今日は「ジークフリート」と「神々の黄昏」の間の日となり、一昨日に続き観劇のない日。別の予定も考えていましたが、天気がはっきりしないので、この日はミュンヘンとニュルンベルクに行きました。

 ミュンヘンでは、まだ見ていなかったニンフェンブルク城に行きました。駅からトラムで行けますが、城の周辺が工事中だったので、トラム→バスでの移動です。


(写真)ニンフェンブルク城


 ここのお城はロココ様式の美しい祝祭大ホールが有名で、明るい色調の大きなフレスコ画が美しく、いつまでも見ていたくなります。また、ルートヴィヒⅠ世の退位の原因となった踊り子ローラ・モンテスの肖像もある美人画ギャラリーやルートヴィヒⅡ世が生まれた緑色の王妃の寝室もありました。


(写真)馬車博物館


 また、馬車博物館では、ルートヴィヒⅡ世の豪華な馬車や妖精のソリが展示されています。昨年ニュルンベルクのDB博物館でルートヴィヒⅡ世の豪華な車両を見て感激しましたが、この日の馬車やソリも本当に素晴らしかったです!ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画「ルートヴィヒ-神々の黄昏」でルートヴィヒⅡ世が「タンホイザー」に出てくる夕星の歌をバックに雪道をソリで滑走する印象的なシーンがありましたが、きっとこんな美しいソリで雪の原に出て行ったことでしょう。




(写真)庭園とマクダレーネン庵


 ニンフェンブルク城には英国風とフランス風の2種類の庭園様式を組み合わせた広大な庭もあり、アマリエンブルク小宮殿、マクダレーネン庵、パゴーデンブルク小宮殿、バーデンブルク小宮殿、モノプテルスなどの建物があります。せっかくなので時間をかけて散策し、主な建物は全て見て周りましたが、特に印象に残ったのはマクダレーネン庵でした。

 ここは一見、荒れ果てた建物のように見えますが、意図してそのように建てられています。隠者の宿として存在し、人間の作りあげた物のはかなさを説くべきであり、ここでは全てに関して黙想と苦行が目的となるべきである、という意味が込められているとのことです。中に入ると壁が貝殻で装飾された洞窟のような礼拝堂がありますが、意匠としては何となく以前バルセロナで見たガウディのグエル公園のようでもあり、逆説的に、全く正反対の世界観であるはずのタンホイザーの1幕のヴェーヌスベルクのようでもあります。

 いろいろ見て周り、結局、ニンフェンブルク城には4時間も滞在しました。とても見応えがあるので、時間に余裕を持って見に行くことをお勧めします。

 ミュンヘン中央駅に戻り、次の目的地へと向かいます。今回ミュンヘンに来てどうしても訪れたかったところは…、




(写真)R.シュトラウスの生家の跡とプレート




(写真)R.シュトラウスの噴水(サロメの噴水)

 そう、ミュンヘンはR.シュトラウスの生まれたまちなんです。ということで生家は今は残っていませんが、生家の跡に行ってきました。中央駅からミュンヘンの中心のマリエン広場に向かってノイハウザー通りを進むと途中にミヒャエル教会がありますが、その通りを挟んで斜め反対側のデパートの裏手がR.シュトラウスの生家があった場所です。プレートは建物の中にあるので、分かりにくかったですが…。ミヒャエル教会のそばには円柱にサロメの物語を刻んだR.シュトラウスの噴水もありました。

 ミュンヘンのまちをぶらっと歩いた後、夕食でどうしてもニュルンベルク・ソーセージを食べたくなったので、ニュルンベルクに移動しました。ソーセージとトゥーハーのビールを堪能した後は、昨年時間がなくて行けなかったヘンカーシュテーク界隈を訪ねました。とても風情があってそぞろ歩きが楽しくなる場所です。


(写真)ニュルンベルク・ソーセージ。何度でも食べたくなる美味しさ。


(写真)ヘンカーシュテークの風景


 ミュンヘンとニュルンベルクを一日そぞろ歩いたので、気分もリフレッシュ。明日の観劇に集中できそうです。