旅行6日目、バイロイト滞在3日目。この日も午前中にどこか近郊のまちに観光に行くことにしました。しかし、そこはワーグナー大先生のこと。観劇に集中させるために、敢えて観光地から外れたバイロイトに劇場をお造りになられたのです。つまりは、周辺の観光地が限られていて、主だったところは、ニュルンベルク、バンベルク、クルムバッハくらい。しかも既に観に行きました。なかなか選択肢がありません…。

 

(参考)2013年、2014年、2017年のニュルンベルク観光

https://ameblo.jp/franz2013/theme12-10101206983.html

https://ameblo.jp/franz2013/theme6-10101206957.html

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12310833482.html

 

(参考)2013年のバンベルク観光

https://ameblo.jp/franz2013/theme14-10101206983.html

 

(参考)2014年のクルムバッハ観光

https://ameblo.jp/franz2013/theme12-10101206957.html

 

どうしたものか?、と地球の歩き方のドイツの地図をじーっと眺めていたら、観光情報も日本語の都市名の記載すらもないものの、バイロイトの北東約50kmにHofというまちがあり、バイロイトから比較的行きやすいことが分かりました。このHof(ホーフ)という言葉の響きがいい感じなので、ここに狙いを定めて現地のサイトを調べてみたら、なかなか魅力的なまちのようなので、行ってみることにしました。

 

 

(写真)伝説のソーセージ売り、ヴェルシュトラーモの像。詳細は後ほど。

 

 

(写真)ホーフ駅舎の素敵な内装

 

バイロイトから列車で1時間、ホーフの駅に着きました。すると駅の構内が宮殿のように見事な装飾です!1856年に建築家Georg Friedrich Seidelにより建てられた優雅な駅舎です。

 

ホーフの見どころをサイトで調べたら、どうやらテレジエンシュタイン市民公園がお勧めのようなので、まずはバスで15分の、この公園に行きました。

 

 

(写真)迷宮の塔

 

 

(写真)塔からの眺め。さすがドイツ、遠くに風力発電が何本も見えます。

 

まずは公園内の迷宮の塔。映画「薔薇の名前」で、見つけた図書館のことをウィリアムが「ラビリンス」と表現していて、そのショーン・コネリーの英語の響きが凄くカッコ良かったので、それだけの理由で(笑)、公園の一番奥のラビリンスから観光しました。バスで人気(ひとけ)の全くない、寂しいところに降りて、森の中を行けども行けども見つからず、途中めっちゃ不安になりましたが、緑の森の中に突然、塔が出てきて感動的でした。まあ、ラビリンスにしては塔の中の動線はらせん階段の1つで迷う方が難しいですが。どうしてこれが迷宮と呼ばれることの方が迷宮かも知れません?(笑)

 

 

 

 

 

 

(写真)植物園の見事な植物たち

 

 

(写真)蛙の王様発見!平泳ぎの北島康介選手を思い出しました(海外でそう呼ばれ、尊敬されている)。

  

次に、植物園。広い公園の中で、旧市街方面に行く道中にあったので、ついでに軽く見ておくかな?程度の考えで寄りましたが、これが本当に素晴らしい植物園!植物の種類の多さはもちろんのこと、植えられている並びが非常に洗練されています。一昨日の最高だったパルジファルの聖金曜日の音楽の場面を観てから、より一層植物好きになった私。公園全体を30分で周る予定が、結局、植物園だけで30分かかりました(笑)。それでも全然時間が足りないくらいの充実の内容。また来てみたいです。

 

 

(写真)ユーゲントシュティールのレストラン

 

続いて、ユーゲントシュティールのレストラン。この公園の一番の見どころのようです。ただし、改装中で、時間も早くて開いていませんでした。雰囲気あり過ぎる外観だけ楽しみました。そして建物を周囲から角度を変えて見ていたら、こんなものを発見!

 

 

(写真)2003年にドイツで最も美しい公園に認定されたことを示したプレート

 

この公園、中を闊歩して、どうもただ者ではない、と思いましたが、ドイツでNo.1になったことがあるんですね!どおりで雰囲気がありまくる訳です。適当に観光する場所を選んでこういうサプライズに当たると、旅はより楽しくなります。

 

今回は全部見て回れませんでしたが、この他、動物園や小さな建物などさまざまなスポットがあって、とても見応えのある公園でした!凄すぎて、旧市街を見て回る時間が大幅になくなって後で困りましたが(笑)、そのくらい時間をかけて見たくなる素敵な公園です。いつの日かまた、今度はゆっくりと見て回りたいと思いました。

