バイロイト音楽祭の「ニーベルングの指輪」では、「ワルキューレ」と「ジークフリート」の翌日は1日お休みとなります。つまりこの日は観劇のない日。時間がたっぷりあるので、遠出をすることにしました。行き先はR.シュトラウスの山荘やお墓のあるドイツ最南端のまち、ガルミッシュ・パルテンキルヒェンです。

 バイロイト→ニュルンベルク→ミュンヘン→ガルミッシュ・パルテンキルヒェンと鉄道を2回乗り換え、5時間かけて到着。まずはアルプス交響曲にも関係するドイツ最高峰のツークシュピツェ(2,962m)を目指します。

 登山鉄道に乗り換え30分でアイプ湖に。ここでロープウェイに乗り換え、10分で一気に山頂(展望台)まで登ります。


(写真)バイエルン・ツークシュピッツェ登山鉄道


(写真)アイプ湖ロープウェイ乗り場。日本語がお出迎え。


 鉄道駅からスムーズに1時間もかからずに山頂の展望台に到達し、あまりにも簡単で何だか拍子抜けしてしまいましたが、ここで現実に引き戻されることに。ツークシュピツェ山頂に半袖シャツで登った人の写真をたまに見かけますが、この日のコンディションは何と山頂の気温-0℃、風速45km/hとのこと…。展望台から山頂までは険しい岩肌を登りますが、軽装の人は皆無で、風もビュービュー吹いています…。


(写真)冷夏のドイツではありますが、現実は厳しかった…。


(写真)山頂というより周りは月の表面のよう。




(写真)展望台下から30mくらい登って辿り着く山頂。ドイツ国旗が強風でバタバタたなびいています…。


 私も夏ですが念のためヒートテック・Tシャツ・Tシャツ・シャツ・セーターと5枚着込んで臨みましたが、山頂に行く以前に展望台にいても寒さと風で5分もいると凍りつきます…。体調を崩して後の観劇に影響が出ることだけは避けたいので、早々に展望台の室内に入り、レストランで暖を取りました。


(写真)人生で一番そのありがたみを噛みしめたカルトッフェルクリームズッペ(右)。


 温かいスープでほっこりしたので、再度、山頂にトライです。幸い風が弱くなったのと、山登りためのロープや足置きの金具が充実していたので、比較的スムーズに山頂に辿り着けました。雲も晴れてきて、とてもいい眺め、正に絶景です。アルプス交響曲の「頂上にて」をイメージしてしばし景色を楽しみました。


(写真)山頂に到達!




(写真)山頂からの素晴らしい眺望




(写真)山頂から見た展望台と山頂からの帰り道の1コマ


 無事に山頂に到達できたので、ここでまた休憩でランチをいただくことに。再度、温かいものを取りたいところではありますが、ドイツで一番高いところにあるビアガーデンなので、せっかくなので記念にビールとソーセージをいただくことにしました。




(写真)ツークシュピツェ山頂(展望台)でのランチ。ビールもソーセージも美味しい。グラスの表記は2,964m?


 残りの時間で展望台を散策。オーストリア側には2,950mの表記がありました。また、展望台に黄色いクチバシ、カラスを小型にした鳥が沢山いたのも印象に残りました。キバシガラスという鳥のようです。


(写真)オーストリア側の記念碑




(写真)餌に群がる鳥たち


(写真)山頂からのアイプ湖の眺め


 寒くて風が強くて最初はどうなることかと思いましたが、何とか無事に山頂まで辿り着くことができました。ただ、とても寒かったので、山頂に行かれる方は夏でも寒さ対策を取るとともに、風をしっかり遮る服(ジャンパーなど)を持って行くことを強くお勧めします。

 屋外と室内を出たり入ったりしながら2時間くらい山頂の展望台を楽しんだので、ロープウェイと登山鉄道で山を下り、R.シュトラウス縁の場所を巡ります(続く)。