南半球のオーストラリア、ゴールドコーストは、シーズン的に真冬でありますが、亜熱帯性気候がゆえに日中は晴天が多く、日本の小春日和という感じです。朝晩の気温は、10℃前後まで下がり、日中は20℃を少し越えるあたりまで上昇します。早朝練習は、今ですと6時半ぐらいから始められます。この時間から明るくなり始め、少し寒いですが、すがすがしい気分になります。しかし、練習を終わる頃には、朝日により快適な気温に上昇しますので、汗をびっしょりかきます。

さて、アーキーは、先週末(7月27日)に私の所属するクラブ(NADEC)主催の公式競技に初めて出場しました。成績は、第2課目(Novice 2.2)が58.9%(13頭中6位)、同じく第2課目(Novice 2.3)が61.9%(17頭中5位)でした。

前回のブログで述べた通り、5月25日に競技の予行演習に参加しましたが、その時、アーキーは、競技馬場に入ったとたんに緊張状態(Tense)になり、実力を思うように発揮できませんでした。その経験から、この2ヶ月間は、競技中のTenseをいかに克服するかに焦点を絞り練習してきました。その効果かどうか、わかりませんが、今回は、準備運動馬場でも、競技馬場に入っても、まったくTenseになりませんでした。結果として、最初の競技(2.2)も次の競技(2.3)も、競技開始前に30分、軽い準備運動をするだけで充分でした。第二競技に至っては、私のすぐ前の競技者の演技を、じっくり観察する余裕すらあったくらいです。

自分でも、満足した2.3の演技について述べますと、アーキーは、今の実力の範囲内で、完全に私のコントロール下に入りましたので、テストの図形運動を正確に行うことと、全体の演技に一貫性(Consistency) を持たせることに集中して騎乗することが出来ました。つまり、巻き乗り、遇角通過、輪乗りなどを正確に行い、そして、三種の歩度(常歩、速歩、駆歩)のリズムやテンポを、それぞれ出来るだけ一定に保ち、全体の演技をひとつの流れにまとめることが出来ました。

私の過去の競技経験からすると、これだけ余裕を持って、演技をしたのは初めてといってよいでしょう。というのは、私の癖かもしれませんが、競技となると、何らかの不安を抱えながら、そうならないようにしなければ、というプレッシャーのようなものを感じてしまうのが常でした。もちろん、第2課目のレベルですから、テスト自体は、そう難しいものではありませんが、どんなレベルであれ、それなりに(乗り手は)うまく乗ろうと緊張するものです。しかし、今回は例外で、まだ基礎調教の過程にあり、競技経験がないアーキーが、ここまで余裕を与えてくれたことに、私は感動し、心から感謝の愛撫をしました。

成績自体は、60%を超えているので、個人的には、期待通り、今の実力通りと評価していますが、今後、基礎調教が終わりに近づけば、第2課目に関する限り、演技の質が向上し、65%~70%が可能になるでしょう。そして、その時は、第3課目に進むタイミングということになります。

ここ2ヶ月間集中してやってきた、Tenseを取る訓練については、そう目新しい方法ではありませんが、Long and Low の体勢でゆったりと三種の歩度で運動をしたことです。Long and Lowとは、馬が、長めにとった手綱に向かって前下方に頭・頸を低下・進展させてくるときの体勢(「ドレッサージュの基礎」から引用)のことです。“トップラインの進展エクササイズ ”とも言われています。

常歩と速歩においては、この体勢で8の字乗り、10mの巻き乗りを数多く行いました。これを最も効果的に行うために、坐骨の推進を絶え間なくおこなって、真直性を崩さないようにしました。この状態で運動をしていますと、馬の視界には地面が多くを占め、余計なものが見えない状態になり、集中力が高まります。そうなると、乗り手の扶助を理解しようとする気持ちが高まり、人馬の信頼関係の形成が促進されます。

簡単に言うとこうなりますが、この運動をゆっくりした歩調で、しつこいぐらいやり続けると、頭を下げることがあたりまえのようになってきます。同時に、坐骨の推進が効いていますから、トモの踏み込みが強化され、後躯の柔軟性が促進されます。結果として、馬が丸め込まれたような形になり、一方で、足の動きは、少しずつスローモーション化してきます。

そもそもTenseになるということは、簡単に言えば、いつもの環境と違うことで、馬の気が散り、乗り手の扶助に集中できなくなって、自分勝手な動きになってしまうことです。したがって、馬の集中力を高め、気が散らないようにしてやれば、Tenseは、克服できるものだと考えます。

それではまた。