子曰く、


民の仁に於けるや、水火よりも甚し。

水火は吾れ踏みて死する者を見る。

未だ仁を踏みて死する者を見ざるなり。



論語より





≪現代語訳≫

孔子が言われた。

人にとって「仁を実践する」闘いは、「水や火との闘い」よりも、大変なことである。

水や火との闘いでは、時には人が死ぬ。

しかし仁との闘いで死んだ人を私はまだ見たことがない。
志士は溝壑(こうがく)にあるを忘れず

吉田松陰






≪現代語訳≫

志ある人は、その実現のためには、溝や谷に落ちて

屍(しかばね)をさらしても構わないと常に覚悟しているものだ
戸を出でずして以て天下を知り、

窓を窺わずしてして以て天道を見る。


其の出ずること弥いよ遠くして、其の汁ことを弥いよ少なし。

是を以て聖人は、行かずして知り、見ずして名らかに、為さずして成す。





≪現代語訳≫

部屋から出て行かなくても世の中のことは分かり、

窓から外を見なくても天の理法は見てとれる。


遠くに行けば行くほど、道のことはますます分からなくなる。


そういうわけで聖人は、どこにも行かないで分かり、なにも見ないで明らかであり、なにもしないで成しとげる。
臣にしてその君を弑(しい)し、子にしてその父を弑(しい)するのは、一朝一夕の故にあらず。


易経





≪現代語訳≫

臣下が君主を殺し、子供が親を殺すようなことは、ある日突然に起こるのではない。

その要因は長い年月をかけてゆっくり育ち、ある時、大きな禍になって現れる。