(夏の旅行記の続き)旅行4日目。この日はかねてから行ってみたいと思っていた、チェコの世界遺産レドニツェ城とヴァルチツェ城を訪問しました。

 

 

 

(写真)チェコのブジェツラフ駅。ここからバスで20分でレドニツェ城に到着します。ブジェツラフ駅はウィーン中央駅から1時間。なお、列車内でミネラルウォーターが配られていて驚きました!フライトではよくありますが、列車では珍しい。

 

 

 

まずはレドニツェ城。1249年にボヘミア王のブジェミスル・オタカル2世は南モラヴィア地方の一帯をリヒテンシュタイン家に与えましたが、レドニツェ城はリヒテンシュタイン家が主に夏の離宮として利用したお城です。16世紀にルネッサンス様式で建てられましたが、19世紀中期に現在のネオ・ゴシック建築に改修されました。

 

 

(写真)レドニツェ城のファザード。バス停やガイドツアーの出発場所(エントランス)とは反対側(庭園側)にあります。ヴァルチツェ城と異なり、モノトーンのゴシックの建物が特徴です。

 

(写真)レドニツェ城の案内図。立派なお城(左下の赤の部分)に加えて、後背の広大な庭園が見どころとなっています。

 

(写真)この建物からガイドツアーがスタートします。

 

 

 

レドニツェ城の中の部屋は、約1時間のチェコ語のガイドツアー(英語の説明資料の貸し出しあり)で周りました。私は観光では室内の写真を撮らないことをマイルールとしているので、レドニツェ城の壮麗な部屋の写真はありませんが、特に印象に残った部屋は以下の通りです。

 

 

◯エントランスホール:雰囲気たっぷりな木の階段と豪華なロウソク台が印象的。

 

◯エントリールーム:何とナポレオン戦争の際に使われた旗がありました。

 

◯サマーダイニングルーム:お祝いや特別なゲストが来た時のみ使われた部屋だそうです。広い部屋なのに何と贅沢な!と、貧乏性全開の自分がお恥ずかしい…笑。

 

◯ライブラリー:見事な木製の回り階段がありました。日当たりの良いテラスが接続していて明るい中で読書を楽しめそう。本当に豊かな空間です。

 

◯ブルーミュージックルーム:お城で一番広い部屋で、音楽家が演奏してダンスをしたそうです。ガイドツアーにも関わらず、ギターの素敵な生演奏が披露されました!部屋の雰囲気に合ったノスタルジックなギターが素晴らしい!ヘルマン・シュロッサーによるペルセウスとアンドロメダの絵画や凝った木彫りの天井も印象的でした。

 

 

 

そして、レドニツェ城には池、というよりは湖のある広大な庭園があります。水辺や林の木立ちの中の散策はとても心地良い!

 

 

 

(写真)このような雰囲気のある湖のほとりを散策します。遺跡のような門が置かれていたり、変化を楽しめます。

 

 

 

(写真)途中、白鳥の群れやコウノトリにも遭遇しました。

 

 

 

(写真)湖を挟んでお城の反対側にあるミナレット(イスラム教の塔)。塔の上からの湖や庭園の眺め、そして遠くに見えるお城の眺めは最高!

 

(写真)なお、観光船も出ているので、船で庭園を周わることもできます。どんだけ大きな庭園なんだか!笑

 

 

 

 

 

さて、約1時間のガイドツアーに加えて、1時間半ほど庭園を散策して、レドニツェ城をたっぷり堪能できました。次に10kmほど離れたヴァルチツェ城に移動します。

 

バスで20分ほどで移動しますが、この日は平日なので、バスは2時間に1本(土日だと1時間に1本)。レドニツェ城とヴァルチツェ城の両方を1日で周わる場合は、このバスのタイミングがポイントとなるので(タクシーはいません)、よく確認された方が良いと思います。

 

 

 

 

 

さて、ヴァルチツェ城です。レドニツェ城と異なり、道路からお城のファザードまで開けたところを真っすぐ進む動線なので、「お城にきた~!」という興奮が高まります!

 

 

 

 

(写真)ヴァルチツェ城の美しいファザード。レドニツェ城と対象的な造りで、周囲一帯と同じ赤茶色の屋根が印象亭でした。

 

(写真)ヴァルチツェ城の案内図。レドニツェ城ほどの規模はありませんが、庭園もあります。

 

 

 

ヴァルチツェ城は17世紀初頭からリヒテンシュタイン家の居城として利用されました。17世紀末から18世紀前半にかけてバロック様式の装飾がなされたそうです。

 

 

 

ヴァルチツェ城も1時間のチェコ語のガイドツアーで周りますが、こちらはアプリにより日本語の説明を見ることができるので楽ちんです。レドニツェ城に続いて部屋の写真はありませんが、特に印象に残った部屋は以下の通りです。

 

 

◯謁見室:伊万里焼のお皿が6枚飾られていました。アロイス2世がバロックとロココの様式で造りましたが、専門家でも判別が難しいそうです。天井画は時間の神クロノスが栄光の女神を黄泉の国へ連れて行く場面。はかなさを表しているそうです。

 

◯皇帝の広間:バロック・リバイバル様式の部屋です。シシィ(エリーザベト皇妃)の肖像画がありました。美しい!そしてウエストが細い!

