旅行2日目です。朝にエルトヴィレから列車で15分のリューデスハイムに移動し、ライン川の川下りの船に乗りました。

 

 

 

(写真)ライン川の川下りのハイライト、ローレライ

※購入した絵葉書より

 

 

(写真)川下りの船

 

 

ライン川の川下りは岸辺を彩る古城とぶどう畑が創り出すロマンティックな景観、非常に人気のある観光ルートです。有名なローレライも出てきます。ビンゲン/リューデスハイムからコブレンツまでが世界遺産の区間なので、今回、私はこの区間で乗船することにしました。9:15にリューデスハイムを出発して13:10にコブレンツに到着する4時間の船旅です。

 

船がリューデスハイムの船着場を出発しました。両岸に緑のぶどう畑が大パノラマで広がり、素晴らしい景色です!途中でまちに停船したり、古城や塔が次々と現れたり、いろいろと変化があって楽しい時間です。


(写真)バッハラッハの綺麗なまちなみ


(写真)川縁にあるチャーミングなプファルツ城

 

 

(写真)聖マリア大聖堂が美しいオーバーヴェーゼルのまち


 

さて、いよいよ一番の見どころ、ローレライです。ローレライはライン川に突き出た岩山の名前で「妖精の岩」という意味。この岩から水の精が美しい歌声で船乗りを惑わし、船を転覆させるという伝説の舞台です。ハイネの詩にズィルヒャーが曲をつけた歌曲も有名。以前このライン川の川下りを体験したことのある友人に聞いたところ、このローレライに差し掛かると、船上で音楽が流れ、ドイツ人みんなで歌うとのことでした。

 

ん?みんなで歌う?

 

これはもう、一緒に歌うしかありません!(笑)

 

今回の旅の予習で一番力を入れたのが、映画「薔薇の名前」の鑑賞と、このローレライの歌の練習でした。何で予習をしようかと探したら、YouTubeにいい動画がありました。

 

(参考)初音ミクによるローレライ

初音ミクは名前は聞いたことはあるものの、実際に見るのは初めてです。この動画の良いところは歌とともに歌詞が表示されるので、歌の暗記にはとても便利。2重唱にしているのも気が利いています。この動画で旅行前の1週間、しっかり予習しました。初音ミク、なかなかいいですね!行け、クール・ジャパン!

 

なお、この日の朝も、エルトヴィレの駅で列車待ちの時間に最後の予習をしました。朝のエルトヴィレの駅でローレライの歌の練習をする謎の日本人約1名(笑)。

 

いよいよローレライが見えてきました!間近で見るととても迫力があり、見る角度によって表情が変わります。

 

 

(写真)ローレライ。伝説の舞台です。と、急に雨が強くなりました!超常現象!?

 

そして、船上のアナウンスで、歌が流れてきました!さすがは本場、ロマンティックな伴奏が付いて、めっちゃ雰囲気あります。さあ、ドイツ人のみなさんと一緒に歌いましょう!

 

と思ったら、何と!船上で誰も歌っていなかったんです…。ドイツ人のみなさんと一緒に歌って、盛り上がることを楽しみにしていたので、何だか肩透かしでした…。せっかく練習したので、一人で歌いはしましたが。

 

なぜみんな歌わなかったのか考えましたが、この日は気温が20℃くらい、船上は風があるので、体感ではもっと寒く感じます。なので、ビールやワインを飲んでいる人をほとんど見かけませんでした。歌が大好きなイメージのあるドイツ人も、お酒が入らないと歌わないのでは?という仮説が勝手に立てられました(笑)。


 

ローレライの辺りは他にも岩山があり、ぶどう畑の続くなだらかな雰囲気とはやや違った趣きです。5月に東京オペラ・プロデュースの公演で観たオッフェンバックのオペラ「ラインの妖精」の「妖精の歌」を思い出しました。そして素晴らしかった梅津碧さんの「祖国の歌」!来年の日生劇場の魔笛でのパパゲーナが今からとっても楽しみです。

 

(参考)2017.5.27 オッフェンバック/ラインの妖精(東京オペラ・プロデュース)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12278605519.html

 

 

さてさて、ローレライを見て歌うのにずっと甲板の上にいたので、体が冷え切りました。何か甘いものを食べて温まりましょう。カフェで美味しそうなケーキを発見!形や色がどことなくローレライに似ているような気も?いただきます!


(写真)一見、ケーキかと思ったが…

 

あれっ!?これ中身はアイスクリームじゃないですか!おーい、寒さで震えてるのに、冷やしてどうすんだよ!(笑)

 


(写真)ボッパルトの素敵なホテル群。川岸を散歩してみたいまち。


(写真)マルクスブルク城。白くて気品があり美しい。


 

一番の見どころのローレライを過ぎて、ザンクト・ゴアールやザンクト・ゴアルスハウゼンで下船する方が多かったですが、上記のような見どころも多いので、個人的にコブレンツまでの船旅をお勧めします。

 


(写真)コブレンツに到着。船着場でなく、他の船に横付けするので驚きました。


 

ドイツ人のみなさんとローレライを一緒に歌えなかったのは残念でしたが、リューデスハイムからコブレンツまでの船旅、素晴らしい景色が楽しめて、非常に良かったです!一人でしたが、ローレライもちゃんと歌えたし。でも、ライン川を眺めながら、ほっとくと出てくるのは、

 

Mein Sehnen, mein Wähnen, es träumt sich zurück. Im Tanze gewann ich, verlor ich mein Glück. Im Tanze am Rhein

 

やっぱりピエロの歌でしたが。(続く)