今年も楽しんできた東京・春・音楽祭ももうすぐエンディング。今日は、今月下旬から始まるクリムト展のプレ・コンサートを聴きに行きました。

 

 

東京・春・音楽祭

ミュージアム・コンサート

「クリムト展」プレ・コンサートvol.3

(東京都美術館 講堂)

 

ソプラノ:天羽 明恵

ピアノ:山田 武彦

 

【ファム・ファタールー芸術家たちの女神】

マーラー/《リュッケルトの詩による5つの歌曲》より

私はほのかな香りを吸い込む

美しさゆえに愛するのなら

R.シュトラウス/私は花束を編みたかった

プフィッツナー

孤独な女

あなたの美しさは何処から

ツェムリンスキー

民謡

ばらのイルメリン

シェーンベルク/《4つの歌曲》より

期待

あなたの金の櫛を私に

アルマ・マーラー/《5つの歌曲》より

静かな都会に

なま暖かい夏の夜

ベルク/《7つの初期の歌曲》より

葦の歌

室内で

無上の夢

コルンゴルト/《3つの歌》より

世界は静かにまどろみ

あなたは私の何?

 

 

 

今年は日本・オーストリア友好150周年。ウィーンにほとんど第2の故郷というくらいの親しみを感じている私には、非常に感慨深い年です。 

 

クリムト展はその目玉の展覧会ですが、それを記念するリサイタル、さらにソプラノが大好きな天羽明恵さん、ということで迷わずチケットを取りました。

 

 

曲はどれも後期ロマン派の充実の響きや複雑な和声を伝える素晴らしい曲!それを天羽明恵さんの正確かつ膨よかな歌声で聴けて、至福の時間でした!

 

特にプフィッツナー/孤独な女、シェーンベルク/期待、ベルク/無上の夢、コルンゴルトの2曲に大いに魅了されました。

 

 

天羽さんと同じく素敵なピアノだった山田さんからは、作曲家や曲の解説もありました。特に印象に残ったお話は以下の通りです。

 

◯クリムトはドビュッシーと生まれ年(1862年)も亡くなった年(1918年)も同じ。

 

◯シェーンベルクが難しい曲のコンサートを開いた時のこと。会場の外でウィンナ・ワルツを弾いてお客さんを呼び込んで、お客さんが中に入ったら外から鍵を閉めて(笑)、弦楽四重奏曲は難しいので2回演奏した(笑)、とのことでした。

 

◯コルンゴルトがいかに天才だったかの数々の逸話。さすが、もう一人のウォルフガング!

 

 

天羽明恵さんはアンコールのシューマンの前に「知らない曲ばかりで申し訳ない、笑」とおっしゃっていましたが、いえいえ、こういう曲目のリサイタルこそ聴きたいんですよ。さすが天羽さん!、ということで、会場はかなり埋まっていましたね。

 

クリムト展のプレ・コンサート、大いに楽しめました!ファム・ファタールというテーマにピッタリの天羽明恵さんの歌はいつ聴いても本当に素晴らしい!

 

以前に聴いたR.シュトラウス/ナクソス島のアリアドネのツェルビネッタが素晴らし過ぎましたが、そろそろオペラでも聴いてみたいです。コルンゴルト/死の都のマリーなんかコケットで最高だと思うのですが。ぜひ観てみたいものです。

 

 

そして、もうすぐ東京都美術館で始まるクリムト展にも大いに期待します!