写真)ビールを讃えるオペラの後、ということで、終演後はピルスナー・ウルケルのドラフトを飲めるお店に。東京でもよく楽しんでいるピルスナー・ウルケルですが、本場チェコでドラフトで飲むのは最高!
(写真)骨付き豚のグリル(500g)。これ、めっちゃ美味い!かなりのヒットでした。しかもお値段が2,000円しないので、とてもお値打ち。ビールに良く合って最高の食事!