ヴォット/ヤブウォンスキ/新日フィルの感動的なポーランド尽くしのコンサートで気分はすっかりポーランド。アフターでポーランド料理を食べに行きたい気分になりました。
ところが、現在、東京にはポーランド料理のレストランがありません…。以前、渋谷や茅場町にあったのですが、残念ながら、お店が閉まってしまいました。ポーランド料理は大地の恵み、ジューレックにビゴスにピエロギにコヴォンブキにゴロンカにと豊かな食文化。いつの日かまた東京で会えることを祈っています。
レストランがないので、せめてお酒だけでも!、とポーランドを代表するお酒であるズブロッカを飲むことのできるレストランに寄りました。
このズブロッカ、たまにいただくことがありますが、ポーランドの世界遺産であるヨーロッパバイソンのいる森で採れる草を漬け込んだウォッカ、くらいの認識しかありませんでした。今回、改めていただくに当たり、少し調べてみました。
〇ズブロッカのポーランド語の本来の読みに近い発音は「ジュブルフカ」。ズブロッカという読み方は本来の発音を壊しており正しくはないが、英語圏に広まり日本に伝わった。
〇中世のウォッカは蒸留技術が十分ではなく、残留物が多く残っていたため、強い癖の香りが残っていた。この癖のある風味を隠すためハーブや果物の抽出液を添加し、いわゆる「フレーバーウォッカ」が作られた。ズブロッカもその1つ。
〇漬け込まれる草はバイソングラス。絶滅危惧種であるヨーロッパバイソン(ポーランドでは聖牛「ジュブル」)が好んで食べるイネ科の植物。ポーランドの世界遺産「ビアウォヴィエジャの森」にしか自生しない。
〇世界遺産の森には車の進入が禁止されているため、現在でも手で丁寧に刈り取りされている。
〇生産は「ポルモス・ビャウィストク社」。バイソングラスを使ってウォッカを作る事を政府に許可された唯一のメーカー。
〇ズブロッカ(ジュブルフカ)はバイソングラスのポーランド語「ジュブルフカ」から。つまり、ズブロッカとは「バイソングラス」の意。
う~ん、何気なく飲んでいたズブロッカですが、こうしてみると、大変貴重なお酒なんですね!桜餅のような香りで季節を先取りした感じ。味はよもぎ団子にも似て、どことなく日本との御縁を感じます。
素晴らしい曲を作ったモニューシュコ、ショパン、シマノフスキ、そして、熱演だったヴォットさん、ヤブウォンスキさん、新日フィル、それらを生み育んだ偉大なるポーランドに敬意を表して、そして、マエストロ・スクロヴァチェフスキに哀悼の意を表して、ズブロッカいやジュブルフカをいただきました!スクロヴァチェフスキさん、本当にありがとうございました!献杯!
(写真)ジュブルフカ(ズブロッカ)。聖牛「ジュブル」のラベル。ボトルの中に漬け込んであるジュブルフカ(バイソングラス)が見える。