温かくなってきましたね。季節は春を迎えます。ということで、今年も楽しみな東京・春・音楽祭が始まります。そのオープニング・コンサートを聴きに行きました。

 

 

オープニング・コンサート~N響メンバーによる室内楽

~ウィーンのワルツ物語(日本・オーストリア国交樹立150年記念)

(東京文化会館 小ホール)

 

ヴァイオリン:篠崎 史紀、白井 篤

ヴィオラ:中村 翔太郎

チェロ:桑田 歩

コントラバス:本間 達朗

ハーモニウム:山口 綾規

ピアノ:入江 一雄

 

クライスラー/美しきロスマリン

クライスラー/愛の悲しみ

クライスラー/愛の喜び

クライスラー/ウィーン奇想曲op.2

ドヴォルザーク/バガテルop.47

J.シュトラウス2世(ベルク編)/ワルツ《酒、女、歌》

J.シュトラウス2世(ウェーベルン編)/ワルツ《わたしの恋人》

J.シュトラウス2世(シェーンベルク編)/ワルツ《南国のばら》

 

 

(写真)東京・春・音楽祭2019のプログラム。2005-2019 15thの文字が!

 

 

このコンサートは東京・春・音楽祭のオープニング・コンサートですが、東京・春・音楽祭は2005年にスタート、今年で15周年を迎えます。

 

いろいろな公演を楽しんできましたが、特に2007年のワーグナー/タンホイザー(ロバート・カーセンさんのタンホイザーを画家に読み替えた演出が最高!)、そして2014年のR.シュトラウスと2018年のロッシーニのマラソン・コンサートが思い出深いです。

 

(参考)2018.3.25 東京・春・音楽祭マラソン・コンサート(ロッシーニとその時代)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12363248901.html

 

 

そして、このコンサートは日本・オーストリア国交樹立150周年記念のコンサートでもあります。昨日シェーンベルク/グレの歌を聴いて、今日はクライスラーにJ.シュトラウス2世の音楽。とてもいい流れです。

 

 

前半はクライスラー4曲とドヴォルザーク。クライスラーはどの曲も非常に雰囲気があって、大いに魅了されました!活き活きとしていて、かつエレガント。マロさん(篠崎史紀さん)始め、N響のメンバーによる室内楽の演奏がどれだけノリのいいことか。

 

面白かったのは曲の間にマロさんのトークの入ること。以下、トークの内容です。

 

◯演奏だけでなくしゃべるのはドキドキして脈拍が上がる。

⇒いやいや、めっちゃ慣れているように見えるんですけど!(笑)

 

◯美しきロスマリン:ロスマリンは小さな花。「きみはロスマリンみたいだね」と女性に言うのは「可愛いね」という意味、と人から聞きました。

⇒いやこれ、人から聞いたのでなく、マロさん絶対自分で使ってるでしょ?(笑) いずれにしても、いい言葉を知りました!(笑)

 

◯愛の悲しみ:この曲は、屋根裏部屋で一人の男が悩んでいる情景。男の悩みは、だいたい好きな女性についての悩み(笑)。相手に打ち明けようか?逡巡する気持ち、フラれた時の気持ち、思いが通じて高ぶる気持ち、などをイメージします。

⇒解説を聞いた後に演奏を聴くと、確かにマロさんの言った通りの心境になりました!イメージ湧きますね~。なお、男の悩みは…、の話はとても受けてました!(笑)

 

◯愛の喜び:シェーンブルン宮殿のパーティの情景。イタリア人の優男(やさおとこ)と女性のやりとりが聴こえる。

⇒これも確かに!マロさんの楽譜から思い描くイメージって凄いですね!私も演奏を聴いて単にどんな音が聴こえた、だけでなく、できるだけどんなイメージを持ったかまで感想に書くようにしていますが、アーティストのイマジネーションの力ってさすがだと思いました!

 

 

ドヴォルザークのバガテルではハーモニウムが加わります。演奏の前にハーモニウムの説明がありました。子供の頃に唱歌を歌った懐かしい音色。演奏はドヴォルザークらしい旋律や和声が楽しかったです。

 

 

後半はお楽しみ、私の大好きなJ.シュトラウス2世のワルツ3曲です!

 

感想は個々にでなく、まとめますが…、

 

何という雰囲気のある演奏!マロさん始め、みなさんのウィーン愛に溢れた素晴らしいワルツ!

 

もう堪能しまくりました!マロさんの8年、チェロの桑田歩さんの4年を始め、ウィーンで勉強をされた方が中心ですが、ウィンナ・ワルツのリズム感、強弱のメリハリ、旋律に入る時の間合いの取り方、ここぞとばかりのたっぷりの強奏など、大いに唸りました!

 

シェーンベルク、ベルク、ウェーベルンの編曲がまた面白い。ピアノやハーモニウムにも旋律を持たせ、独特の間を入れていたシェーンベルク、ピアノとハーモニウムが対位法的に絡んでいたベルク、規律正しい編曲で(やはり、笑)最も原曲に近くて聴き易かったウェーベルンと、3者3様の編曲を楽しめました。

 

マロさんがみなさんに無茶ぶりするトークも楽しくて、シュトラウスの生家の話、150円で聴けるシュターツオーパーの素晴らしさ、果てはヴィーナーシュニッツェルの話まで飛び出し、とても楽しかったです。若手に場数を踏ませるとともに、言葉でも表現させることを求めて、マロさんは上司としてもとても優秀な方だなと思いました。

 

(写真)話に出たお皿からはみ出るヴィーナーシュニッツェル

 

 

アンコールのジーツェンスキー/ウィーン、わが夢の街も、雰囲気のあるピアノを始め楽しい!15周年を迎える東京・春・音楽祭のオープニング・コンサート、めっちゃ楽しく素敵なコンサートでした!東京・春・音楽祭の15周年、おめでとうございます!ますますのご発展を!

 

 

 

 

(写真)素晴らしかったコンサート、そして今日は金曜日、ということで真っ直ぐ帰るはずがなく(笑)。お供は山崎12年。

 

あれ!?フランツさん、今週、山崎蒸溜所に行ったばかりでは?また山崎を飲むの?

 

はい。日本・オーストリア国交樹立150周年。ということで、素晴らしいオーストリアの音楽には、最高の日本のお酒を合わせなければ。今日は日本・オーストリア国交樹立150周年のお祝いです!あ~、ウィーンにめっちゃ行きたくなってきた!(これまた巨大なフラグが、笑)