いよいよ2022年も年末ですね。ということで、今年のボルドーワインの飲み納めとして、40年ものとなるシャトー・ラフィット・ロートシルト1982を開けました!

 

 

 

私は年末にちょっといいワインを楽しんで、一年の締めくくりにすることとしています。これまでも素晴らしいワインで一年をフィニッシュしてきましたが、今年は取っておきの1982年のラフィットがちょうど40年となるので、満を持してこのタイミングで開けることにしました。

 

 

(写真)シャトー・ラフィット・ロートシルト1982。この少々カビの滲んだラベルが、40年という長い年月を物語ります。ラフィットの試飲会で購入して、大事に大事にずっとセラーに寝かしておいた特別な1本。とても楽しみです!

 

 

 

何度も記事にしているように、私はシャトー・ラフィット・ロートシルトの大ファンです。開ける時はこの銘酒に対して毎回畏敬の念を持って対峙しますが、この1982年のラフィットにはさらに特別な感情を抱きます。

 

というのは、1982年というヴィンテージが、20世紀後半で1961年と並んで最高の年とされる、スペシャル・グレート・ヴィンテージだからです!ボルドーが好きな方に「1961」「1982」という数字を言うと、身体が無条件に反応して直立不動で敬礼してしまう?笑くらいのヴィンテージ!ラフィット1982を1本ものでいただくのは初めて、本当に楽しみです。

 

 

 

色は40年の歴史を感じさせて、色合いが淡くなってきた美しいボルドー・ルージュ。ガーネットと言ってもいいのかも?しかし、40年ものなのに、まだ縁に茶色やオレンジのニュアンスが出ていないことは本当に驚きました!中央から縁への濃淡のグラデーションが美しい!

 

香りはラフィットの上品な香りが周りに溢れるくらいに素晴らしい!以前に1961年のラフィットを飲んだ時には爆発するような強烈な香りでしたが、1982年はラフィットらしくあくまでも上品。枯れた雰囲気も若干感じましたが、カベルネ・ソーヴィニョンの熟成した甘い香りでいっぱいになりました。

 

味は40年の年月を経て、旨味だけが残っているような、何か違う飲みものに昇華したようなただならぬ様子。静謐さや深遠さを感じます。タンニンは完全に溶け込んでおり、渋みや雑味は全くありません。これまで飲んできたどんなラフィットとも違う、超然としたラフィット。何かヨーロッパの森を歩いて、地図に載っていない美しい神秘の湖を見つけた時のような喜びを感じました!

 

 

 

いや~、シャトー・ラフィット・ロートシルト1982、素晴らしいワインでした!飲み頃としては、もしかすると30年目くらいに楽しんだ方が、より良かったのかも知れませんが(ただし、私が参考にしている海外のサイトでは、10年前は”keep”や”patient”の言葉が沢山)、40年ものなのに、全然衰えずに超然とした佇まいを備えているところが凄い!

 

さすがはグレート・ヴィンテージ中のグレート・ヴィンテージの1982年のワインだなと思ったところです。40年目の今年楽しむことができて、今年の締めくくりのワインとして飲むことができて、大いなる幸せを感じました。

 

 

 

 

 

さて、本記事をアップした本日12月25日(日)はクリスマスの日。みなさま、クリスマス、楽しまれていますか?(大雪に見舞われている地域もあるようですが…、くれぐれも事故や被害のないよう祈っております。)

 

アメブロでは、お子さんとクリスマスケーキを楽しんだり、ピアノの先生が赤いサンタの帽子を被ってクリスマスコンサートを企画したり、心が温かくなる記事を沢山拝見して、私も幸せな気持ちになりました。

 

 

 

私自身は今日は部屋の大掃除をしたのと、午後は終了間近の美術展を駆け込みで観に行ったという、クリスマスに全く縁のない一日でしたが(笑)、それだけでは少し寂しいので、以前にヨーロッパでクリスマスを楽しんだ時のことを記事で振り返ろうと思います。

 

 

 

 

 

