この冬休みにドイツとウィーンを旅してきました。R.シュトラウス生誕150周年の締めくくりに加え、各地のジルヴェスターコンサートを意識しての旅です。これからその様子を少しずつアップしていきます。


まずはミュンヘンに入りました。R.シュトラウスの生家跡などは夏に訪問しているので、時間も限られたことから、まだ行ったことのなかった市立レンバッハギャラリーに行ってみました。

(参考)今年の夏のR.シュトラウスの生家跡など訪問はこちら
http://ameblo.jp/franz2013/entry-11917332076.html


(写真)市立レンバッハギャラリー


(写真)辺りは一面の雪。馬の像も寒そう…。


ミュンヘンの美術館ではアルテ・ノイエ・モダンの3ピナコテークが有名ですが、市立レンバッハギャラリーはカンディンスキーやフランツ・マルク、ガブリエレ・ミュンターなどミュンヘンで活躍した主に表現主義の画家からなる「青騎士」のメンバーの作品が充実しています(なお、「青騎士」には作曲家のシェーンベルクも参加していたとのこと)。

また、ギャラリーの建物はもとはフランツ・フォン・レンバッハの大邸宅ですが、レンバッハ自身がミュンヘン画壇の巨匠で、リストやワーグナーの肖像画も描いています。R.シュトラウスも若い頃にイタリア旅行をした際、ローマでレンバッハと知り合い、強い感銘を受けたそうです。


ギャラリーは大変充実した内容でしたが、私は特にカンディンスキーが写実的な絵から抽象的な絵に移行する途中の段階の絵に大変感銘を受けました!ミュンヘン近郊のムルナウやコッヘルの風景を大胆な単純化と色遣いで描いています。アンリ・マティスの絵では「ここにこの色できたか!」と個々の具体的なパーツの色に驚くことがありますが、カンディンスキーの場合、部分的に奇をてらっているところもありますが、全体でみるとあくまで調和した絵に見え、大変美しいです。ここのルーム32はそういう絵に溢れていて本当にお勧めです!


(写真)Kandinsky/Murnau mit Kirche I


(写真)Kandinsky/Kochel – Friedhof und Pfarrhaus
※両方とも購入した絵葉書より


ルーム32の他、恋人だったミュンターを描いた愛情溢れる絵や、モスクワを舞台にしたほとんどシャガールのような絵、完全な抽象画でなく一部具象が混ざった不思議な抽象画の大作など、カンディンスキーのいろいろな絵があり、大変興味深いです。

夕方から観劇があるので泣く泣く1時間半くらいで引き上げましたが、またミュンヘンに来ることがあれば、再訪してもっとゆっくりカンディンスキーを始めとした表現主義の世界に浸ってみたいと思いました。