夫の命日のお墓参りの後、
義実家で家族が集った。
義父母は家庭菜園で、
少し野菜を作っていた。
食事のあと、
義父がその畑を見に庭先まで
出て行った。
私は今だ!
と思った。
息子はイトコたちに
遊んでもらっている。
数分してから
お義父さんの後を追った。
「お義父さん
ちょっとお話したいことがあります」
私は
意を決して話し続けた。
「実は
再婚をしたいと思っています」
少し間があった。
お義父さんは
「ふじこさん、
おおーそうか。よかったなあ。
そうか、そうか。
あー、おばあさんも呼んでこよう。」
と言って
お義母さんを呼んできた。
お義母さんも
びっくりしていたみたいだけど
「良かった。
良かったね、ふじこさん。
そういう人に出会ったんだね。
私らのことは気にしなくていいから
幸せになるんだよ。」
と言ってくれた。
私は反対されると思っていた。
少なくとも、
そんなに急がない方がいい!
と言われると思っていた。
ところが、
義父母は拍子が抜けるほど
あっさりと賛成してくれた。
その後、
家に戻って
お義父さん、お義母さんと私の3人で
30分ほど話した。
私は、
再婚しても
お墓まいりもするし、
法事もやります!
息子も連れて帰ってくるつもりです!
と伝えたが、
お義母さんは
再婚したら、新しい夫に尽くすこと。
〇〇(息子)とともに
幸せになることだけを考えること。
だから、
もう、ここにも来ないほうがいい。
お墓は私たちに任せなさい。
亡くなった夫のことも
気にしなくていいから。
そう私に繰り返し話した。
とにかく
私と息子が幸せになること。
それが一番だからと。
私は
本当にそれでいいの?
と少し戸惑いと寂しさを
感じながらも
義父母に許された安堵感でいっぱいだった。