この日の夜の観劇は、旅行初日と同じでバーデンです。少し早めに着いたので、まずはバーデンのまちを歩きました。
(なお、初日の記事で書きましたが、ウィーン→バーデンの列車の中で、途中メードリンク(Mödling)の駅に着いた時に、お母さんが小さなお子さんに「メェーよ、ウェーよ!」とオー・ウムラウトの発音を教えていて、笑ってしまったのはこの列車でした。)
(写真)バーデンの駅に到着。駅前からまちの中心方面には雰囲気の良い並木道があります。
(写真)カール・ミレッカーの最後の家。2013年の夏の旅で、ミレッカーのオペレッタの代表作、乞食学生とガスパローネを両方観ることができたのは良い思い出です。
(写真)バーデンまちの中心にあるペスト塔とラートハウス。バーデンの通りはファッションのお店が多く、とてもロマンティックな雰囲気です。
(写真)シュテファン教会。教会の前には印象的な彫像がありました。
(写真)バーデン市立劇場。夏はゾンマーアレーナで公演がありますが、その他の季節はここで公演が行われます。
(写真)凝った彫刻が見られたり、こじんまりとしていますが、本当にセンスの良いまち。この辺りはワインの産地だけあって、デザインはぶどうにまつわるものが多いです。
(写真)ベートーベンハウス!
さて、まち歩きを楽しんだので、久しぶりにベートーベンハウスを訪れました。ベートーベンが第九を書いた家です!特に印象に残った展示は以下の通りです。
◯バーデンでベートーベンが滞在した家の地図と記録
ベートーベンはバーデンではこの家だけでなく、計7箇所に滞在した、とありました。シュヴェヒャート川の反対側にも滞在していました。いずれにしてもバーデンはベートーベンのお気に入り。このベートーベンハウスには1821年、1822年、1823年の3回滞在。引っ越し魔のベートーベンなので、3回連続で滞在したとは、よほど気に入ったのでしょう。
◯バーデンでベートーベンの音楽を愛好した人々の肖像画が並んだ部屋
ベートーベンの音楽を愛好した人々の肖像画がずらっと並んでいて壮観でした。途中には鏡もあり、こういうセンスは気が利いていて本当にいいですね!(つまり鏡に映った来訪者もベートーベンの愛好家、ということ)
◯ベートーベンがバーデンで書いた曲の一覧と視聴
こういう括りでベートーベンの音楽を捉える機会はなかなかないので貴重なコーナーです。並んでいた曲は、ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調「告別」op.81、ウェリントンの勝利op.91、四重唱曲「悲歌-生けるごとく安らかに」op.118、ミサ・ソレムニスop.123、「献堂式」序曲op.124、弦楽四重奏曲第13番変ロ長調op.130、弦楽四重奏曲第15番イ短調op.132でした。第九は言わずもがなですね。
◯ベートーベンの病気の箇所を示した図
ベートーベンの人体図に、病気の箇所と解説が載っていましたが、10箇所以上あって、ベートーベン、もう病気だらけ…。よくぞ名曲の数々を残してくれました。不屈の闘志を感じました。
このようにベートーベンは病気がちでしたが、夏から秋にバーデンの温浴と温泉を飲んで、気分が改善され、冬の季節を健康状態を良くしてバーデンを後にした、ということでした。
◯レーベンマスクとデスマスク
デスマスクはやせ細って病魔の恐ろしさを伝えます。
このベートーベンハウスには10年ぶりくらいに訪れましたが、以前にあったベートーベンの愛用していたピアノとそれを弾くベートーベンの「ろう人形」がありませんでした?案内の方に訪ねたら、ベートーベン生誕250周年に向けて、ピアノの修理をしている、とのこと。
ベートーベン・ピアノの修理について寄附を募っていたので、私もささやかながら10Euroを寄附したところ、とても喜ばれました!日本のベートーベン・ファンの気持ちを少しでも伝えられたのであれば嬉しいです。
(と同時に、ベートーベンのピアノ・ソナタが上手く弾けるようにならないかな?という、どさくさに紛れた願いも、笑)
さて、少し早めに今夜のオペレッタの会場のゾンマーアレーナのあるクーアパークに行きましょう。時間があるので、クーアパークをしばし散歩します。
(写真)クーアパークの入口。公園の中にゾンマーアレーナやカジノなどがあります。
(写真)噴水や花時計、野外の演奏会場もあって、とても豊かな空間
(写真)ヨーゼフ・ランナーとヨハン・シュトラウスの像。オペレッタがよく上演されるバーデンならではの光景ですね。
(写真)背後の高台にはギリシャ風の建物があり、そこにあったのはモーツァルト像!さすがオーストリア!
(写真)雰囲気の良いベンチが並びます。開演時間までここでしばし休憩。
開演時間までゾンマーアレーナの近くのベンチで休憩しましたが、周囲の雰囲気が最高!爽やかな風がいい感じに涼しく吹いて心地よいことこの上なし。観劇への期待感を大いに高めます。
さて、今晩は果たして何の作品を観るのでしょうか?以前から観てみたい!と、ずーっと思っていたオペレッタ。とうとう初めて観る機会がやってまいりました!次の記事で!