モーツァルト好きには見逃せない映画の公開が始まったので、さっそく観に行きました。

 

 

 

プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード

 

監督・脚本:ジョン・スティーブンソン

 

ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト:アナイリン・バーナード

スザンナ・ルプタック:モーフィッド・クラーク

サロカ男爵:ジェームズ・ピュアフォイ

ヨゼファ・ドゥシェク:サマンサ・バークス

ルプタック氏:エイドリアン・エドモンソン

ルプタック夫人:デヴラ・カーワン

バルバリーナ:ルビー:ベンタール

ヘンリー・ノフィ:エドムンド・キングスレイ

 

(参考)映画の公式サイト

http://mozart-movie.jp/

※冒頭に2分のプロモーション映像が出てきます。

 

 

この映画は、モーツァルトの生誕260周年を記念して製作されたイギリス・チェコ合作映画です。モーツァルトの「フィガロの結婚」がプラハで大ブレイクし、プラハから新作を依頼・招聘され、ベルトラムカ荘で「ドン・ジョバンニ」の作曲を行った史実をもとに、「フィガロの結婚」でケルビーノを歌う美貌の新進歌手スザンナと、歌劇場やモーツァルト招聘のパトロンであるサロカ男爵との三角関係を巡って、物語が展開します。

 

中世の街並みが色濃く残る「百塔の都」プラハで全編ロケを敢行しており、実際にドン・ジョバンニの初演が行われた、スタヴォフスケー劇場も出てきます。(ただし、映画でのオペラの上演シーンは、世界遺産のチェスキー・クルムロフ城の宮廷劇場で撮影)

 

公開が始まったばかりなので、一部の感想のみに留めますが、プラハで「フィガロの結婚」が大ブレイクして、みんなフィガロの曲で踊っていた、というモーツァルトの手紙に書かれていたシーンをよく再現していたり、ドン・ジョバンニの序曲がなぜ初演ギリギリに書かれたのか、それを象徴的に解釈するなど、非常に唸らせるストーリーでした!スザンナの「モーツァルトの曲は神様の贈り物、世界を幸せにします。」のセリフも非常に印象的。

 

音楽では「フィガロの結婚」「ドン・ジョバンニ」を中心に、ピアノ・ソナタ第14番ハ短調、ディヴェルティメント変ロ長調などが出てきますが、ヒロインの名前がスザンナだったり、ヨゼファ夫人に仕える女中の名前がバルバリーナだったり(しかも味のあるキャラ!)、ドン・ジョバンニとレポレロが入れ替わる場面を思わせるシーンがあったり、この2つのオペラと非常にシンクロした内容です。

 

この映画を観た後では、「ドン・ジョバンニ」のドンナ・アンナやドンナ・エルヴィーラの歌、「フィガロの結婚」のケルビーノの歌は、もう涙なしでは聴けません…。そして何と言っても、ドン・ジョバンニの序曲の冒頭!映画のストーリーはもちろんフィクションですが、私、最初の音が鳴った瞬間に涙を流す自信があります…。

 

以前にプラハを訪れた時、「ドン・ジョバンニ」が初演されたスタヴォフスケー劇場で実際に「ドン・ジョバンニ」を観たり、作曲したベルトラムカ荘にも行ったので、非常に感慨深く観ました。昨日、R.シュトラウス「ばらの騎士」を観た後に、「フィガロの結婚」が沢山出てくる、この映画を観たのにも何かのご縁を感じました。

 
 

モーツァルトを主人公とした本格的な映画としては、あの「アマデウス」以来とのこと。小雪の舞うプラハの街がひたすら美しい!モーツァルトが好きな方、特に「フィガロの結婚」や「ドン・ジョバンニ」が好きな方にはお勧めの映画です!