夫が居なくなった当初
食欲も物欲も無くなって
部屋探しや引っ越し、母のことなどなど
やらなければいけないことが、沢山あり過ぎて、、、、
それはもう大袈裟ではなく、その日、その時を生きてるだけで精一杯でした
だから、何も考えられなかった
悲しい感情の他は何も湧かなかった
ただ淡々とこなす
それが正直なところでした



でも、最近になり

「夫もまだやりたい事が、あったよね」

と、思うようになりました

お別れした時の夫が余りにも笑顔満開過ぎたから
思いを馳せるのにタイムラグが生じました

リタイアしてから 
存分に好きな時に
釣りにも行きたかったよね

と思う
だって、あんなに好きだったんだから、と


 
そして
「人間いつ死ぬかわからないから、今日を精一杯、生きなきゃな」と、フッと湧いてくるように自然に思うような、、、

まだ、徐々に、、、ですが💦



びっくりする程、長く生きたいとは、ぜんぜん思っていません

でも例えば、今、何かの病で余命宣告をされたとしたら、やはり「えっ」と私はかなり狼狽えると思うのです



夫が居なくなった当時
言われて一番傷ついた言葉

「旦那さんの分まで生きなきゃ」

本当にコレ嫌でした 




でも、最近、そこに近い感情があります
 



これは夫の秘密を話すようで叱られるかもしれないですが💦


実は夫は死ぬ事をとても怖がっていた人でした



「これは〇〇ちゃんにしか言えないんだけど、俺は死ぬ、と言うことが怖くて仕方ないんだ」

と、戸惑うように
こんなこと言う俺って恥ずかしいよね、と、話してくれた事がありました
   

私は、その時
「死ぬのが怖いって素敵な事だよ」と言いました





「メンフィスベル」という映画を二人で観ていた時の事です

それは世界大戦時の飛行機に乗っているアメリカ兵達のお話し

(おぼろな記憶を頼りに書くので、間違っているところはご了承下さい)

任期を終え、もう少しで国に帰れる
けれど、それを目前にしてそのチームにも他のチームと同じく難しい任務が与えられた

上司にあたる大佐は何より意気地がなく、「もう少しで国に帰れる寸前に、なんでこんな任務に赴かなきゃならないんだ、なんてツイてないんだ」と愚痴るグチる

そして、身に危険が及ぶような事から、とにかく逃げ回っている
それはもう見ていて「それ、どーなの?」の疑問が起こるほどに



そして嫌な予感は的中し 
敵の総攻撃に遭う

一緒に飛んでいた他の飛行機が目の前で無惨にも、どんどん撃ち落とされてゆく

けれど
メンフィスベルと言う
乗組員の好きな女性の名前が付けられた、その弱虫大佐率いる飛行機は
身の安全を何よりも重視したおかげで、満身創痍ながらも、なんとか基地に帰ってきた

だが、いざ離陸となったその時
着陸まであとわずかの時間しかないというのに、
自動の補助輪が降りない悲劇が起きてしまう

今度こそもうダメだ!と誰もが、覚悟したその時

それまで、何をするにも逃げ回っていたヘタレの大佐だけが、諦めず


「死んでたまるか!!死んでたまるか!!」と言いながら

信じられない速さの手回しで
補助輪を寸前で出した
この時ばかりは、誰よりも最後まで諦めない勇敢な大佐だった

そして、皆、一命をとりとめ無事に国へと帰る

ざっくりと言うと、そんな映画でした



夫は

「俺、この大佐、好きだ!!これ、ホントにいい役だよな、人って絶対!そうだよ、絶対!!そう思う」




「ここは男らしく散れよ」なんて
格好つけて決して言わない
夫のそんなところが私は好きでした


夫を知る人は
「ご主人、うっかり突然亡くなってしまったんだろうな、と思う」

なんだか、一瞬、聞こえが悪いかも?ですが、つまり

「病気とかだったら、ご主人ならきっと気を張ったと思う」

 
その方の言いたいことが
十分、私に伝わりました


つまり、夫とはそう言う人なのです






一周忌が終わって間もなく


ふっと思いたち
死ぬまでに行きたいライブ25組を私はノートに書き出した


いつ死んでもいいけど
夫が残してくれたお金、少しは使わせてもらいたいな、と少し欲が出てきたのです


けれど物はいらない

好きな音楽を聴きたい
ちょっと気になる
好きなアーティストを全部観ようとそう思いました

そうして書き出した25組

今のところ、三分の一まできています

けれどね

今度は
もう一度聴きたいアーティストが続々と現れて、、、
これ、なかなか終わりそうにありません(笑)

そうこうして
私はきっと快復する時間を稼いでいるのかもしれません

なんでもいい
好きな物があれば
それが、この坂を登る足がかりとなる


亡き夫の意思を継いで、‥
何かたいそうなこと、
世のため人のために 
私なんかが、何をできるわけではなく


夫の分まで
自分が好きだ!と、思う事をしようと思う

なんだか、とことん自分本位で申し訳ない😂



「夫の分まで生きる」


この言葉は
やはり、今でも人に言われたくない言葉

自分で感得するものだと思うから

天邪鬼な私でごめんなさい(_ _;)