ダブリン初日。トリニティー・カレッジにて人類の至宝とも思えるケルズの書や図書館、アイルランド最古のハープを観た後は、アイルランド国立美術館に行きました。
アイルランドを代表する美術館、沢山の名画があって大いに魅了されました!特に印象に残った作品は以下の通りです。
(写真)Thomas Gainsborough/The Cottage Girl, 1785
※アイルランド国立美術館で購入した絵葉書より
これはひと目見て、大いに惹き付けられた絵でした。少女の寂しそうな表情が印象的な絵。抱かれているワンコも何だか悲しげ。背景の自然は素晴らしいですが、厳しさも感じさせます。スミマセン、画家の名前(トマス・ゲインズバラ)すら知りませんでしたが、これは大変な名画なのでは?
(写真)Pieter Brueghel the Younger/Peasant Wedding, 1620
農民たちが踊っている、微笑ましい絵。楽器を演奏しているもの、酔っ払うもの、女性を抱きすくめているもの、いろいろです。ブリューゲルが農民たちのことを親しみを持って描いた絵。この辺りは昨年のブリューゲル展の経験がとても参考になりました。
(参考)2018.1.26 ブリューゲル展 画家一族150年の系譜(東京都美術館)
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12347749064.html
(写真)Titian/The Supper of Emmaus, 1545
キリストが死後に復活し、エマオで食事を取るシーンの絵です。非常に風格のあるキリストの表情、びっくりする左の人物、駆け寄る右の人物は使徒でしょうか?一番左のサービスの子供はお見通しの表情?天蓋の布がダイナミックに波打って、超常現象が起きているかのような印象。素晴らしい構図、さすがはティツィアーノです。
(写真)Michelangelo Merisi da Caravaggio/The Taking of Christ, 1602
この美術館の評判を高めたという、カラヴァッジォ/キリストの逮捕です。重厚で大変リアルな絵。カラヴァッジォならではの黒の質感がとても見事です。
その他、絵葉書はありませんでしたが、以下の絵に惹かれました。
◯Domenicus van Wijnen/Temptation of St. Anthony, 1680s
もはや私の研究テーマとも言うべき(笑)、聖アントニウスの誘惑の絵です。単に聖アントニウスを誘惑する魑魅魍魎がうごめく絵、だけでなく、球体に人間が詰まっていてそれが破裂したり、宇宙と星のスケールを感じさせる、もの凄い絵でした!
◯Carlo Maratti/The Rape of Europe, 1680-85
ゼウスがエウロパを略奪する大きな絵です。白い雄牛にまたがったエウロパが印象的。意外にも周りの女性たちはのんきな雰囲気でした。
ところでアイルランド国立美術館にはフェルメールの作品を一点所有しています。ここに来た大きな目的は、そのフェルメール/手紙を書く女と召使、を観ることでした。しかし、館内を隈なく探しましたが、どうも見かけません?案内の方に聞いたら、
いま日本に行ってるわよ?(笑)
ガーン!行き違いでしたか!(笑)まあ、またいつか観に来ることにしましょう!
(写真)Johannes Vermeer/Woman Writing a Letter, with her Maid, 1670。観ることは叶いませんでしたが絵葉書だけでも。
この後の記事でもいろいろ出てきますが、今回のアイルランド滞在は何もかも素晴らしく、喜びと幸せの毎日となりました!ダブリンには絶対また来ようと心に誓いました。フェルメールはその時までのお楽しみに。
(写真)アイルランド国立美術館