昨日1月7日(土)に、新年最初のワインを楽しんできました。今年はボルドーの中でもエキゾチックな魅力があると言われているシャトー・コス・デストゥルネル2003でスタートです!
(写真)シャトー・コス・デストゥルネル2003。グラスでは何回かありますが、2003年のボルドーをボトルでゆっくり味わうのは初めて。とても楽しみです!
その前に、新年なので、私がどうしてワインの記事をせっせと書くのか?、改めてご案内します。その目的は以下の2点です。
(1)熟成させたワインを楽しむ魅力や喜びを伝えたい。
(2)ボルドーの◯◯年のワインは飲み頃かどうか?優良ヴィンテージのワインは何年くらい寝かせると飲み頃になるのか?など、参考となれば嬉しい。
(1)は勝手ながら、ほとんど伝道師を目指しています!爆 ワインはそもそも美味しいお酒で、料理と合わせて、いつ開けてももちろん楽しめますが、一方で、その真価を発揮する「飲み頃」もあると思います。
特にボルドーの赤ワインを熟成させると、どんなに素晴らしい飲みものとなるか!微力ながら、その魅力や楽しさを発信できればと思っています。
(2)は個々の銘柄やヴィンテージのワインの開け時の参考情報の提供。ワインはコルクを開けたら保存できません。1本しかないワインを果たしていつ開けたら良いか?これは本当に考えます。ワインを造った方々の努力や苦労を思えば、できるだけ美味しく飲んであげたいところです。
そこで、私は自身の体験とともに、他の方のブログや海外の専門のサイトを参考にしています。もう開けて楽しんでも良いか?あるいは、もうしばらく寝かせておいた方が良いのか?私がブログに書く1本1本のワインの情報も、きっと他の方の参考になることでしょう。
さて、シャトー・コス・デストゥルネル2003です。コス・デストゥルネルはボルドーはサン・テステフ村のメドック第2級の格付けのシャトー。時には1級を超えるパフォーマンスを発揮することから、「スーパー・セカンド」と呼ばれている素晴らしいシャトーです。
色は美しいボルドー・ルージュですが、最初ひと目見て、昨年何度も体験した2002年のボルドーよりも、クリアで明るい赤という印象を持ちました。20年経って、縁は若干淡くなってきていますが、茶色やオレンジのニュアンスはありません。本当に美しい!
香りは濃厚でスパイシーな香りが抜群!ひょっとしてシラーが入っているのでは?と冗談も言われる、コス・デストゥルネルならではのエキゾチックな香りです。後半に移るに沿って、熟成したカベルネ・ソーヴィニョンやメルロの甘美な香りが満開に。正に百花繚乱な香りとなりました。
味は完熟していて旨味と甘味がうわっと迫ってきます!昨年ラストにいただいたラフィット1982は旨味の成分だけが残った極上の飲みものでしたが、そこにストラクチャーと力強さが加わった感じです。タンニンは十分に溶け込んでおり、ボトルにオリがそこそこ残りました。長い年月を経た最高のワインのみが生み出すことのできる、極上の味わいでした!
ブラボー、2003年!!!
飛び抜けて素晴らしいヴィンテージ!!!
2003年、フランス全土で雨が少なかった酷暑の年で、ボルドーのグレート・ヴィンテージとは聞いていましたが、実際にボトルでゆっくり味わって完全にノックアウトされました!
そして、コス・デストゥルネル2003は飲み頃として今がベスト!もうドンピシャで当てた感覚を持ちました!あと5年置いても良いかも知れませんが、おそらく今開けるのがベスト。昨年楽しんだ2002年も飲み頃でしたが、2002年の場合、あと5年置くともっと良くなる可能性を感じた一方、2003年はその逆。こういうヴィンテージの違いは本当に面白いものです。
シャトー・コス・デストゥルネル2003、グレート・ヴィンテージの2003年の開幕に相応しい、素晴らしいワインでした!今年はこの後に2003年のボルドーをいろいろ楽しもうと思っています。中には「家を抵当に入れても購入すべき」とワインの専門家が勧める、極めて評価の高いシャトーも出てくる予定。その期待感を高めるだけ高めてくれる、最高の水先案内人でした!!!
