【日本の野鳥#24-07-02】モズ(Bull-headed Shrike) | 鳥好きFPのつれづれ日記2

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自然ものの写真をご紹介していきます。
野鳥が中心ですが、風景や草花、動物、きのこたちも登場します

記事の前半は「よもやま話」
記事の後半に「自然ものの写真」をご紹介です。

スズメ目モズ科モズ属
学名 Lanius bucephalus
和名 モズ
英名 Bull-heded Shrike

【分布】
日本、中国東部から南部、朝鮮半島、ロシア南東部(樺太南部含む)に分布。

日本では、北海道・本州・四国・九州に分布。

高標高・北部生息の個体群は南へ渡るか、高度を下げて越冬。

南西諸島では旅鳥、もしくは冬鳥。

【生態】
農耕地、草地、灌木地、河川敷など開けた環境に隣接する森林や林縁に生息。

食性は動物食。昆虫類、ムカデなど多足類、クモ、甲殻類、両生類、小型の爬虫類、小型の鳥類、小型の哺乳類を捕食。

「はやにえ」を行う。

樹上や茂みの中に皿巣を作り営巣。

カッコウの托卵相手。

秋~冬にオスもメスも高鳴きをする。「キーキーキー」「ギチギチギチ」

繁殖期はオスは他の鳥のもの真似をして複雑な声で囀る。

モズ=「百舌鳥」の漢字の充て方は上記のもの真似が由来。

長い尾羽をくるくる回す行動をとる。

夏場は平地に少なくなり、標高の高い場所や高原、北方に多く、そこで繁殖をする。

越冬地周辺などで4月末までに繁殖を一度終えた個体は、その後、標高を上げるか、北方で再度繁殖を行うこともある。

【サイズ・形態】
全長19⁻20㎝。 翼開長_㎝。

雌雄異色。

バランスとして頭が大きく見える。

オスは頭部が橙褐色。

背面は青灰色。

尾羽は黒。

翼は黒で、雨覆、次列風切、三列風切の羽縁は白~淡褐色、初列風切羽基部に白斑。

過眼線は太く黒。

体側面は橙色、下面は淡褐色。

クチバシ先端が鋭いかぎ状で黒。

 

メスは全体的にコントラストが弱く、褐色みが強く、体下面には褐色の横縞が入る。

過眼線は褐色や黒褐色。

クチバシは褐色がかった黒。

 

夏期は頭部などの羽毛が摩耗して、灰色がかる。この摩耗状態のモズを「高原モズ」と呼ぶ。

【その他】


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<ここから鳥の写真>
『モズ(Bull-headed Shrike)』
モズというと「はやにえ(早贄)」、「高鳴き」のイメージがあります。

後者については、簡単にうえで記したので、「はやにえ」について少々。

「はやにえ」の漢字は「早贄」・・・生贄(いけにえ)の一文字が使われます。

 

「はやにえ」とは捕獲した獲物を、枝やバラ類のとげ、有刺鉄線、針金などに刺してそのまま放置する行動の結果でできる「ひもの」です。

バッタ、カマキリ、トカゲ、カエル、小鳥、小動物などが「ひもの」=「はやにえ」になります。

秋や冬の備えという説もある中、その科学的なことがよくわからないといわれていました。

最近の研究で、「はやにえ」を多く確保したオスは、春の囀りで、早口で「歌う」傾向がみられて、つまりメスにもてることが判明されたようです。

 

そんな研究結果を読んで、小さな猛禽の賢さといううか逞しさを感じました。

 

「高鳴き」で餌や獲物の多い縄張りを確保するところから、「はやにえ」と「つがい形成」まで、ひとつなぎの行動とすると、「高鳴き」との関係も気になるところです。

 

そんな、身近な小さな猛禽を再度見直して、じっくり観察してみようと思い直した次第です。

 

オス

バックはリンゴの花

 

メス

 

高原モズと呼ばれる夏の羽衣

メスかな?と思うオス 

夏の羽衣なので摩耗していて秋冬に見るイメージと異なりますね。