昨日4月6日(土)、新宿のSOMPO美術館に北欧の画家の美術展を観に行って、その流れでスウェーデン料理&北欧のお酒を楽しんできました。
北欧の画家と言えば、ノルウェーのムンクとデンマークのハマスホイが有名ですが、今回は北欧のうちノルウェー・スウェーデン・フィンランドの3カ国の知られざる画家の絵画を多く観ることのできる好企画です。特に印象に残った絵は以下の通りです。
(写真)エドヴァルド・ムンク/フィヨルドの冬
※北欧の神秘展で購入した絵葉書より
まずは北欧を代表する画家ムンクの作品。やはりムンクの絵は一味違う!と、その独特な筆致と色遣いに魅了されました。
(写真)ニルス・クレーゲル/春の夜
この絵は観た瞬間に、画面いっぱいにうねって広がる木の枝、その生命力に驚きました!背景には鳥が連なって飛んでいて、タイトルは夜ですがとても動的なものを感じる絵。長い冬の後、春を迎えた北欧の躍動感が伝わってくるようです。
なお、本展の冒頭に置いてあったトーマス・ファーンライ「旅人のいる風景」とマルクス・ラーション「滝のある岩場の景観」も本当に素晴らしい絵でした!とてもロマンティックな風景画で、私の大好きなカスパー・ダーヴィト・フリードリヒの絵画に似ていると感じました。
(写真)ニコライ・アストルプ/ユルステルの春の夜
今回の北欧の神秘展で一番の発見が、このニコライ・アストルプでした。表現主義的な絵で、絵の雰囲気自体はムンクに似ていますが、受ける印象が異なります。もう一枚、左隣にあった「ジギタリス」という絵の方がより一層象徴的でした。
(写真)ガラール・ムンテ/スレイプニルにまたがるオーディンのタピスリー
この作品は絵画ではなくタペストリーです。ガラール・ムンテはノルウェ-における装飾芸術の第一人者ということですが、これは北欧神話に出てくるオーディンの勇壮な姿を描いた作品です。
ちなみに…、全然関係ない話ですが、私はFF(ファイナル・ファンタジー)が大好きなので、オーディンと聞くとFFで召喚魔法で呼び出す召喚獣オーディンのことをついつい連想してしまいます…笑。FFの影響力たるや!
(写真)テオドール・キッテルセン/トロルのシラミ取りをする姫
今回の北欧の神秘展のポスターで使われている絵です。ご覧になられた方もいらっしゃるかも知れませんね?「ソリア・モリア城」という物語の連作絵画の一枚です。光の陰影を工夫して、トロル(右の不思議な生き物)の謎めいた感じが良く出ている絵です。
この絵、実はお姫さまはトロルに囚われの身で、事実、次の絵ではトロルは主人公のアスケラッドに成敗されるのですが、上の絵だけを観ると、何だかお姫さまがFFのチョコボのようなモフモフの動物の毛繕いをしてあげているような、そんなほっこりした絵にも見えてしまいます…苦笑。
北欧の神秘展、普段なかなか目にしない北欧の画家の作品を沢山観ることができ、とても充実した一時でした!なお、本展は新宿のSOMPO美術館では6月9日(日)まで開催されますが、その後、松本市美術館、佐川美術館(滋賀)、静岡市美術館を巡回するそうです。北欧にご興味のある方はご覧になられることをお勧めします!
さて、北欧の素敵な絵画をたっぷり楽しんだので、お約束でスウェーデン料理のレストランに行きました。よく利用していたスモーガスボードで有名な赤坂見附の名店ストックホルムが閉店してしまったのは残念でしたが…、その他にもスウェーデン料理や北欧料理のレストランが複数あるのは東京の魅力、多様性の一つだと思います。
(写真)前菜はノルウェー産スモークサーモン。お酒はラピンクルタ(フィンランドのビール)とリニエ(ノルウェーのアクアヴィット)。アクアヴィットは北欧ならでは蒸留酒です。
このお店のアクアヴィットはもう一種類がよりプレーンなスコーネなので、定石ではスコーネから始めるところなんだと思いますが、ノルウェーのサーモンに合わせて1杯目からノルウェーのリニエにしました。漬け込んだハーブが効いていて美味しい!また、ノルウェーサーモンとばっちり合う!
(写真)温かい料理はヤンソンスフレステルセ。お酒はカーネギーポーター(スウェーデンのビール)とスコーネ(スウェーデンのアクアヴィット)。
ヤンソンスフレステルセは「ヤンソン氏の誘惑」という意味のじゃがいもとアンチョビのグラタン、スウェーデンを代表する料理です。なので、ビールとアクアヴィットもスウェーデンにして、スウェーデン尽くしにしてみました。めっちゃ美味い!お酒も抜群に合う!もう堪りません!最高!
(写真)メインはスウェディッシュミートボール。スコーネだけお代わりしました。これも定番のスウェーデン料理ですね。またお肉とジャムが良く合うこと!アルコール度数が40℃前後のアクアヴィットを3杯も行ってしまって、フランツ、どんだけお酒好きなんだか!笑
(写真)デザートはセムラ。一見シュークリームやマリトッツォに似ていますが、パン生地にアーモンドが加えられていて、生クリームにレモンが入ってさっぱりいただけます。めちゃめちゃ美味しい!
実はこのセムラ、キリストの復活を祝うイースターにちなんだスイーツで、この時期にしか食べられません。その昔はイースターの前に断食に入る風習があり、その断食前に食べられたそうです。
前回記事の通り、私は3月29日の聖金曜日にバッハ・コレギウム・ジャパンのバッハ/マタイ受難曲を聴いて、キリストの受難を追体験しました。そして、4月5日(金)にはメシアンのスペシャリストことシルヴァン・カンブルランさんが読響を振った素晴らしいメシアン/キリストの昇天も聴いてきました。
その流れで食したこのイースターにちなんだセムラ。意義深かった今年のイースターを締めくくる、とても味わい深く感動の一皿となりました!