田中真由美さんのジャズのコンサートを聴きに、横浜のジャズクラブに行きました。

 

 

田中真由美NEWアルバム発売記念コンサート

(Jazz Spot DOLPHY

 

田中 真由美(ヴォーカル)

田村 博(ピアノ)

皆川 トオル(テナーサックス)

 

 

田中真由美さんは、アメリカ留学中にジャズに目覚められ、ライブハウスなどでジャズを歌われている、とても雰囲気のある歌声のアーティストです。

 

今年1月に藤原歌劇団の「ナヴァラの娘&道化師」の公演がありました。この公演に歌の先生がご出演されていたため、田中真由美さんも観に行かれたそうです。私も観に行きましたが、その時のアメブロつながりで田中真由美さんのことを知りました。初めて聴くライヴ、大変楽しみです。

 

(参考)2018.1.27 ナヴァラの娘&道化師(藤原歌劇団)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12348531396.html

 

 

会場は横浜は桜木町のジャズクラブ。木がしっくり馴染んで歴史を感じる、とても雰囲気のあるお店です。慣れた感じでお酒や食事を楽しんでいる方もいらっしゃって、とてもいい感じでした。普段クラシックばかり聴きに行っているので、東京でジャズを聴いたことがあるのは、ブルーノート東京(表参道)とマデュロ(六本木)だけですが、いろいろなところでジャズが演奏されているんですね。

 

 

ステージが始まりました。まず、テナーサックスの皆川トオルさんとピアノの田村博さんによる、ジャズとボサノバが演奏されました。めっちゃ雰囲気のある演奏!皆川さんは白髪がいい感じに混じったナイスガイ、魅惑のサックス、軽妙なトークもいいですね。

 

田村博さんは途中、5分くらいのピアノ独奏を披露されていましたが、複雑な展開の音楽を即興で演奏されていて、本当に凄い!私、(下手の横好きですが)自分でもピアノを弾くのでその凄さが非常によく分かるのですが、人間はこんなにも凄いことができるのか!、と感動を覚えます。昨年聴いた小曽根真さんのピアノももちろん素晴らしかったですが、田村博さんのピアノも非常に聴き応えがありました。(ちなみに、恐竜にも大変お詳しいそうです、笑)

 

 

そしていよいよ田中真由美さんの登場です。赤の印象的な衣裳。歌はめちゃめちゃいい!事前にいくつか動画も聴きましたが、ライヴで聴くとさらに素敵な歌でした!ほんのちょっとハスキーで、セクシーでキュート。情感の込められた、とても雰囲気のある歌です。ジャズクラブの紹介に「魅惑的なボイスで、心を鷲掴みにする、素敵なボーカリストです」とありましたが、正にその通りだと思いました。

 

この日歌われたのは、Smile、どうぞこのまま、It's Been A Long, Long Time、さよならはダンスの後に、I Only Have Eyes for You、Fever、Caravan、光跡、Crazy、冬の午後遅く、Secret Love、The End of the Worldでした。どれもみな素敵な歌でしたが、特に事前に動画で聴いた際にも魅了されたIt's Been A Long, Long Time、最初にピアノと合わせて、後からサックスが入って広がり感が堪らないSecret Loveに大いに魅了されました。

 

音程がピタピタッと決まって、魅惑の声、雰囲気のある歌は、聴いててとても心地良かったです。一つ気付いたのが、英語の発音。田中真由美さんは英語のお仕事もされているので、英語の発音が抜群なのは言うまでもありませんが、崩して発音されていないので、歌詞が非常に聴きやすく、英語の歌詞を100%聴き取れます。歌の意味がよく伝わってくるので、歌と歌詞との両方で心に響いてくる、なのでより感動的です。

 

 

田中真由美さんのジャズ・ライヴ、素晴らしかったです!ジャズを聴いたのは昨年9月にブルーノート東京に小曽根真さんのトリオを聴いて以来。普段クラシックばかり聴いていますが、ジャズも本当にいいものですね。

 

(参考)2017.9.12 MAKOTO OZONE”THE TRIO”@BLUE NOTE TOKYO

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12310268907.html

 

 

さて、この冬の旅行のヨーロッパへのフライトはANAを利用しましたが、実はANAの機内誌の12月号・1月号ともにニューオーリンズのジャズを特集した記事”JAZZ from NEW ORLEANS”があって、とても魅力されました。特に以下の記載が印象に残りました。

 

◯ミシシッピー川河口の町、ニューオーリンズ。この町からジャズは始まった。

◯(具体的にどこでジャズが形作られたのか?の質問に)「ストーリービルという歓楽街さ。(19世紀のニューオーリンズは、当時アメリカで一番大きな港で、世界中から人々が集まって暮らしていた。)元からあったラグタイムというピアノを主とした音楽や、アフリカ、ハイチ、キューバ、ジャマイカのリズム、それにパリに留学していたクレオール(混血)音楽家たちの影響もあってね。極め付きは、南北戦争が終わった後に軍楽隊が放出したブラス楽器を音楽家が手にしたことだな。」(「トレメ・プチ・ジャズ・ミュージアム」のアル・ジャクソン館長の言葉)

◯「ジャズはね、ミシシッピー川を遡るように伝わっていったんだよ。メンフィス、テネシー、ナッシュビル、シカゴ、オハイオって具合にね。」(同上)

◯「ジャズで大事なフィーリングは教会で学んだよ。フィーリングを得るには教会に行ってゴスペルを聞けって生徒に言うんだ。」(ニューオーリズ屈指の名ドラマー、シャノン・パウエルさんの言葉)

◯魂の音楽(ジャズ)にはそれを育てる濃密な歴史があり、人々の喜怒哀楽がすべて詰まっている。

 

 

また、何度も書いているように、今年は尊敬するレナード・バーンスタインの生誕100周年。レニーもジャズの要素を取り入れた音楽を作曲していますし、ガーシュウィン/ラプソディー・イン・ブルーではスウィングしまくっている素晴らしいピアノの弾き振りの演奏を残しています。

 

そんな流れで、ジャズにとても興味を持っていたところに、田中真由美さんと田村博さんと皆川トオルさんによる素晴らしいジャズを聴けたので、今年はジャズもいろいろ聴いてみよう!、そんな心境になりました。さらに、ピアノのレパートリーでガーシュウィンのジャズの曲を1曲持っていますが、他のジャズの曲も弾いてみようかと思いました。いろいろ広がりができるきっかけを作っていただいて、本当にありがたい限りです。

 

 

最後に、田中真由美さんは英語のお仕事をされる中で、インドなど途上国の子供たちをサポートする取組にも携われているそうです。歌やお人柄を含めて、人間的な温かさを感じました。

 

素敵なライヴを本当にありがとうございました!また聴きに行ければと思います。引き続き応援しています!

 

 

 

(写真)会場でCDを購入して、サインもいただきました。ゆっくり聴くのが楽しみです!

 

 

(追伸)素晴らしいジャズの演奏を聴いて、翌日は祝日。そんなの、まっすぐ帰るはずがありません(笑)。アンコールでRoute 66という楽しい曲が披露されたので、アメリカ賛歌の意味も込めて、ちょっといいバーボンをいただきました。

 

銘柄はブラントン(ブラントンもいろいろ種類がありますが、白いラベルの「ブラントン」)。芳醇な味わいが魅力で、深みとまろやかさが香り立つ逸品、と解説にありました。飲んでみると、とてもマイルドで上品、深みがあって芳醇なバーボン。素敵な歌姫、素晴らしいピアノとサックスに敬意を表しつつ、味わいました。そうだ、せっかくなので、今年はバーボンもいろいろ飲んでみよう。