素晴らしかった皇帝ティートの慈悲。その余韻のもと、カフェに寄りました。ザルツブルクのカフェでは創業1705年、オーストリア最古のトマセッリが有名ですが、私はケーキの種類が豊富なコンディトライのフュルストが好きなので、そちらに行きました。

 

毎回、気の赴くままの記事が多くて本当に恐縮ですが、今回はその中でも特に閑話休題感が満載の散漫記事(笑)なので、適当に読み流していただければ幸いです。

 
 

(写真)フュルストのケーキとメランジェ

 

私はザルツブルクにしろウィーンにしろ、オーストリアのコンディトライ(ケーキ屋さん)のケーキが大大大好物。ハプスブルク家の方々は大変甘いもの好きだったそうですが、そういう背景の中で、美味しいコンディトライのお店が沢山培われたようです。中でもフュルストのケーキはどれを頼んでも美味しいです。この日も見た目だけで何となく選んだクリーム系のケーキを美味しくいただきました。

 

ケーキを注文したので、しばらくのんびりしても迷惑にならないかな?と4人がけのテーブルで1人、皇帝ティートの慈悲のプログラムを読んでいたら、東欧の方とおぼしき女性の観光客お2方が空いているテーブルがなくて困っていたので、「良かったら、こちらどうぞ!」と声をかけました。お2方、喜んで座られたので、メニューも渡してあげました。

 

しばらくしてお2方にもケーキとコーヒーが到着しました。「美味しそうですね。お楽しみに!」 オペラの後で一応、身なりがビシッとしていたこともあり、成り行き上、テーブルのホスト状態に(笑)。お2方も笑顔で嬉しそう。旅行中のこういうちょっとした交流は楽しいものです。

 

しばらくしたら、さっきケーキ食べたばかりなのに、もう小腹が減りました(笑)。いい味出している年配のウエイターの方に親指と人差し指で輪っかを作って、モーツァルトクーゲルを所望しました。そう、ここフュルストはオリジナルのモーツァルトクーゲルンを作ったお店なんです!

 

モーツァルトクーゲルが届きました!興味を示されるお2方。ここで、ちょっとしたイタズラを思いつきました。上着のポケットから取り出したのは…

 

(写真)フュルストのモーツァルトクーゲル(右)とミラベル社のモーツァルトクーゲル(あるいは、夏休みの自由研究、笑)

 

よくお店で売られているミラベル社のモーツァルトクーゲルです。これ、小腹が空いた時にちょうどよく、重宝していて、オーストリアの旅では必ず持ち歩いています。これを取り出してフュルストの大きめのオリジナルのモーツァルトクーゲルと比較して、「お店にはくれぐれも内緒でね!」と言ったら、お2方に馬鹿うけでした(笑)。

 

ほどよい時間になったので、お2方に「引き続き、ご旅行お楽しみに!」と笑顔で別れを告げて、大聖堂に向かいます。ザルツブルクの大聖堂、何度も来ていますが、いつ来てもいいところです。モーツァルトが洗礼を受け、オルガン奏者を務めたところでもあります。

 
 
 

(写真)大聖堂。大聖堂前はイェーダーマン(R.シュトラウスとの名コンビでも有名なフーゴー・フォン・ホフマンスタール作の演劇)のための座席が組まれています。イェーダーマン、一度観たことがありますが、オープンエアーの中、背景の大聖堂や周りの建物、教会の鐘の音!を有効に使った、超お勧めの演目です!

 
 

大聖堂の中に入ろうとしたら、何と閉まっていました!どうやらオルガンのコンサートが明日にあるので、そのリハーサルのために閉めているようです。残念?いやいや、逆にオルガンを聴くチャンス到来です!

 

大聖堂の6,000本の大オルガンの響き、外にいても十分に伝わってきます!残念ながら、リハがもう最後の方で10分くらいしか聴けませんでしたが、それでも大聖堂のオルガンの響きを堪能できました。曲も転調しながら高まっていく曲で非常に感動的。曲名こそ分かりませんが、5月に聴いて熱狂したヴォーン・ウィリアムズの「未知の世界へ」の高まり方に何となく似ています。

 

(参考)2017.5.21 ヴォーン・ウィリアムズ/未知の世界へ

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12277048307.html

 
(写真)翌日の大聖堂のオルガン・コンサートの案内。大変残念ながら、翌日のお昼はザルツブルクにおりません…。

 

さて、いい時間になったので、そろそろHaus für Mozart(モーツァルトのための劇場)に行きましょう。ええっ~!?あんた、さっきオペラ(皇帝ティートの慈悲)観たばっかりでは?ホテルに帰るんじゃないの?いえいえ、ここはザルツブルク。ザルツブルク音楽祭では、オペラのダブルヘッダーが普通にあるんです!皇帝ティートの慈悲は15:00からフェルゼンライトシューレで、次はHaus für Mozartで20:30開演です。ホテルに帰って休憩する時間がなかったので、カフェで寛いだのでした。演目は?それは次回のお楽しみに!(続く)