 


さて、当初の予定よりかなり時間を超過しているので、駆け足で旧市街を周ります。

 

(写真)Hospitalkirche

 

 

(写真)St. Michaeliskirche

 

 

(写真)市庁舎

 

 

(写真)市庁舎からのホーフのまちなみ

 

 

(写真)ホーフはジャン・パウルにも所縁のあるまち

 

 

ホーフはWärschtlamo(ヴェルシュトラーモ)というソーセージ売りで有名なまちです。レストランや屋台スタンドではなく、行商のような形でまちなかでソーセージを売り、焼いたものではなく、茹でたソーセージを売るスタイル。このまち独特なスタイルだそうです。「伝統的なソーセージ売り」というのが正しい訳し方なのかも知れませんが、冒頭の写真のように記念の石像も立っているくらいなので、個人的に敬意を込めて「伝説のソーセージ売り」と呼ぶことにしました。

 

ルートヴィッヒ通りを歩いていたら、さっそく、その伝説のソーセージ売りに逢えました!

 

 

(写真)伝説のソーセージ売り、ヴェルシュトラーモ!手前の金色の釜に茹でたソーセージが入っています。ソーセージスタンドではないので、移動できるように右側のパンが入っているかごの下は台車で車輪がついています。ホーフに観光に行かれることがありましたら、ヴェルシュトラーモからソーセージを買うことをお忘れなく!

 

ヴェルシュトラーモは登録された個人が銘々に販売する形なので、期待の一方で、いざホーフに来ても、日によっては、もしかすると逢えないかも?と不安もありました。こうして逢えて、本当に良かったです!さっそく1ついただきましょう。種類は数種類ありますが、基本形はウィンナ・ソーセージだそうです。

 

 

(写真)ウィンナ・ソーセージ

 

めっちゃ美味い!茹でて温まっているのをすぐに食べるので、ホカホカでパリパリです。ここでヴェルシュトラーモとしばし歓談。ヴェルシュトラーモの由来や特徴を教えていただきました。「言わばモバイル・ビジネスのはしりだね。」とおっしゃっていたのが印象的。「このソーセージ、私のホーフ観光のハイライトです!」と伝えたら、とても喜んでいただけました。

 

 

伝説のソーセージ売り、ヴェルシュトラーモによる感動のソーセージを食べたので、次はもちろん、

 

ビール!(笑)

 

 

(写真)ホーファービールの1つシェーデル

 

ホーフには地元のビールが12もあるそうです。そのうちの1つのシェーデルをカフェでいただきました。造られている地元で飲むビールほど、この世で美味いものはありません。

 

 

ホーフ観光で最も重要なソーセージとビール(笑)をおさえたので、引き続き観光を続けます。

 

 

(写真)Altstadtのまちなみ

 

 

(写真)水の勢いでクルクル回っているオブジェ

 

 

(写真)St. Marienkirche

 

 

そして、別のヴェルシュトラーモを発見!せっかくなので、もう1つソーセージをいただきましょう。

 

(写真)本日2つ目のソーセージ

 

 

(写真)ヴェルシュトラーモのメニュー表

 

こちらも美味い!食べながら様子を見ていましたが、親子連れが次から次へと買いに来ていて、地元で大変親しまれている様子が分かります。おやつ替わりに食べられている印象。3~4歳くらいのお子さんが小さな手いっぱいにパンとソーセージを抱えてほうばって食べていたり、お父さんがソーセージをパキッと割って、小さな切れ端をベビーチェアのお子さんの口に入れて上げていたり、何だかとても微笑ましい光景です。

 

 

ドイツ人にとって、ソーセージがいかに身近で大切な食べ物であることか、改めて実感することができました!ワーグナー大先生のお考えに反して、観光に走ってしまっている私ですが、こうしてドイツの文化(食文化)の神髄を探求し、理解に努めておりまする。いつも観光は早々に切り上げ、ちゃんと2時間仮眠した上で、集中力MAXで観劇し、ほとんど読み切れないような長文の感想レポートまでしたためブログにアップしているので、どうかお許しを~(笑)。

 

以上、ホーフ観光でした。(続く)

 
 
 

 

(写真)最初のヴェルシュトラーモの方が広げていた大きな日傘にあった可愛らしいアイコン。ソーセージ、めっちゃ夢のある食べ物ですね!私は東京でソーセージを食べる度に、ここホーフで伝説のソーセージ売り、ヴェルシュトラーモのソーセージを食べたこととその感激を思い出すでしょう。