 

◯娯楽室:ビリヤード、カードゲーム、チェスなどで遊んだそうです。今は青い椅子が印象的な空間に。

 

◯オリンポスの間:天井画に全てのオリンポスの神々が描かれていて壮観でした!

 

◯王女の寝室:天井画は左側が科学と芸術の寓意、右側が高慢と放蕩と酩酊の寓意。王女はこれを見て、自らの戒めにされたのでしょうか?(なお、私は高慢は大丈夫だと自負していますが、放蕩と酩酊については自信ないです…笑)

 

◯画廊:全く違った主題の大きな絵と小さな絵が交互に33枚も並べられていて壮観でした。

 

◯黄金の間:金と焦茶の重厚感溢れる部屋で、お城で最も豪華な部屋なんだそうです。天井画はアフロディーテの目覚めで、朝の寓話とのこと。

 

 

 

(写真)ヴァルチツェ城の庭園。レドニツェ城でたっぷり散策したので、ヴァルチツェ城では眺める程度に留めました。

 

(写真)ワインサロン。チェコで賞を獲得したワインを試飲できるそうです!立ち寄れなくて残念…。(理由は後述)

 

 

 

 

 

なお、帰りはヴァルチツェ城からブジェツラウ駅までバスで戻るのも一案ですが、ヴァルチツェ城の北東1kmのところに「ヴァルチツェ」という小さな列車の駅を見つけたので、列車でブジェツラウ駅に戻ることにしました。

 

 

(写真)ヴァルチツェ城からヴァルチツェ駅に向かう途中。壮麗な教会がありました。

 

(写真)ワインのぶどう畑。2023年の夏は熱波と冷夏とが入り交じっていたようですが、ぶどうの出来は果たしてどうなるのでしょうか?

 

(写真)ヴァルチツェ駅に到着。単線で風情があります。ブジェツラウ駅に向かう車内で風が心地良かったです。

 

 

 

 

 

ということで、念願だったチェコの世界遺産、レドニツェ城とヴァルチツェ城を堪能しました!この2つのお城は「レドニツェ・ヴァルチツェの文化的景観」として1996年に世界遺産に登録されています。

 

ウィーンだとシェーンブルン宮殿や王宮の豪華な建造物を楽しむことができますが、それとはまた別の魅力を持つ2つのお城。上記の通り、ウィーンからの1日のエクスカーションで十分行けるので、ご興味のある方はぜひご覧になられてみてください。

 

 

 

 

 

ところで…。お城の観光は存分に楽しめましたが、ヨーロッパ入りしてから最低気温が5℃→11℃→11℃→11℃とずっと低く、それが堪えてか体調がかなり微妙になってきました…。まずい!このままだと熱を出してしまいそうな予感!

 

この日も夜に観劇(ミュージカル)があり、楽しみにしていましたが、翌日も05:00起きで移動してトリプルヘッダーの観劇なので、体力的に結構キツイ状況が続きます。取りあえずウィーンのホテルに戻って、1時間仮眠して様子を見ることにしましたが、仮眠から目覚めた瞬間、

 

「これはダメだ…。残念だけど今晩の観劇は見送ろう…。」

 

とても残念ですが、この日の観劇は諦めました…。

 

 


私は東京では稀に仕事のため急きょコンサートに行けなくなることもありますが、海外旅行の観劇でチケットを取って行かなかったことはほぼありません。(仕事で途中帰国せざるを得なくなった2007年のレハール/ルクセンブルク伯爵の公演以外、全く記憶にありません。)

 

お財布が限られる中、軍資金は大切に使いたいこともありますが、何よりも、その日の公演に向けて努力を積み重ねて来られたアーティストのみなさまに失礼だと思うので。なので、この日の夜に観劇に行けなかったのは、個人的にはかなりの痛恨、苦渋の決断となりました…泣。

 

 

 

ただし、この日の観劇を諦めたことは、もう決めたことです。振り返ったり、くよくよしても仕方ありません。翌日のトリプルヘッダーを無事に乗り切るため、気を取り直して、夕ご飯をささっと食べて、睡眠をたっぷり取るべく20:00には就寝しました。(続く)