HOT ARTIST!
その美メロと独自の世界観に大反響! チャートをにぎわせるAcid Black Cherryとは?

バンドでも個人名でもない、その実態は……
 あくまでロックなのに、超ポップ。しかも鋭角的でざん新な音像なのに、昭和の歌謡ポップスを思わせる甘酸っぱさを伴っていたりする。そんなAcid Black Cherry のハイブリッドな音楽は、日に日に世の中への浸透を深めている。去る1月にリリースされた4作目のシングル『冬の幻 』で初めてその存在を知ったという音楽ファンも少なくないはずだが、それまでにリリースされてきた3枚のシングルも確実にチャートの上位に送り込まれており、Acid Black Cherryの名前はヒットメーカーとしても間違いなく認知されつつある。ちなみにこのAcid Black Cherryは、いわゆるバンドでも単なる個人名でもない。その実態は、わかりやすくいえば、ジャンヌダルク のフロントマンであるyasuのソロプロジェクト。ハード&ヘビーでマニアックな側面も持つジャンヌダルクの音楽を、ポップで親しみやすいものにしているのがyasuのセンスだという事実を踏まえれば、Acid Black Cherryの“不思議なハイブリッド感”にも、だれもが納得することだろう。

プロジェクトごとにメンバーが変わる活動形態
 そもそも“Acid Black Cherry”の命名自体にはさほどディープな裏話も隠されてはいないようなのだが、頭文字が“ABC”というキャッチーさと、そこはかとなく漂うエロさは、そのままyasuの持ち味を象徴するものといっていいだろう。しかもユニークなのは、このプロジェクトがライブ、レコーディング、映像撮影……といったさまざまな局面に応じて参加メンバーが変わるという流動性と臨機応変さを持っているところ。これまでにかかわってきたミュージシャンたちのなかには、SUGIZOLUNA SEA )、千聖(PENICILLIN )、淳士 (元SIAM SHADE )をはじめ、セッションドラマーとして名高い菅沼孝三 なども名を連ねている。何よりも“yasuの理想を具現化していくため”に、固定化とは逆の方法論で成立しているのがAcid Black Cherryなのだ。

アルバムや全国ツアーで中毒患者は増殖!?
 そんなAcid Black Cherryのファーストアルバムが、満を持して2月20日にリリースされる。題して『BLACK LIST 』。ひと言でいえば、実に多面的なロックが日本人にしか構築できないカタチで体現されている。これまでリリースされてきたシングルや、それらに同時収録されてきた邦楽カバー(村下孝蔵 から工藤静香 まで!)を基準に考えると、かなりラウドで攻撃的なロック然とした印象の強い作品ということになるが、もちろんそれは、3月6日から始まる全国ツアー(5月23日には武道館公演も実現!)の風景を想像させてくれるものでもある。楽しく、激しく、ときどきもの悲しく。そんなAcid Black Cherryのロックは、2008年、さらに中毒患者を増殖させていくに違いない。