スズメ目モズ科モズ属
学名 Lanius bucephalus
和名 モズ
英名 Bull-heded Shrike
【分布】
日本、中国東部から南部、朝鮮半島、ロシア南東部(樺太南部含む)に分布。
日本では、北海道・本州・四国・九州に分布。
高標高・北部生息の個体群は南へ渡るか、高度を下げて越冬。
南西諸島では旅鳥、もしくは冬鳥。
【生態】
農耕地、草地、灌木地、河川敷など開けた環境に隣接する森林や林縁に生息。
食性は動物食。昆虫類、ムカデなど多足類、クモ、甲殻類、両生類、小型の爬虫類、小型の鳥類、小型の哺乳類を捕食。
「はやにえ」を行う。
樹上や茂みの中に皿巣を作り営巣。
カッコウの托卵相手。
秋~冬にオスもメスも高鳴きをする。「キーキーキー」「ギチギチギチ」
繁殖期はオスは他の鳥のもの真似をして複雑な声で囀る。
モズ=「百舌鳥」の漢字の充て方は上記のもの真似が由来。
長い尾羽をくるくる回す行動をとる。
夏場は平地に少なくなり、標高の高い場所や高原、北方に多く、そこで繁殖をする。
越冬地周辺などで4月末までに繁殖を一度終えた個体は、その後、標高を上げるか、北方で再度繁殖を行うこともある。
【サイズ・形態】
全長19⁻20㎝。 翼開長_㎝。
雌雄異色。
バランスとして頭が大きく見える。
オスは頭部が橙褐色。
背面は青灰色。
尾羽は黒。
翼は黒で、雨覆、次列風切、三列風切の羽縁は白~淡褐色、初列風切羽基部に白斑。
過眼線は太く黒。
体側面は橙色、下面は淡褐色。
クチバシ先端が鋭いかぎ状で黒。
メスは全体的にコントラストが弱く、褐色みが強く、体下面には褐色の横縞が入る。
過眼線は褐色や黒褐色。
クチバシは褐色がかった黒。
夏期は頭部などの羽毛が摩耗して、灰色がかる。この摩耗状態のモズを「高原モズ」と呼ぶ。
【その他】
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<ここから鳥の写真>
『モズ(Bull-headed Shrike)』
モズというと「はやにえ(早贄)」、「高鳴き」のイメージがあります。
後者については、簡単にうえで記したので、「はやにえ」について少々。
「はやにえ」の漢字は「早贄」・・・生贄(いけにえ)の一文字が使われます。
「はやにえ」とは捕獲した獲物を、枝やバラ類のとげ、有刺鉄線、針金などに刺してそのまま放置する行動の結果でできる「ひもの」です。
バッタ、カマキリ、トカゲ、カエル、小鳥、小動物などが「ひもの」=「はやにえ」になります。
秋や冬の備えという説もある中、その科学的なことがよくわからないといわれていました。
最近の研究で、「はやにえ」を多く確保したオスは、春の囀りで、早口で「歌う」傾向がみられて、つまりメスにもてることが判明されたようです。
そんな研究結果を読んで、小さな猛禽の賢さといううか逞しさを感じました。
「高鳴き」で餌や獲物の多い縄張りを確保するところから、「はやにえ」と「つがい形成」まで、ひとつなぎの行動とすると、「高鳴き」との関係も気になるところです。
そんな、身近な小さな猛禽を再度見直して、じっくり観察してみようと思い直した次第です。
オス
バックはリンゴの花
メス
高原モズと呼ばれる夏の羽衣
メスかな?と思うオス
夏の羽衣なので摩耗していて秋冬に見るイメージと異なりますね。