さて、以前にご質問をいただいたことから、ここでワインの熟成について、私がこれまでに得た経験を少々ご紹介します。
今回のコスのような長熟型のボルドーの赤ワインでなくても、熟成を楽しむことができます。ある程度しっかりしたワイン(価格の目安は1本3,000円以上)であれば、赤でも白でもまず10年は大丈夫。銘柄によっては15年、さらには20年も行ける場合もあります。
ポイントは酸とタンニン。例えば、酸がしっかりあるブルゴーニュ・ブランやブルゴーニュ・ルージュ(ブルゴーニュの地方名ワインで3,000円前後で購入可能)を10年寝かせると、抜群に美味しくなります。タンニンが強くて若飲みだと渋く感じる赤ワイン(バローロやリオハなど)も、10年寝かせると、驚くほど円やかになり、美味しく飲めます。
熟成にはワインセラーが一番ですが、ない場合はできるだけ涼しい部屋で熟成させるのも一案です。経験上、夏に25℃を越えなければ、結構持ちます。台所のお味噌などを入れる床下収納のスペースも涼しくて湿度があるので適していると聞きます。まずはお値打ちのワインで2~3年テストしてみて、劣化しないか確認してみるのが良いでしょう。
世の中には美味しいお酒が沢山ありますが、「◯◯年に取れたぶどう」によるヴィンテージを楽しんだり、そのヴィンテージのお酒を熟成させて変化を楽しめるのは、ワインだけです。ご興味のある方はぜひ楽しまれてみてください!
(追伸)お正月はウィーン・フォルクスオーパー交響楽団とウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを楽しみましたが、その流れで、一昨日1月6日(金)は再びサントリーホールにウィーン・リング・アンサンブルのニューイヤーコンサートを聴きに行きました。めっちゃ楽しかった!
特に、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートでも主役として取り上げられたヨーゼフ・シュトラウスの3つのワルツ(ディナミーデン、トランスアクツィオン、天体の音楽)が抜群に良かったです!
(参考)ヨーゼフ・シュトラウス/ワルツ「天体の音楽」。大好きな曲ですが、私の涙腺ポイントは、5:11~のファ~ラミ~ソラシ♭ミレッレッレ~♪。泣ける~。調が変わっての7:00~の方がより雰囲気ありますね。
https://www.youtube.com/watch?v=_PVdjGBeD3Y (8分)
※WIENERKLASSIK ORCHESTERの公式動画より
そして、翌日1月7日(土)の午後には国立能楽堂に能「竹生島」と狂言「昆布柿」を観に行きました。能「竹生島」では、弁才天が優美な天女の舞を、龍神が力強い舞働を披露して、大いに魅了されました。地謡が「月海上に浮かんでは、兎も波を走るか」と、今年の干支ウサギのことを歌うのが聞けたのも嬉しい。
狂言「昆布柿」では、柿を納める百姓と、昆布&野老(ところ=山芋のこと)を納める百姓が、「今年より所領の日記かきまして」「よろこぶままにところ繁昌(はんじょう)」と上の句と下の句をそれぞれ洒落て歌って、ご褒美をもらうという、こちらもお目出度く楽しい狂言でした。
その目出度い尽くしの流れの中で、夜の会食で出したシャトー・コス・デストゥルネル2003が抜群に当たったんです!「こいつぁ~新年早々、縁起がいいやぁ~」と江戸歌舞伎風のセリフも飛び出しそう、笑。素晴らしい芸術文化にお酒。ハッピー!ラッキー!と素直にポジティヴに楽しむ気持ちを大切に、今年も存分に楽しんでまいりまする!