「ごめんね、アーサー。クリスマスは二人でゆっくりラブラブして楽しもうと思ってたのに…あれから事件片付けるのに忙しくて…」
「…もう傷口は塞がってる。…それに、誤解が溶けたから。」
「うん。…アルフレッドに何かされてない?ホントに大丈夫?」
「あぁ。…アルを愛すのが足りなかったのか…?」
「…ふふ、嫉妬だよ。あいつもあいつなりに大人になってきてんだろ。まだまだお子ちゃまだけどな。…でもさ。」
「…?」
「アーサーが俺のこと愛してるって言ってくれて、凄い嬉しかった。」
「わっば、ば、ばか!ああああれは、ああはっきり言わないとどうなるかわからなかった状況であってだな!…お、お前の為とかじゃないんだからなっ!俺の為なんだからなっ///」
それを聞いたフランシスは、アーサーの頬を両手で包み込んだ。
「ばっやめっ///」
「…"俺の為"愛してるって言ったんだ?自分に言い聞かせてどーすんの?」
意地悪い笑みに、アーサーの顔は紅く染まる。
「ち、違っ(@Д@;」
「2424 やっぱ坊っちゃんは可愛いなぁ」
「うるせぇっ」
アーサーの手がフランシスにヒット。
「って!!また直ぐ手が出る!お兄さん泣いちゃうよ?」
「お前がああいうこと…っ///」
「ふふ、じゃあこれから二人でゆっくりクリスマスしよ?」
「お前が…どうしてもって言うなら…。」
「素直じゃないなぁ」
゜・*:.。..。.:*・゜゜・*:.。..。.:*・゜
静かな部屋は蝋燭の火だけで灯されていた。
豪華な食事も残りわずかとなり、ワインの瓶がいくつも転がっていた。
寒いのも気にせずベランダで二人、マフラーをまいて夜景を眺めていた。
「…なぁ。」
「…?」
「…あの時…何で愛とか恋にうるさいお前が"恋なんか"って…。」
「俺達はなんだかんだ言っても国だからさ、フランシスとしての個人的な理由で恋したり…付き合ったり…まして一般人となんか…できないからさ。そういう意味でいったの。
…でも、そんな中でも、アーサーと付き合えて…幸せだなぁ…」
「俺も…そう思う…。」
「でもさーアーサーさぁ、シラフで俺に愛してるって言ってくれたこと一回もないよねー」
「ばっ///そんなの言えるわけ…っ」
「今大分酔いも覚めただろ?」
抱き締められて抵抗しなくなってどれくらいたつのだろう。
命をかけて本気の殺し合いをしてきた相手だけど、俺はお前ほど
嫌い、憎み、信頼し、愛した奴は他にいない。
フランシスと目が会う。
寒いのは確かなのに、火照(ほて)っているような感じがするのは気のせいだろうか。
「アーサー…。」
ちゅ…
ちゅっ……
胸の辺りに違和感。
…お前はいつもこうやって…俺を徐々に狂わせていく。
「…愛してる」
「?!」
「…フランのこと…愛して…る…」
ふふ、と彼が心の中で笑った声が聞こえたような気がした。
「…俺も、何百年も、何千年も前から、愛してる!」
愛の色。
俺達のそれはただの赤とは違う。
もっと深く、濃い深紅(アカ)だ。
人付き合いも上手くなく、意味嫌われてきた俺なんかにも、幸せを運んでくれるサンタは、
やっぱり
お前しかいないんだ…
近づく世界一美しいブルーアイに初めて微笑み返して、俺もまた瞳を閉じた。
† Fin. †
゜・*:.。..。.:*・゜゜・*:.。..。.:*・゜
これで「深紅(アカ)」は完結になります^^
何かと必要以上に遠回しな表現が多いので、意味がわかんねぇよって方もいるかもしれないwww
妄想力で補ってください゜+。←
っていうか無理矢理クリスマスに繋げたwww
タイトルの深紅は打たれた時の"血"と"愛の色"と二人に繋がってる"赤い糸"って意味です。
国同士だし大嫌いというフランスとイギリスだから、そんな二人が愛を誓うには困難が山程あると思います。
それでも二人は構わず、イバラの道に進むのではないか…と(*^^*)
長文・駄作に付き合ってくれて本当にありがとうございました。
これからも雫をお願いしますねヾ(@^▽^@)ノ
それでは
応援してくださった方々に感謝を込めて
良いクリスマスを