私のクリスマスの思い出では、2019年の年末にバッハ/クリスマス・オラトリオをジョン・ノイマイヤーさんが振り付けたハンブルク・バレエ団の公演を観たこと。これが最も特別な思い出として残っています。

 

そのバレエから始まり、ハンブルク → ウィーン → バーデンとクリスマス・マーケットを楽しんで、最後にヴィンタートゥーア(スイス)の珠玉のレーマーホルツ美術館でクリスマスに関連する絵画を観てきた、2019年末~2020年始のクリスマスがテーマとなった旅行の流れを、以下にご案内します。

 

 

 

(写真)バッハ/クリスマス・オラトリオのバレエの一場面。キリストの誕生に喜びを爆発させる群舞。12月25日のクリスマス(キリスト生誕)から1月6日の東方三博士の来訪までをバッハがオラトリオにした曲を、ジョン・ノイマイヤーさんが見事に振り付けた感動的なバレエです。

 

(参考)上記の写真のバレエの動画。バッハの祝祭感溢れる音楽のもと、幼いキリストをヘロデ王から守った男性(黒い服の男性)がその達成感のもと、喜びの群舞とともに踊る感動のラスト。途中、東方三博士やマリア&ヨセフも登場します。最後の最後で、パートナーのいないその男性に赤い服の女性が降臨したかのようにも見えるラストが極めて感動的!

https://www.youtube.com/watch?v=aOAuJinDmVc (7分)

※ハンブルク・バレエ団の公式動画より

 

(参考)2019.12.28 バッハ/クリスマス・オラトリオ(ハンブルク・バレエ団/ノイマイヤー振付)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12566219735.html

 

 

 

(写真)バレエを観た後に訪れたハンブルクのクリスマス・マーケットの様子。寒さの中、多くの人で賑わっていました。

 

(写真)ハンブルクのクリスマス・マーケットから見えた、内アルスター湖のクリスマスツリー。

 

(写真)ウィーンの市庁舎のクリスマス・マーケット。市庁舎をバックに、本当に沢山のお店が並んでいて壮観でした!

 

(写真)シルヒャーによるグリューワイン。繊細な飲み口で美味しい!私はクリスマス・マーケットに行くと、まずグリューワインを購入して、片手も持ちながらマーケットをウロウロしますが、寒い中、本当に温まりますね。

 

(写真)SLJIVOVICA?綴りから、ヨハン・シュトラウスⅡ世のオペレッタ/こうもり第3幕でフローシュが愛飲する、スリポヴィッツ(プラムなどの蒸留酒)かな?と思ったら、当たりでした!その下の天使の絵にとても興味が湧きましたが、お店のお姉さんに聞いたら、「何も関係ないのよ、笑」だって。おーい!笑

 

(写真)ウィーンのシェーンブルン宮殿のクリスマス・マーケット。カフェ・ラントマンの出店もありました。

 

(写真)バーデンのクリスマス・マーケット(奥の建物が市庁舎)。駅からバーデン市立劇場に辿り着く途中で凍えそうになった時に、ここでいただいたグリューワインの温かさは忘れられません!

 

 

 

(写真)Pieter Bruegel/Die Anbetung der Heiligen Drei Könige im Schnee, 1563

※レーマーホルツ美術館で購入した絵葉書より

 

レーマーホルツ美術館の至宝とも言われる、ブリューゲルの東方三博士の来訪を描いた絵です。このタイトルでありながら、マリアさまとキリスト、東方三博士は左下に小さく描かれていて、どちらかと言うと、それを取り巻く民衆たちの描写に力点が置かれた絵でした。

 

(写真)Oberrheinischer Meister/Die Verkündigung An Maria, 1420-30

 

私のテーマ絵画の一つ「受胎告知」。典型的な受胎告知の絵で、構図といい、色彩といい、非常にバランスが良く魅了されます。青い服のマリア様が美しい。観れば観るほど素晴らしい受胎告知の絵!

 

 

 

 

 

ということで、みなさま、メリークリスマス!素敵なクリスマスの夜をお過ごしください!