素晴らしかったダニエル・ビャルナソンさんと神尾真由子さんと東響のコンサート!(特に神尾真由子さんの神ショスタコーヴィチ!)前日のラザレフさんと日フィルを含め、ロシアの曲が続いたので、アフターにウォッカでもと思ったのですが、魅力的なイタリアワインの試飲会があったので、頭を切り替えて参加しました。バローロで有名なルチアーノ・サンドローネの試飲会です!

 

 

ルチアーノ・サンドローネ スペシャルテイスティングイベント

(エノテカ銀座店)

 

ドルチェット・ダルバ2014

ネッビオーロ・ダルバ・ヴァルマッジオーレ2014

バローロ・レ・ヴォーニュ2012

バローロ・カンヌビ・ボスキス2012

バローロ・レ・ヴィーニュ2006

 

 

私はイタリアワインはあまり詳しくないのですが、ルチアーノ・サンドローネの名前は知っていました。大好きなワイン漫画「神の雫」で第6の使徒がこのルチアーノ・サンドローネのバローロだったからです。

 

具体的には④のカンヌビ・ボスキス。簡単に言ってしまうと、弥勒菩薩半跏思惟像を想わせるワインを当てろ、というのが第6の使徒のお題で、その答えがこのルチアーノ・サンドローネのカンヌビ・ボスキス2001なのです。ルチアーノ・サンドローネのワインをいろいろ体感するのがこの試飲会に参加した目的です。

 

 

(写真)弥勒菩薩半跏思惟像(広隆寺)

 ※ウィキペディアより

 

 

はドルチェット・ダルバ2014。何と!奇遇にも、夏のザルツブルク音楽祭の素晴らしかったヴェルディ/アイーダのアフターで、ムーティさんに敬意を表して飲んだイタリアの赤ワインが、ピンポイントでこのルチアーノ・サンドローネのドルチェット・ダルバ2014だったのです!ここで再会できるとは本当に嬉しい限りです!!

 

(参考)2017.8.19 ヴェルディ/アイーダ(ザルツブルク音楽祭)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12323104468.html

 

今回、この試飲会のために、初代ルチアーノ・サンドローネ氏の娘さんである2代目のバーバラ・サンドローネさんが来日されました。バーバラさんの説明によると、ドルチェット・ダルバは、ぶどうを搾りたてのフレッシュな香り、考えなくてもワインから語りかけてくるようなワイン、食事と合わせやすい、4~5年で飲んでほしい、とのことでした。濃い若い赤、フルーティな香り、味はザルツブルクで飲んだ時よりも少し軽い印象ですが、とてもチャーミングな感じのワインです。後の方に心地良い苦味がありました。

 

はネッビオーロ・ダルバ。よりやや薄い綺麗な赤、ネッビオーロのベリー系の香り、味はタンニンが心地良く、甘さを感じます。美味しいワイン。バーバラさんによると、ネッビオーロ・ダルバは砂質土壌でミネラルを感じる、優しいシルキーなタンニンでエレガント、料理は野菜やチーズ、まつたけのリゾットに合う、20~25年長期熟成可能、とのことでした。

 

ダルバの名前がつくワインでもう1つ、バルベーラ・ダルバというワインがあります。ダルバ3兄弟♪(笑)。バーバラさん、今回の試飲会ではバルベーラ・ダルバは出ませんが、ぜひボトルでご購入して(笑)お楽しみに、とのことでした。バルベーラとドルチェットはロックンロールだけど、ネッビオーロはクラシック音楽、とも。バーバラさん、面白い例えをしますね。

 

からいよいよバローロに入ります。まずはレ・ヴィーニュ2012。色はの間くらいの赤。濃い熟した果実の香り。柔らかい味わいで旨味が十分、豊かなタンニンを感じます。本当に美味しいワイン!バーバラさんによると、レ・ヴィーニュは11の畑のぶどうを混ぜている、標高が高く複雑な味わい、2年間樽で熟成させ、瓶内熟成は規定の1年より多く2年行っている、とのことでした。あと20年くらいは行けそうです。ネッビオーロ・ダルバとバローロは同じぶどうのネッビオーロからできていますが、バーバラさんは同じ言語だがアクセントが違う、と表現していました。なるほど!

 

いよいよカンヌビ・ボスキス2012。ヴィンテージこそ違え、神の雫の第6の使徒のワインです。めちゃめちゃ楽しみ!果たして弥勒菩薩半跏思惟像が脳裏に浮かぶでしょうか?(笑) 色はよりやや薄い赤。香りは甘くて、優しい佇まい、ブルゴーニュに近い印象です。味も優しい味わいで、シルキーなタンニン、やや酸も感じます。全体としてはエレガントで包容力を感じ、と同時にピュアな印象も持ちます。

 

バーバラさんのお話では、カンヌビ・ボスキスは単一畑、1977年にバーバラさんの父親が初めて買った畑、カンヌビはバローロの丘、その小さな区画がボスキス。円形劇場型の特別な畑で、温かくなりよく熟す、このため早く収穫でき、より力強いぶどうができる、とのことでした。

 

甘い香り、優しい佇まい、包容力を感じ、脳裏にこそ浮かびませんでしたが、雰囲気は確かに弥勒菩薩像を彷彿とさせるような素敵なワインでした!このワインもあと20年くらいはいけそうです。

 

最後はレ・ヴィーニュ2006。バーバラさんから、と比較して11年の熟成を感じてほしい、とお話がありました。一番古いのにも関わらず、のバローロで一番濃い色。甘く熟した果実のような香りですが、熟成により複雑な香り、いろいろな要素を感じます。味は旨味を前面に感じて本当に美味しい。雰囲気十分の凄いワインです!ぜひお肉の食事と合わせて楽しみたい。後10年くらいは十分行けると思いました。

 

 

神の雫で知って興味を持っていたルチアーノ・サンドローネのワイン。種類を試すことができて、本当に貴重な機会でした!そして、得意のおもてなし攻撃(試飲会のワインの購入)、今回は全く迷いませんでした。ここはやはり、ザルツブルクのアイーダの思い出、マエストロ・ムーティに敬意を表してアフターでいただいたドルチェット・ダルバ2014にいたしましょう!バーバラさんにいきさつを話したら、そんな大変貴重な機会に選んでくれてありがとう、と笑顔で話されていました。最高の公演だった2017年のザルツブルクのアイーダを思い出しながら、しみじみ飲みたいと思います。

 

 

(写真)購入したドルチェット・ダルバ2014(バーバラさんのサインは側面なのでカメラに入りませんでした。)